あらすじ
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EU加盟やクルド問題、ギリシャとの確執など、トルコが抱える諸問題はなぜ生まれ、どうなっていくのか。重層する歴史の縦軸を自在にたどって解き明かし、その行く末に思いを馳せる。トルコ知識人らのインタビュー13篇も収録。
【目次】
まえがき
目次
第一部 トルコの今──変わりゆく思考
第一章 「第三のキリスト教」への接近──共生への回帰の使者
第二章 現代のコンスタンティノープル──過去とつながる現在
第三章 我々は何者なのか──揺らぐ「中央アジアの祖先」伝説
第二部 トルコから消えたギリシャ人──歴史が変えられた日々
第四章 トルコとギリシャ 骨肉の相克
第五章 破綻した同胞愛
第六章 永遠の祖国トルコ
第三部 「ビザンツ」と「オスマン」が残した課題──様々な「他者」たち
第七章 クルド人
第八章 アルメニア人
第九章 アレヴィー派
第四部 未来への模索──モザイク国家の真の価値
第一〇章 キリスト教とトルコ共和国 解放の時と永遠の絆
第一一章 一〇〇年目、「トルコ人」としての「幸せ」は
関連年表
主要参考文献
奥付
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Posted by ブクログ
『オスマン朝とはイスラム化したビザンツである』
イスタンブルを中心とした2大帝国に対して興味がつきない理由がここにあったのか…!と妙に納得した言葉だった。2つの帝国は決して断絶しているのではなく、ビザンツを内包したオスマン帝国が大きくなっていったのだと。
帝都がまだビザンチウムと呼ばれていた時代から説き起こし、2大帝国の時代を経て、今はトルコ共和国領となっているイスタンブル。それ故に抱えうる数々の宗教的民族的諸問題。
東は旧ロシアやイランも視野に入れ、ギリシアとの類似点を指摘しながら、問題解決に向けて歩を進めるトルコの今を描き出す力作。「西欧」的観点からでは指摘し得ないであろう、希望を感じる内容だった。
実際に好きで訪れているせいか、国内のオーソドックス教会に関する記述が大変興味深かった。