【感想・ネタバレ】父が消えたのレビュー

あらすじ

表題作は、父の遺骨を納めるべく売り出された墓地を見に行く青年の奇妙な一日をポップ・アート風に描いて注目を浴びた第84回芥川賞受賞作。他にカメラ狂のフェティシズムを考察する「星に触わる」、晴れた日に雨樋を買うことこそラディカルだと思う男を描く「自宅の蠢き」、銭湯の出前をとるという奇想天外な世界を描く「お湯の音」、友人から屋上をもらった男の日常生活を垣間見る「猫が近づく」。赤瀬川原平の別名を持つ著者の、初期の秀作五篇を収録した純文学短篇集。

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Posted by ブクログ

友達の馬場くんと、八王子にある公共霊園へ父の墓参りに向かう。汽車の中で、九州にいた頃のこと、ちょっと思い出したことから連想されることをつらつらと思い出す。気がついたら、霊園の閉園時間となっている。

「トマソン」で有名な赤瀬川原平の文学のときの変名での作品。表題作が芥川賞を取ったらしい。その他4作も表題作と同様の少しだけ私小説の入った、言葉の連想からの広がりと、「屋上」などの得体のしれない物や現象にまつわる話。

純文学といえば純文学だが、随筆のような部分も大きい作品群。赤瀬川原平らしいカメラに関する蘊蓄がたっぷり含まれているところは微笑ましい。

一方で、わざと純文学にしようとしているテクニカルに寄っている(酔っている)部分も多く、思いつきをばらばらと書くことで本筋ってなんだっけ?と内容を忘れてしまうという欠点も有る。

でもやっぱりカメラの話以外覚えていないんだよなあ。読みやすいけれども、なにか刺さる部分もない。500人に一人くらいはざっくり刺さるかもね。

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2024年06月29日

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