あらすじ
読書会、勉強会、NPO、趣味の集い……あなたのコミュニティは大丈夫?
一人ひとりは心優しい人間だとしても、全てのメンバーが互いをよく知っている小規模で親密な集いには、親密でよく通じ合っているが故に発生してしまう「毒」がある。
その集いは人々の間のミクロな違い、その隙間に巣くうコミュニケーションによって「有害な小集団」と化し、わたしたちを日々毒す。
本書はロシアに由来する小集団「サークル」を、小林多喜二からサークルクラッシャーまであらゆる切り口で再考し、開かれのなかの閉ざされ、閉ざされのなかの開かれという逆説を原理的に問いながら、集団性の解毒法を提示する。
◆目次◆
第一章 男女の数は同数に?
第二章 男たちの解毒史
第三章 政治と文学とサークル――人文主義の暗がり(1)
第四章 『サークル村』の周辺――人文主義の暗がり(2)
第五章 鶴見俊輔のサークルイズム
第六章 閉ざされること、開かれること
第七章 プラグマティズムと共同体の問題
第八章 現代の種の論理
終 章 楕円のほうへ
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Posted by ブクログ
サークルは有害だ、という話なのだが、書いているのはフックとして姫野カオルコの『彼女は頭が悪いから』を使いつつも、単なるホモソーシャルサークルなどにとどまらず、谷川雁のサークル論だったり、ベルクソンやフロムなど、色々なサークル観に深く入り寄っていくので難しい。
Posted by ブクログ
タイトルだけ見て読みはじめた自分が悪いのだけど、実用書ではなくゴリゴリ硬派な哲学書だった。
哲学の訓練を受けていないので、自分はノート書きながら論理を追わないととても読めないのだけど(なので、現時点ではあまり理解できてないのだけど)、サークルの有害(有毒)性からスタートしつつ、「薬剤の多くが正しい用法を守った毒物である(p.9)」と言う意味で、毒=薬としての希望に辿り着いている優しい本ではある(多分。)
で、多分再読する機会があるので、自分に向けたメモとして、
・1,2章の後は、とりあえず終章、200ページ以降を読もう。まだ理解できる兆しがある
・先にあとがきを読もう。タイトルに引っ張られずに、この本の位置付けが分かるかも
・ここで言うサークルは、小集団のイメージに限定しない方がいいのかも? 極端に言えば私とあなたの二者関係のことであり、別の視点では「文脈」みたいなニュアンスでもあるのかも。
Posted by ブクログ
『在野研究ビギナーズ』で著者の名前に馴染みがあったのと、『なぜ小集団は毒されるのか』という副題に気を引かれて手に取った。姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』を糸口にフェミニズムおよびインターセクショナリティについて述べられるのを、ほうほう、と読んでいくと、いつのまにか鶴見俊輔入門みたいになり、この本の副題は『鶴見俊輔の仕事を振り返りながら』とでもしたほうがよかったんじゃないの?と思いつつ、あとがきにたどりつくと「本書は『すばる』二〇二一年一月号に発表された「円を歪ませるもの—鶴見俊輔とサークルの思想」を大幅に加筆修正したものである」(p205)とあって、やっぱり、となった。オビなりそでなり、どこかに鶴見俊輔の名前くらいいれたほうがいいんじゃないかしら。とはいえ、ただの紹介で終わるのではなく、終章で、著者なりの、鶴見俊輔の思想を現代に活用する方法が示されている。