あらすじ
総再生数2億5,000回超YouTuberが放つ衝撃の問題作!?
ゲーム世界風ファンタジー小説が、現代社会の理不尽を斬る!
「魔王討伐の勇者一行が最初に立ち寄る町では、なぜ≪銅の剣≫までしか売らないのか?」
もっといい武器も防具もあるじゃないか。なんで最初からそれを売らないんだよ……。
いわゆるゲームの「お約束」の陰に見え隠れするヤバい「真実」とは……!?
優秀な商人見習いとして、そのシステムに疑問を抱いてしまった青年・マル。
彼は自分の弟・バツが、選出されたら二度と生きて帰れないとされる魔王討伐の≪勇者≫に選ばれてしまったことから、この非効率的なルールを改正しようと商人ギルドの本部に直談判すべく旅に出る。
親代わりの武器屋店主の制止もきかず、弟とは別ルートで……。
ところが行く先々で目の当たりにしたのは、(どこか現代日本でも見かけるような)えぐい社会の構図と、それに翻弄される民の姿ばかり。
そして、長く困難な旅路の果てに、ついに到達した目的地で、衝撃的な実情を突きつけられて……。
彼が最後に見たこの世界の「不都合な真実」とはいったい???
第1回令和小説大賞「選考委員特別賞」受賞作、待望の文庫化!
著者は元証券マンのキャリアコンサルタントで、人気YouTuber。主宰をつとめる「Fラン大学就職チャンネル」では、本作動画も展開。
現代社会の風刺とも、暗喩で学ぶエキサイティングな経済小説ともいえる最高傑作!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
YouTubeで「Fラン大学就職チャンネル」をよく観るので、そのエフさんの著書ということで手に取りました。
ドラ◯エの世界観を思わせる舞台で、商人の主人公が弟の勇者のために旅に出る物語です。
最初の村で、銅の剣ではなく“ドラゴン殺し”のような強い武器を手に入れることを目標に旅をするという設定が面白く、道中で登場する喋るスライムが最後までとにかく可愛かったです。
スライムは最初、幼児のような二語文で話し、勉強嫌いな存在として描かれていましたが、物語の終盤では「学ぶことが面白い」と感じるまでに成長します。その心境の変化がとても印象的でした。
“教養は人生を面白くする”というメッセージが、まさにこの物語そのものだと感じました。
一見無駄に思える雑学も、人とのコミュニケーションの中では決して無駄ではないと共感しました。
旅の途中でもらう店主の返事のひとつひとつがどこか説教くさくて、でもだからこそ心に残り、自分の母親に言われた言葉を思い出しながら読んだ場面もありました。
商人という職業の視点から描かれる物語でもあり、実用的な学びも多く、“タメになるファンタジー”でした。
Posted by ブクログ
題名に惹かれて購入!
世界はドラゴンクエスト!
作中の商人達のやってる事は、現在の世界中で行われている事と同じ!?
主人公のマルは新米商人ではあるが、弟が勇者!?
マルは弟にドラゴンキラーやバスタードソードを最初から持たせたいがために世界の秘密に挑んでいく!?
最初の街には何故、銅の剣しか売っていないのか?
マルの旅路では現代の出来事を風刺する様な出来事に多々巡り逢います。
ファンタジーと経済活動がベストマッチな良作、ドラゴンクエストの世界観が好きな人はどうぞお読みください!
因みに作者はYouTuberらしいです!
Posted by ブクログ
題材が面白そうだったので、つい買ってしまいました。当たり前だと思っていた社会のルールに疑問を抱き、逆らうマルの行動に共感を覚えました。また世界の謎を解明していく様子にページをめくる手が止まりませんでした。
すべての真実を知った後にルールに従うのか、新たなルールを作り出して別の闇を生むのかという選択をしなければならない点は、現実と同じですね。
Posted by ブクログ
Fラン大学のエフの本。モンスターを倒す勇者、商売を支配するギルドマスター…。彼は旅に出ながら、様々な商品に出会う。宣伝して花を高く売る街、それは貧しくてすがった情弱も悪なのか、自己責任の行き過ぎ、怒りを商売にする、魔物を奴隷化する商人、ただそれはただの解放運動ではなく、取引の材料、その団体の達成の先に何が待っているのか、誰が得をするのか、それに踊らされる人、金貸し屋は悪か、時代を見間違えた商人は、互いに消耗戦の戦争、勤勉してない負け犬を害する人が批判されるべきなのか、傷の舐め合いに時間をかける怠惰たち、そして資本主義社会は成長か、格差か
…様々な現実的なこの社会の実情を皮肉をもってきた作品、我々はこれにどう立ち向かうべきなのか、この問いは永遠に解消されない、人間が感情を持つ限り、ただ感情は人間を人間たらしめるものである
Posted by ブクログ
面白かった。読み終えた途端に、人に薦めたくなった。RPGやってない人には、わからない世界観かも知れないが。
兄弟で商人に拾われた主人公が、勇者に選ばれた弟のために、強い装備を仕入れたいと思うところから話は始まる。
オランダのチューリップバブルの話あり、プランテーションの農奴の話あり、アヘン戦争と死の商人の話ありと、現実の世界の経済史とリンクしていて、その背景や商人の考えまで、わかりやすく物語の中に組み込まれている。わかる、私にも経済学の原理がわかるぞ!
本屋でレジに持っていったら、『金融義賊』を薦められた。単行本だが、買ってみようと思う。
Posted by ブクログ
なるほど、確かに最初から強い武器が購入出来たら、勇者御一行も楽に魔王討伐できるよねー。
でも、何で弱い武器しか売ってないのか、がわかるお話。
まぁ、途中から先が読める感じはあるけど、着眼点が面白い。そっかそっか。中の人も大変だなぁ。
Posted by ブクログ
ドット絵の表紙に興味を持って手にした本。
いかにもゲーム(RPG)好きをターゲットに
した雰囲気ですが、とんだ化けの皮でした。
皮の下にいたのは、現代社会の風刺、暗喩によって世の中の仕組みを明かす経済小説。
「なぜ銅の剣までしか売らないのか」
より強力な装備を売れば、勇者一行の
魔王討伐の成功率は上がるのに…。
そんな疑問を抱く見習い商人マルに対して、
明確な理由は伏せつつ、それはできないと
答える店主。
有耶無耶にされる状況にに辟易したマルは
半ば強引に旅へ出るのですが、道中立ち寄る 街での経験を通じて世界を知る…。という話。
聡い方なら、各章の物語が世の中の何に
焦点を当てているのかに気づくと思います。
日常に馴染んでしまった事柄(世の中の
仕組み)が、RPGの世界観にあてがわれる
ことで、歪さが浮かび上がってきます。
この本を入り口として経済や政治の
知識を一つ一つ身につけていきます。
Posted by ブクログ
こういう世界もあるのかな?
と思いました(*ˊ˘ˋ*)
ゲーム好きなので世界に入った気分でした!
RPGのキャラたちはこういう気持ちなのかな?
Posted by ブクログ
ドラクエ的世界観でもって世の中について教える教科書を目指して書かれたようだ。つまらないことはないけれど、さしたるオチもない。ドラクエ好きなら面白いかもしれないけれども、そうでないなら途中で飽きると思う。
実は書籍紹介のあおりが一番面白い、というのは内緒w