【感想・ネタバレ】激変する地球の未来を読み解く 教養としての地学のレビュー

あらすじ

近年、様々なところで地球環境や自然災害に関する話題を耳にすることが多くなりました。巨大地震、緊急地震速報、火山噴火、異常気象、エルニーニョ現象、地球温暖化などは、誰もがニュースなどで聞かれたことがあると思います。これらは、すべて高等学校の地学で学習できる内容であり、理解しておきたい身近な自然現象でもあります。本書では高校地学の内容すべてを解説するのではなく、特に身近な自然現象である地震、火山、気象、環境などを中心に、教養として身につけておきたいことを中心に解説しています。そのため、本書の内容を日常生活の中で実感できることも多いと思われます。また、日本列島では、これからも確実に地震災害、火山災害、気象災害が起こります。これらの災害の一部は、地震、火山、気象などについての正しい知識があれば、防ぐことができるものもあると思います。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波によって、福島第一原子力発電所の事故があり、放射性物質が大気中に放出されてしまいました。事故当時、福島第一原子力発電所の周辺では南東の風が吹いていましたが、あるニュースキャスターが、南東の風を南東へ吹く風と勘違いし、放射性物質が南東へ運ばれると伝えていたことがありました。気象には「風向」という用語がありますが、風向は風が吹いていく方向ではなく、吹いてくる方向を表します。すなわち、南東の風とは、南東から吹いてくるため、北西に向かって吹く風となります。その結果、福島第一原子力発電所の北西側にある飯館村などへ放射性物質のセシウム137が拡散されてしまいました。このような勘違いは、日本人の多くが地学を学習していないことと関係しているかもしれません。地学で学習する内容は身近な自然現象だけでなく、身近なところで起こる自然災害とも深く関係していますので、地学の教養を身につけることは、自然災害の多い日本列島で生きていく私たちにとってとても重要なことになります。地学の教養を身につけ、日常生活をより有意義なものにすることに役立てていただければ幸いです。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

重力は、万有引力と遠心力が合わさったもの。
地球は少し扁平している。極のほうが万有引力が大きい。
極は遠心力がない。赤道は万有引力が小さく遠心力も大きい。したがって、赤道上では体重が軽くなる。
重力加速度は9.83から9.78と違う。極で98.3キロの人は赤道絵は87.8キロになる。

プレートテクトニクス=1年間に数センチの速さで移動する。世界の地震の2割は日本付近で起きている。

潜熱=水が蒸発するとき、氷が昇華するとき、外の熱を奪う。
水蒸気は熱を持っている=水になるとき熱を出す。
水と氷も潜熱が移動する。蒸発の時よりは少ない熱量。
海面で水が蒸発すると潜熱をためる。それが陸で雨になると熱を出す。水だけでなく熱もいっしょに運んでいる=潜熱輸送。

雲は断熱変化=周囲と熱をやりとりしない。雲ができるとき上昇すると膨張して温度が下がる。高度が高いと気圧が低いので。露点が下がって水蒸気が水滴に変わり雲になる。

雲の形は、層が水平に広がった雲、積が垂直、
高は中層、巻は高層のものを表す。乱は雨を降らせる雲。

平均の気温減率は、0.65度/100m。乾燥している空気では1度。湿度があると、上昇して温度が下がると水蒸気が水滴になり潜熱を出す。そこでそれほど下がらない。
平均して0.65度程度。

気温減率が0.3度の場合=上空の空気が温かい場合。
空気が上昇すると周囲の温度より下がるため、下に戻される。=絶対安定。
気温減率が1.2度の場合=上空の空気が冷たい場合。
空気が上昇して温度が下がっても、まだ周囲より高いので、さらに上昇する=絶対不安定。
午後のほうが地表付近の温度が高くなり絶対不安定になりやすい=夕立、雷雨は夕方起きる。

気温減率が0.7度の場合。飽和している空気は上昇するが、飽和していない空気は下降する=条件付き不安定。

フェーン現象
水蒸気を含んだ空気が、上昇して水蒸気が凝結すると、潜熱を出すため温度はさほど下がらない。その空気が水滴を残したまま、山を越えて下ると、乾燥断熱減率に従って温度が上昇するため、山麓は風上側よりも上がる。

地球のエネルギー収支
アルベド=太陽の入射量に対する反射量の比。地球は0.3くらい。20%が大気圏で吸収され、50%が地表に届く。
地球も熱を放出している。
地球が吸収する太陽放射と等しいエネルギーを宇宙空間に放出している。
地球の表面温度は約15度。太陽放射と地球放射のバランスが取れる温度はマイナス18度。その差は温室効果による。地球の放射が温室効果ガスによって抑えられている。
晴れていると水蒸気や雲がないため地球放射が遮られない=放射冷却。

金星の放射平衡温度はマイナス49度。地球はマイナス18度で地球より低いのは上空の雲で、太陽光が跳ね返されるから。実際は金星の温度は460度。温室効果が働くから。
水星は表面温度は430度。大気がないので温室効果は働かないので、金星よりも低い。
火星は放射平衡温度はマイナス63度。小さい惑星で大気を引き付ける重力が小さいため大気が少ない。

北赤道海流=西向き=貿易風の東風の影響。
黒潮になって北上、北太平洋海流=東向き=偏西風の影響。カリフォルニア海流で南下。
海流は西側が強い流れになる。黒潮、北大西洋の湾流。西岸強化。
親潮は流速0.3~0.5m/S、黒潮は1.5~2.5。黒潮は藍色で濃い。親潮は栄養塩が多く魚が多い=親と名付けられた。
黒潮の空気が親潮に冷やされて霧になる=海霧=釧路など。

高気圧は時計回り、低気圧は反時計回りの風が吹く。コリオリの力による。
寒冷前線は傾きが急なので積乱雲が発生しやすい。
寒冷前線のほが移動速度が速い。温暖前線を追いつくと計測前線ができる。数日後に温帯低気圧は消滅する。

台風のエネルギー源は海の水蒸気。水蒸気が上昇して水滴になると潜熱を吐き出す。空気が暖められてさらに上昇する。下から海付近の空気を吹き込む。潜熱がエネルギー源。
高潮は気圧が低くなって海面が吸い上げられること=吸い上げ効果。1000hpaが950になると、海面は50センチ高くなる。

2万年前は最終氷期で寒かった。陸上が拡大して対馬海流がほとんど日本海に流れ込まなかった。=降雪量は今より少ない。雪の供給源は日本海の水。

エルニーニョ現象は、貿易風が弱く、ペルー沖の水が西に流れない。太平洋の中部に積乱雲が発生する。
ラニーニャ現象は、貿易風が強く、ペルー沖は深いところから冷水が上がる=魚の栄養になる。台風はインドネシアのあたりに発生。

オゾンホールはモントリオール議定書で近年では縮小傾向にある。

温暖化は二酸化炭素濃度の上昇だけではない。氷が解けて太陽光の反射が少なく太陽エネルギーの吸収が多くなる=正のフィードバック
植物の生息域が拡大すると光合成で二酸化炭素が減る=負のフィードバック。

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2023年07月31日

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