【感想・ネタバレ】女ことばってなんなのかしら? 「性別の美学」の日本語のレビュー

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Posted by ブクログ

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著者が思春期のときに感じていたという“男の子に憧れる”気持ちと、しかし大人になってよく考えてみたら“女の子に対する抑圧に抗っていただけで、男の子になりたかったわけじゃなかった”という気付きに、ものすごく共感。
性別違和に悩む女の子がいたら、まずは一旦落ち着いてこの本を読んでみるといいよ。

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2023年12月10日

Posted by ブクログ

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めちゃくちゃ面白くてすぐ読み切っちゃった!!「女ことば」を通して、日本語をジェンダー格差の視点から見つめ直す本!

日本の女ことばの歴史、その歴史とともに生まれた女性差別、日本と西洋の女性蔑視、女へんはあるのに男へんはない漢字(僕・俺のへんはまさかの「人」。人=男?驚愕)、「女らしい」「男らしい」、一人称や三人称、かわいいは最強...?などなど、いろんなトピックを通してことばから透けて見える男性優位文化に愕然....。それと同時に日本のことばと男女差別の密接な関係性にまずは気付くことが大切だと思った。

納得しすぎた言葉
《男を表現するときには背後に「性を超えた人間性」があるのに対して、女の場合は 「性」から逃れられない。》
↑まじでコレすぎて泣いた。"男"が使われる慣用句は「男=立派な人間」のイメージのものばかりだけど(男が廃る、男が立つ、男の中の男 etc)、女々しい、女にしておくには惜しい等逆はろくなものがない...「俺を男にしてくれ」は鍛え上げてもらうみたいな広い意味があるけど、「わたしを女にしてください」は違う意味....。「女」の褒め言葉はいつもホモソーシャルな男たちにとっての「いい女」なのでだるい。
《世間で「女らしさ」「男らしさ」とされていることの多くは、性別ではなく、社会的な立ち位置、つまり「支配・従属」関係によって決まる。=女と男の視点で考えるのではなく日本特有のタテ社会の論理や上下構造に落とし込んで眺めると、見えてくることが多い。》
↑「女の敵は女」という言葉があるけど(もちろん逆はない)、女だからではなく、弱い立場に置かれた人間に共通の防衛手段だったんだと気づいた筆者はすごい。日本では一人称がバイナリーなために物心がつかない頃から自分の性を意識せざるをえず、年齢や社会的地位よりも性別が絶対的決定的な基準になりえる...
女が嫉妬深いといわれる理由のひとつも、男女関係が対等でなく、男はそもそも嫉妬する状況におかれにくいからだよね。

なくすべきは装飾としての意味しかない女ことばではなく、過剰な配慮をした女らしい言い回し!私もやたらと遠回りした言い方とかしちゃう時あるなあと心当たりがありすぎた。しかもそういう時って圧倒的に社会的な上下関係がある時。男性みたいに話さんといかんわけではないけど、必要以上に曖昧すぎる言い回しには気をつけよ。

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2023年09月11日

Posted by ブクログ

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言われてみれば確かに「女言葉ってなんなの」ですね。あんまり昨今では使わないだろうと思っていたけど自分も先日「ごきげんようっていう人に初めてであった」と言われまして。あ、女言葉使ってることあるなと意識させられたことがあり。いやもちろん(?)その時はふざけてたんですが、ふざけてでも言わない人のほうが遥かに多いというかごきげんようなんて言う人ほんと今いないんですよね。
自分の若い頃は「〜なのかしらね」「〜なくってよ」という言葉づかいをする人が自分の周りにリアルにいたのでそこまで違和感感じたことなく激しく少数派であることを自覚させられました。(ものすごく一般人ですが)

文芸作品で男女を最初から明らかにしない場合、男性は苗字呼びで女性は名前呼びで表現されることが多くそれにより読書に性別を知らしめることが多いと。なるほどでした。
あんまりそのように意識したことはなかったけど言われてみるとこれまではそういう作品多かったと思いましたね。
近頃の文芸作品は最初から性別がずーっと曖昧なものも多い気がします。あえてそうしてるんだなとわかりますが時代のせいでもあるのかなとも。

案外自分、言葉に敏感じゃなかったなぁと本書を読んで認識。
サラッと読めて難しくなく読み物として面白いです。あんまりこういうジャンルを読まない人にも読みやすいのでは。

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2023年11月07日

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