あらすじ
勤め先の倒産で、横浜市中区にある横浜ポートシティ不動産に勤めはじめた浜野マリ。けれど勤め先の社長は一見なにも仕事をしていないようで、夕方から車内でお酒をのみはじめるという変わった人物。1週間くらい会社に顔を出さない期間もしばしばだ。しかしそんな社長のもとにさまざまな人々が訪れ、社長と話をしたあとは笑顔になって帰っていくのを、マリは不思議に思っていた。
そんなある日、ポートシティ不動産に弱々しげなひとりの老婦人が訪れる。彼女は2か月前に急逝した地元の大地主永田金蔵の妻、永田君子で「資産家だった夫が急逝したことで相続争いが起こっているので、助けてほしい」と言う。横井とマリはクセ者ぞろいの相続人たちに話を聞きながら、金蔵の遺した資産の全容に迫っていくが、しだいに金蔵の知られざる一面が明かされることになる――。「相続」「不動産」をテーマとして横浜市を舞台に繰り広げられるミステリ・エンターテインメント小説!
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Posted by ブクログ
「終わりよければ全て良し!」
読み終えたあと、まさにその言葉が自然と浮かびました。
相続をテーマにした作品ですが、単なる“お金の話”ではありません。そこに描かれているのは、財産を遺す側の想いと、それを受け取る側の葛藤です。私は正直、相続するほどの財産なんて自分には関係ないと思っていました。けれど読み進めるうちに、「人は何を遺し、何を受け継ぐのか」という問いを、自分自身の人生に重ねて考えていました。
特に心に残ったのが、
「自分に備わったものや環境をいかにアドバンテージにできるかが重要だと考えている。」
という言葉です。
人はつい、自分にないものを求めてしまう。でも本当に大切なのは、“今あるもの”をどう活かすか。環境や才能、家族との関係など与えられたものを武器に変えていく視点に、ハッとさせられました。
さらに印象的だったのが、相続に対するこの考え方です。
「相続とは本来、故人が生前にたゆまぬ努力で遺してくれた財産を、感謝して受け取ることだと思う。」
この一文を読んで、相続は“奪い合い”ではなく、“想いを受け取る行為”なのだと感じました。誰がどれだけ得をするかではなく、故人がどんな気持ちで遺したのか。その視点に立った瞬間、相続というものの見え方が大きく変わります。
読み終えたあと、不思議と「自分も誰かに何かを遺せる人間になりたい」と思わされます。お金や財産だけではなく、生き方や想い、人とのつながりもまた“遺産”なのかもしれません。
相続に興味がある人はもちろん、家族との関係や“人生で何を残すか”を考えたい人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。
Posted by ブクログ
ミステリぽい感じの、不動産相続お悩み解決小説だった。マリが主張強いけど、コミカルでサラッと読めて面白かった。
円満で終わる相続ならいいけど、なかなかこんなに気持ち良くはいかないんだろうなと思いつつ。