あらすじ
全国津々浦々の善男善女のサラリーマンが坊主にみこまれて、坊主や尼の姿になって、一流ビジネス街のビルからお経を唱えながら、ぞろぞろ出て来て全国行脚の旅に出る──表題作をはじめ、奇怪な生命体が次々に登場する「出入星管理事務所」、人の行動を火山活動にあてはめてみた「活火山」「休火山」「死火山」など、十一篇の短篇はいずれも奇想天外のアイデアとケタはずれの面白さを満載。SF界の奇才が段ちがいの力量を示す突撃的SF大行進!
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Posted by ブクログ
かんべむさしのドタバタ・ナンセンス集。オープニングの表題作、まだ「訳のわかる」ナンセンスなのだが、「火山」シリーズなど、一般読者が音を立てて引いていくような作が続く。また、なぜかわからないが、「夏の終りのデケイド」ではかんべ氏の作家人生らしきものが語られたりと、バリエーション豊かな1冊である。この作品で何度か使用されている、落語のようなひとり語りのスタイルは、慣れるまではなかなか理解しづらいであろう。割と手に入りやすい作であるものの、とっつきやすさには若干疑問が有るため、かんべ氏の初心者には別の短篇集をオススメしたい。なお、ドタバタを集めたようにみえる後半で、突然キーワードを拾い始めてびっくりさせられたり、やっぱりこの人は真面目ナンダなあと思わせられたのも事実。