【感想・ネタバレ】レシート探訪  1枚にみる小さな生活史のレビュー

あらすじ

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【レシートには暮らしが詰まっている】
「レシート」には、なにかその人らしさが隠れている──。
今作が初の単著となる藤沢あかりさんが取材でみた、「暮らしの断片、ささやかな生活の記録」。食べること、好きなこと、仕事のこと、家族のこと、未来のこと。外出もできない、人に会えない日々のなか、買い物から見えてくる日常の大切さ、豊かさとは?
ECサイト『北欧、暮らしの道具店』連載、待望の書籍化。


■目次
レシートからのぞいた「食卓」
故郷の味とインド旅。東京で生きる彼女を支えるもの―岩佐知布由(インテリアスタイリスト)
ゴーヤ、豆腐、豚ばら肉。レシートの中の青い海―ツレヅレハナコ(文筆家)
記録に残らない記憶を描く、夏の1日―しげおかのぶこ(おもちゃデザイナー)
家族をしあわせにする、わたしの好きなもの―坂下真希子(会社員)
スーパーマーケットに送るラブレター―矢口紀子(スタイリスト)
豚肉、鶏肉、かぼちゃにレバー。いとしの君に作るごはん―武安輝子(プレス)
★わたしのレシートから01 パンとバターと目玉焼き、わたしの理想の朝ごはん
レシートから伝わる「家族」
大切なものは、きっと普段着の顔をしている―中川たま(料理家)
風吹けば、六十の手習い―紺野匠次(会社員)
千切りキャベツにスパイスかけて―髙はしこごう(うつわ屋店主)
酸いも甘いも分け合いながら―亀井智紗子(農家)
★わたしのレシートから02 捨てられないレシート
レシートから気付いた「好き」
めぐりめぐる暮らし―牟田都子(校正者)
日日草の咲く庭に、鈴虫の声―杉浦さやか(イラストレーター)
寄り道しながらたどりついた場所は―YUYA(切り絵作家)
耳をすまして知る、わたしの心のありか―藤原奈緒(料理家、エッセイスト)
一歩踏み出せば、そこは色とりどりの世界―秋山香奈子(ショップ店主)
★わたしのレシートから03 水を掻いて、あたらしい世界を見つけにいく
レシートで考えた「仕事」
写真とコーヒー、ふたつを結ぶ父の夢―木村文平(フォトグラファー)
土曜、渋谷、11時。待ち合わせはドーナツショップで―館山信子(美肌室店主)
トマトひと盛り98円、地図にはないしあわせ―玉井健太郎(デザイナー)
日々新しく、染まるため―下道千晶(モデル、染色家)
新聞、銭湯、傘づくり。降っても晴れても続くこと―飯田純久(傘作家)
★わたしのレシートから04 名刺に掲げたマニフェスト
レシートからみえた「未来」
お花、パン、コーヒー。この一枚は、しあわせになるためのチケット―堺あゆみ(編集者)
ガリガリ君と米粉パン。わたしのために見つけた仕事―Iさん(介護職員)
楽しいところは、なんだかいいにおい―北川瑠奈(飲食マネージャー)
世界の畑につながる、都会の小さなビオトープ―良原リエ(音楽家)
桜の季節を超えて、次のわたしへ―時岡えい(金継ぎ士)
★わたしのレシートから05 10年後のわたしへ


■著者プロフィール
藤沢あかり(ふじさわ・あかり):編集者・ライター。大阪府堺市出身、東京都在住。雑貨や文具の商品企画、出版社でのインテリア誌編集などを経て2012年独立。雑誌やweb、書籍を中心に、住まいや子育て、仕事、生き方など幅広い記事を手がける。モットーは「わかりやすい言葉で、わたしにしか書けない視点を伝えること」。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

テレビ東京で放映されている「家、ついていっていいですか」のような内容です。

一枚のレシートから見える、その人の人生。

本人はこだわっているつもりはないのですが、それを買うことによりささやかな
幸福感や、プチ贅沢感を得ていることが透けて見えます。

レシートは小さな生活史である、と締めくくられています。

まさしくそうです。

「皆、頑張って今日を生きているのだなあ」と背中を押してくれる一冊です。

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

本に取り上げられる人たちだから、こだわりのお店で買い物をしているのかなーと思ったら、近所のスーパーとかコンビニとかケンタッキーとか、本当に普通の買い物をしている人たちのレシートで、読んでいて楽しかったです。
自然に接することが喜び、みたいな人が多いのも良かった。海のそばでの暮らし、畑仕事、ベランダのガーデニング。
お金を掛けなくても暮らしは楽しめるって、これからの人生を思うと大切なことだよな、と思いました。

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2024年08月14日

Posted by ブクログ

興味深くて面白い読み物だった。25人の様々なジャンルで活躍している人にレシートを見せてもらって話を聞いていくスタイルの本。その人が携わっている仕事にはほぼフューチャーしてなくて、あくまでも個人の生活に対してのインタビュー。レシートはたくさん見せてもらうわけではなくて、これという3枚位を見せてもらってお話を聞いていく。たった3枚に色々な物語があって共感したり、ハッとさせられたり考えさせられたりもした。

「トーキョー・リアルライフ」という色々な人が1か月間毎日買ったものや食べたものが、日記形式で記録されている本があるのだけど(2003年発行だった)、とても好きな本で何度か読み返していて、それに通じるものがあった。よその人の暮らしぶりって面白い。思い立ってこちらも読み返したけど文字が小さくて老眼気味の今は読むのがきつかった。

大好きな杉浦さやかさんもインタビューを受けていてお母さまの庭いじりのこととか、お父様がたててくれた娘の高校卒業旅行のスケジュールのエピソードが微笑ましかった。わたしのレシートからは著者のレシートの話。もちろんノンフィクションなんだけど温かい家族小説を読んでいるようでとても良かった。自分の家でもそんな風景があったような、懐かしい気持になる。買っているレシートの内容が多種多様なように、家族の形は様々でみんな違うけど、家族という形のもつあたたかさが似ているのかな。また読み返したくなる良い本だった。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

ていねいな暮らしの本を読むと、あこがれはするけど生活感が足りないなあ(暮らしの本なのに!)、と常々思っていたが、この本はレシートをきっかけにしているせいか、どんなすてきな人でもスーパーで牛乳買ったりするよね、と親近感を持って読むことができる。著者の文章もとてもいい。迷って悩んだ日々の末に編み出された言葉、という感じがする。

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

生活って地味で、愛おしくて、安心するなあとしみじみ思った。合間に差し込まれるカラー写真のやさしさが心地よい。

ひとの選出もよかったな。

著者藤沢あかりさんの、捨てられないレシート・息子くんのお遣いの話と名刺のお話がとてもよかった。はたからみたら、こうしてお仕事をして本を出せている経歴がまぶしくも見えるのだけれどそこに至るまでの過去を吐露していたあたりでファンになってしまった。

きっとこの本をすきであろう友人にひさしぶりに連絡を取ろうと思う。

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ひさしぶりにこの本を開いたら、一枚のレシートがしおりとして挟まっていて、それを見るだけで「ああ、このときはこうしたんだな」が見えてなんだかとてもよかった。振り返れる買いものをしていきたい。

よい本でした。箔押しの本のデザインもすき。

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2024年04月09日

Posted by ブクログ

レシートからその人の生活が見える
飲食系の接客バイトをしているからなんとなくわかる気がする
取り上げられている人たちの人生観がとても良かった

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2024年05月27日

Posted by ブクログ

『レシートは、その人の大切にしたいものを教えてくれる。お金を払って受け取るその1枚は、「どこで、何にお金を使っているか」の証だ。』
それは、食べ物であったり、居心地の良い空間であったり、趣味や仕事であったり、家族であったり。
牛乳や卵、バナナなどのありふれた物を買ったレシートだが、そのレシートについて語ってもらうと、その人らしさがどんどん出てきて興味深かった。

なんか皆さん大変な事もあるけど、素敵な生活だなぁ〜と読んでいたが、『理想とは、遠い場所にあるものだと思っていた。あこがれは、誰かに「すてき」と言われることで成立するのだとも思っていた。けれど、自分で、焼きたいという子どもを制して、美しく完璧な目玉焼きを仕上げたところで、わたしはしあわせになんてなれないだろう』という作者の言葉に、仕事帰りに「あぁ~もう今夜はこれが精一杯やわ〜!」とバタバタ(家族を思いながら?)買い物し、料理するのも幸せな事かと思った。

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2024年03月04日

Posted by ブクログ

「レシートには、暮らしが詰まっている」。
確かにそうなんだろう。
日にちや時間まで印字されていると、記録となって裏面にひとこと添えれば、ちっちゃな日記のようなものにもなる。

そう言えば、先だって読んだ「今日のかたすみ」の荷ほどきの中にもレシートがたくさん出てきて、共同生活が終わりの人との会話が少なくなると、日常が記憶されにくくなっていることに気付いて、忘れたくない出来事があったらレシートの裏に書くようにしていた。とかってあったなぁなどと思いだした。

たった1枚にもささやかな生活の記録があるということ。
レシートを覗くと好きなものとか、定期的に購入しているものとかあって面白い。
物価変動もよくわかる。

ここには26人のさまざまな職業の人たちのレシートが載っている。
ちょっとしたエッセイも楽しめ、間にある写真、特に何気ない風景の写真、空の写真がなんだがとても癒された。
生活している、生きていることを実感できる。

レシートは小さな生活史。
いまを生きる記録が残っている。





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2024年02月10日

Posted by ブクログ

好きなジャンル。
人のレシートを見るという事は、人の生活を覗き見る事。昔、テレビの番組で道行く人のレシートを見せてもらい、買った時間や品物から色々想像するというコーナーが好きだった。そんな感じか。
もっと洒落たものを載せているのかと思ったけど、卵や牛乳、肉などの食料品から文房具や新聞、飲食店のレシートなど生活に密接した物が多くて、何となく安心する。皆んな普通に生活してるんだなと。
そして、そのレシートについて語る時の「この肉はね〜」とか「ここのあんみつが美味しくて〜」など饒舌になる所が話を聞いてるようで楽しい。

「北欧、暮らしの道具店」での連載が元だと書いてあったので覗いてみると、書籍には載っていない写真まであり、ちょっと複雑な気分になった。ただこの本の手触りは好きだけど。

取材時期がコロナ禍だったので、あの頃の状況が思い出される。

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2023年10月22日

Posted by ブクログ

エッセイでもなく、小説でもなく、日常の人様の暮らしの覗き見を少しできた、という感じか。
対象の方達がみなさん、職人さんだったり、カメラマンだったり、モデルさんだったり、どこか芯を持って生活をされている方ばかり。

そこにあるのは、大量のレトルトばかりやスーパーの菓子パンなどではなく、遠くまで買いに行ったコーヒー豆や個人のパン屋さんであったりちょっとしたこだわりが見れる。

突然自分が誰かから「今何を買ったんですか」と聞かれて恥ずかしくない買い物ができているかなぁ、コンセプトがお話できるかなぁと考えてしまった。

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2023年10月21日

Posted by ブクログ

とりあげる人の分量が多すぎず、少なすぎず。
中身も日々の暮らしに根付いているものがベースに書かれていた。
休みの日にのんびりと読みたい本というイメージで選んでピッタリだった。

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2023年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 苦楽で言えば、後者のみの世界かな。そこに焦点を当てて切り取っていく。そのような連載集として、爽やかに楽しめる。「04」の筆者自身の来し方のような話は、意図的にかどうか省かれている。

 短文でつなぐ。結論部に近いところに、コピーとして成立するような1文が必ず置かれる。そのような文体は好ましいが、ひょっとすると、ちょっと気取りすぎかなと感じる向きもあるかもしれない。

 それにしても、「レシート」の話って、本当に必要なのかなと感じる内容の文章が多い気がする。
 
 

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2023年07月20日

Posted by ブクログ

コロナの時代からだいぶ経ったなぁと思い出しながら読みました。あの時から生活がすごく変わったけれどいつのまにか日常になってた。そんな日々を思い出す一冊。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

コロナの頃、ECサイトの連載「レシート、拝見」から。レシートには暮らしが詰まっている。食卓、家族、好き、仕事、未来。いろいろな人のレシートを訪れ、そこに隠れた話を聞く。26人の暮らしの断片、ささやかな生活の記録。何を買うか、はどう生きるかのはじまり。

何にお金を使うか、何を買うかは、意思決定の明確な結果ですね。上手に、暮らしを掬って見せてくれます。

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

他人のレシートって滅多に見られないものだけど、それをチラ見できるのがこの本の興味深いところ。いろんな人の生活を垣間見ることができる。

インタビュー相手の一人で、お酒が飲めないから、千切りキャベツにごまドレッシングとスパイスをババババーっとかけたものを食してストレス発散するという人がいて、スパイスの刺激で自分の気持ちをなだめるとのことだった。なんか面白そうだなーと思ったので、今度やってみようかな。

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2024年02月15日

Posted by ブクログ

レシートから、その人の生きざまが見えてくる。という企画が面白い。何人か、知っている人や、知っているお店が出てくるところも面白かった。

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2023年07月27日

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