あらすじ
靴職人を目指す高校生の歩橙(あゆと)は、同じ学年の青緒(あお)に恋心を寄せている。彼女はいつもボロボロのローファーを履き、友達も作らず、ひとりぼっちで笑顔を見せたことすらない。歩橙はそんな青緒に手作りの靴をプレゼントしようと思い立つ。不器用に、真っ直ぐに、恋する気持ちを靴に込めようとする歩橙。そのひたむきな想いに触れ、青緒も次第に彼に惹かれてゆく。しかし青緒は、彼を愛おしく思う気持ちが身体に痛みを与える不思議な病を発症してしまう。歩橙の言葉が、愛情が、してあげることのすべてが、青緒の身体を焦がすように傷つけ…。切なく胸を焦がす、かけがえのない恋の物語。
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Posted by ブクログ
1章まで感想
すごいよかったし、物語にどんどん引き込まれる。歩橙くんと青緒ちゃんのすれ違いの書かれ方、心情表現が頭の中でイメージしやすくて、読みやすかった。2章以降で、どれだけ2人の距離が縮むのかが楽しみ。
2章まで感想
もがいて、悩んで、乗り越えて、。周りの人がいるから乗り越えられる、乗り越えたから幸せがある、そんな感じだった。読み手としてもとても嬉しい気持ち。これからの展開がどうなるか予想もつかないけど、2人揃ってハッピーエンドになってほしい
3章まで感想
タイトル回収半端ない。自分を犠牲にしてでも、誰かを幸せにすることの大切さに気づいた人は強い。2人とも夢とも相手とも向き合ってて素敵。びっくり展開もあったけど、良し。
最後まで感想
よかった!お互いを好きな気持ちこそ初めと変わらないものの、想い合う強さはとっても強くなってた。逃げずに向き合って、困難を乗り越えてきたからこその関係性で、アフターストーリーが気になった。
切ないけど、熱い恋愛話で、好きなお話だった。
Posted by ブクログ
靴職人を目指す青年と人を好きになればなるほど痛みを伴う痣ができてしまう病気になってしまったヒロインとのお話。度重なる不幸に文字通り傷つきながら2人は出会いと別れを繰り返していく。物語は392ページで終わるが彼らのストーリーはこの先何百、何千ページも続いていくと思うと少し胸が痛い。
作中に出てくるカーペンターズの曲も名曲揃いなので聞きながら余韻に浸りたい気分。
Posted by ブクログ
夏目歩橙
高校に入学した時から渡良井青緒のことがずっと好き。青緒の靴を作ると決める。世界一の靴職人を目指す。
渡良井青緒
ボロボロの靴を履いている。みんなにボロアオと呼ばれている。六歳のときに母が亡くなり、伯母に引き取られる。夏目歩橙のことが徐々に好きになる。好きになるたびに全身が痛みが走り橙色の痣が出現する病気になる。
落窪桃葉
歩橙の幼なじみ。同じ横浜青嵐高校に通う同級生。歩橙のことを十八年間好き。
落窪元太
桃葉の父。『落窪シューズ』という靴屋を経営している。歩橙の父とは高校時代からの同級生。
榛名藤一郎
夏目歩橙が憧れる靴職人。
ロンドンで『LOKI』というビスポーク専門店を営む一流の靴職人。
墨野あすな
渡良井青緒が居候している家の娘。青緒のことを邪魔な存在だと思っている。
芽衣子
あすなの母。青緒が居候している家の伯母。青緒の母の妹。
あすなの父
頬のこけた陰鬱な顔をした男。
鉄也
歩橙の父。
横光数子
慶明大学みなとみらい病院の脳神経内科医。スージー先生。
百合子
青緒の母。
田島
東和清掃株式会社で青緒の先輩。
ジョンソン
榛名の一番弟子。
フアン
榛名の三番弟子。スペイン人。
エルザ
歩橙の後輩。
柴山
青緒が働く絵本専門店の店長。
樺島由美
青緒が長崎で働いている店のアルバイト。
亜麻音
桃葉の娘。
Posted by ブクログ
ナツイチ2023から。夢を追う2人と間を隔てる障壁。2人だけの卒業式のシーンとか、青緒が歩橙に贈った絵本とか泣けてしまった。作品の中に散りばめられたいろんな色や空の描写も相まって、ザ・青春って感じの作品だった。
Posted by ブクログ
桜のような僕の恋人以来の私にとっては2作目となる宇山先生の作品です。
恋をすると身体が焦がれて痛くなる。
本当に切ないお話だなと感じました。
自分の愛する人といられないことは青緒ちゃんにとっても、歩橙くんにとっても辛かっただろうな、とも思いました。
この青緒ちゃんの病気はありえない病気だけれど、この病気じゃなくても持病があって好きな人を諦めなくちゃならない人とか、進学や仕事の影響とか色んな理由で好きな人を諦めなければならない人は少なからずいるのではないでしょうか?
私は今の所は好きな人ができても諦めなきゃいけない理由はないから、とても幸せなんだなと思いました。
好きな人を好きでいられるそんな普通な、当たり前のことが幸せなんだと改めて考えさせられました。