あらすじ
大型新人が放つ、幕末時代活劇
〈運びの掟〉
一つ、中身を見ぬこと。
二つ、相手を探らぬこと。
三つ、刻と所を違えぬこと。
約束の物は何があっても届け切る。それが〈運び屋〉。
母は病に倒れ、父も道場の経営に失敗して体を壊した。
自力で稼がなくてはならなくなった円十郎は〈運び屋〉を営む〈あけぼの〉に雇われることになった。
腕のいい〈運び屋〉として江戸の街を駆け回る円十郎だったが、
荷を運んでいたある夜、攘夷の志を口にする武士と手練れの忍び(?)に立て続けに襲われる。
一体何が起きているのか?
円十郎は知らず知らずのうちに時代の大きな渦に巻き込まれていく……。
オール讀物新人賞受賞の大型新人が放つ、幕末時代活劇。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルと装丁に魅かれて読んだ作品。
結果、すごく木の実で面白かった!
運び屋という特殊な仕事に意外な登場人物、忍び、裏切り、親子の確執あり、けれど読後感爽やかに着地。
もし続きが発表されるなら、絶対読みたい!と思える作品に出会えたことが嬉しい。
Posted by ブクログ
欲しいモノを持っている人がわかってるなら、隠しているところを盗み見て、いなくなってから取れば良いんじゃね?と素朴に思う。あるいは隠し場所のところまで、本来の持ち主が取りに来れば済む話で、わざわざ信頼できるかどうかわからない人を介して運んだり、運ぶ人を襲ったり闘ったりしなきゃいけないのか、全く話の設計そのものが陳腐だと思ったのだが、まぁ話は面白かった。新選組の使い所もいいし、土方さんと沖田さん良いよね。
時はお江戸の幕末。円十郎は柳雪流躰術の使い手で運び屋をやっている。運び屋は夜の仕事で、危ない。荷物の中身を見てはならず、相手を探らず、時と場所を間違えない。松竹梅と難しさのランクがある。
今回は根津権現の立ち木のウロから、玉池稲荷の祠の裏まで。妨害にあった。刀を抜いた4人組と、弓の使い手。別々に襲ったところを見ると、複数の人間に狙われていたらしい。世の中には引取屋というのがあり、頼まれた荷物を引取るらしい。
水戸の徳川斉昭が永蟄居になった。青木真介が水戸藩を脱藩した。団子屋のくくりやの理緒から青木への荷物を預かる。しかし青木の行き先は不明だ。過去の言動から鎌倉の円覚寺に行くのではないかと待ち伏せして、会うことができた。そこで真介を追ってきた引取屋にあう。兵庫と名乗る。実は理緒が引取屋の差配だった。
近頃は井伊直弼の尊皇攘夷派への弾圧が厳しい。塒を知られているのは気持ち悪いので、引越しする。兵庫と闘う夢を見ている。今日の依頼は小村井村の吾妻権現裏の木箱に7つ半までに届けること。誰かの視線を感じる。罠か。5人に囲まれる。こいつをやれば100両だと相手は言った。今回は逃げることができた。だが剣術道場を探さねばなるまい。いくつかの道場を回ったが性に合わず、天然理心流に行きつく。父の手紙を届けたのだ。沖田総司と立ち会って負ける。試衛館に通うことにする。家に帰ると理緒がいた。
黒猫が通ってくるようになる。丑3つ、小伝馬町千代田稲荷。暁7つ、赤坂氷川明神。今回は同業の護衛をつけるという。才蔵に猪牙舟を漕いでもらう。試衛館に赴く。沖田と土方が対峙していた。今日は立ち会えない旨伝える。石田散薬をうっかり売られそうになるが断る。千代田稲荷の荷物を取り出す。4つの影が襲ってくる。蝮のような人と立ち合って荷を奪われる。土方がもう一人の同業者だった。助けられた。石田散薬をもらう。忍び集団幽世が現れたのだろうと推測する。家に帰ると、土方と沖田が訪ねてきた。やられた術について沖田に話すと、そんなのこうやっちゃえば良いと言われるが、できたら怪我などしていないのだ。試衛館に出られるようになると対抗策をいろいろ試す。父が血を吐いて倒れる。
黒猫のヒメが父の見舞いについてくる。最後の技を教えられる。猫は父のもとに残る。試衛館に行く。今日はマシだった。真介を見かけたので探してもらった。無事かどうか確かめたい。旅籠を訪ねる。理緒にもう一度会いたいとの言伝を預かる。理緒に会い、真介に団子を届ける。品川御殿山の麓にある善福寺から、赤羽橋付近の稲荷。護衛に土方がつく。荷物を見つけるのに難儀したが、天水桶の中の落ち葉に隠してあった。兵庫と闘う羽目になる。あちらも仕事だ。おちつけ、俺は相手ではないと言われる。天水桶に置くのが仕事だと。蝮が来る。兵庫と土方とで立ち回る。今回は待ち伏せまである。ものすごい戦いになった。父が来て助けてくれたが喀血する。父亡くなる。
蝮を倒す術を試衛館で開発する。お葉が姿を消す。桜田門外ノ変が起きる。