あらすじ
性的被害を受けトラウマを抱える友人・貴之と、女子大生「タロウ」の微妙な関係──。繊細な生き方を強いられる現代の人間模様を描いた作品(タロウの鉗子 (かんし)から改題)。第10回坊っちゃん文学賞大賞受賞。
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Posted by ブクログ
鉗子をいつ、どう使うかで欲求の揺れ動きを表していて面白かった。鉗子は彼女の心そのものであり、それは最後誰かの手に渡る。「好き」って言葉こそないけどまさに青春って感じ。コンビニエンス・ヒーローは「自分にしかできないこと」を探す話。彼の感じる虚しさは多くの人が共感するところだと思う。
Posted by ブクログ
どっちも腑に落ちない終わり方だった。この調子でまだ話続きそう
サバサバした印象を受ける文体が読んでてきもちかった。好き
あたしの前にもコンビニエンスヒーロー現われて。
Posted by ブクログ
自信がなくて生きる目的も見出せない
というのは人生のモデル、あるいは攻撃対象となるべき父性が
世界から失われているからだ
といったような思想に貫かれた青春小説二本立て
表題作は2008年の「坊ちゃん文学賞」受賞作
カバーと表紙のイラストを、志村貴子さんが描いている
「はさんではさんで」
自傷癖ある女の子が、人前で好きな男の子に傷つけられたいと願う話
それはつまり、自分にメーテルを演じる自信がないなら
男の子を機械の身体にしてしまえばよいという、倒錯的理論によって
導き出された答えなんだが
「コンビニエンス・ヒーロー」
エゴの抑圧を正義と呼ぶなら、正義は寂しいものである
エゴの復権をもくろむなら父を殺さねばならない、というのが
エディプス概念にもとづいた一般論だ
しかしフロイトの適当な思いつきにのせられてるだけで
真の敵は他にいるような気もしないではない
Posted by ブクログ
自己確認のための儀式は人によってそれぞれだと思うけど、こーゆーのもアリか。
ちなみに。エッチな本じゃないですよ。
レビュー書こうとして「はさんで」で検索かけたらピンクな本が出てきてびっくりだよ。
ネットオークションで競り落とした鉗子で、ふくらはぎをはさんだり。痛そうで、ようしません。
Posted by ブクログ
読み始めは最近はやりのケータイ小説的な印象を受けた。性的虐待だの純愛だのといった、あれである
しかし、思いのほか読みやすかったと思う
ただ水戸黄門型の小説が好きな人にはお勧めしない
内容としては「ビタミンF」と「蹴りたい背中」を足して2で割ったような感じだろうか
表題作ともう一作の中編小説なのだが、どちらも二十歳付近の多感な(笑)時期を題材としていて共感できる部分もままあった
あー、ちょっと前までの自分みたいだな、と
大人からしたら馬鹿みたいに思えるのかもしれない
事実、共感しつつそうも思っている自分がいて、年をとったなあと感じてしまった
妥協や諦観といった一面が、「大人になること」にはあるのではないか
良くも、悪くも
ただ、このモラトリアムな時期の悩みや感情は忘れずにいたいと思う
Posted by ブクログ
この本見たときに何かの賞を取ったとかなんとか書いてあったので読んでみた。
感想としては、
すっごく面白くなかった。
本読んでて初めてだるい!って思わされた。
読まない方がいいです。
あ、一応、恋愛もの?です
Posted by ブクログ
タイトルで内容の想像がつかなさすぎて
読んでみた本。
はさんで はさんで
大学に入学し高校時代の女性恐怖症の男友達との
距離がひらいていくことに対する不安。
コンビニエンス・ヒーロー
タイトルちょっと違うかもしれない(笑)
でもこの主人公みたいに、
一人で買い物に来るお年寄りを
勝手に心配しちゃう自分って
やっぱダメなんだよね。
09'05'08
Posted by ブクログ
「はさんではさんで」女子大生になったタロウだが、なかなか友達ができない。似たような経験を持つことから親しくなった高校からの友人である貴之に、大学生になっても依存する日々。ある理由から2人の仲も進展しない。現実逃避のために鉗子で自分をはさんでしまうのだった。
「コンビニエンス・ヒーロー」『誰がやってもいい仕事だなって』と突然コンビニのバイトに虚しさを感じた樂。母の『工夫が肝心』という言葉から、デリバリーサービスを始めることに。
1話目はかなり好みの話でしたが、終わりを期待していただけに、ここで終わるの?と思いました。2話目も中途半端な感じで残念でした。
文章が読みやすいので、次の作品が楽しみです。