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Posted by ブクログ
“どんな場合にも優先されるのは一定量のタンパク質の摂取なのだ”
生物学者である著者が、完璧な栄養バランスで食事をするヒヒや、バッタの食欲システムなどをきっかけに、あらゆる生物に普遍的に存在する食欲システムは存在するのかに迫った作品。そのカギとなるのはタンパク質である。
昆虫や動物を含めた私たち生物は、タンパク質欲が満たされるまで食べ続ける。だからと言ってタンパク質を多く摂れば良いというわけではなく、タンパク質の過剰摂取は老化を早め寿命を縮める生物学的プロセスが作動する。
現代の食事はタンパク質の割合を減らし、食物繊維の含まれていない“美味しい”食事によって食欲システムのブレーキが効きにくくなっているこれらを理解した上で、生物学的な食欲システムとうまく向き合っていく必要がある。
実験室の中だけでなく、気の遠くなるようなフィールドワークによる観察の過程が面白かった。摂食記録を得るために砂漠で12時間ぶっ通しで1匹の野性のバッタを追跡したり、観察対象のサルの警戒を解くために、デング熱や自然災害に晒されながら半年間森の中で生活したりと、この本の見どころは過酷で気の遠くなるような研究に挑んだ昆虫学者の執念なのではと思った。
Posted by ブクログ
タンパク質レバレッジが重要。超加工食品は人体への悪影響の検証がされていないらしい。
この本を読むと、生物の本能としてタンパク質や炭水化物、脂質の割合を調整する機能が備わってることが分かります。
一番の驚きは、タンパク質をある量まで満たさないと、炭水化物などたくさん食べすぎてしまうこと。
Posted by ブクログ
タンパク質欲
人、全ての生物はタンパク質ターゲットに基づき、
自然にその必要量を満たすように食事をする。
したがって低タンパク質食では脂質、糖質の摂取量が増え結果カロリーも増えてしまう。
近代の超加工食品の普及により、低タンパク質(なのに美味しい、人工的な味)食品が増えている。
妊婦が取るべきタンパク質比率は18-20%
少なすぎると赤ちゃんの体組成が高脂肪になり、高すぎると痩せた身体になってしまう。
また乳幼児期の食事では、低タンパク質食が良く、7%程度が推奨される。(母乳食の場合概ねこの水準)
粉ミルクはタンパク質が高く10%を超えてしまう。すると高BMIの幼児になりやすい。
Posted by ブクログ
少し前に話題になっていたので読んでみた。
35年以上の研究を経て、食欲の謎に迫った本。
結論から言うと、もっと早く読んで食生活を改善しておけばよかった。
本の9割はさまざまな事実の解明とそれに至ったあらゆる実験について書かれてあるので、途中で少し飽きてしまったけど、根拠を示すという意味では重要だし、科学的なアプローチに興味がある人には面白いのかも。
結論だけ見たい人は、最後の1割読めば実生活に活かせそう。
★一番のポイント
タンパク質は大事だけどとにかくたくさん摂ればいいというものではなく、ターゲットを決めて摂るのが大事。また、人生のフェーズによってターゲット分量も異なる。低タンパク・高カロリーな食事ばかりしていると、タンパク質欲を満たしたいがためにどんどん食べてしまってカロリー過多になる。
★個人的なメモ
・タンパク質が乏しいカロリーが豊富な食環境では、ヒトはタンパク質の摂取ターゲットを達成しようとして、炭水化物と脂肪を過剰摂取する。だが高タンパク質食しか得られない場合は、炭水化物と脂肪を過剰摂取する。
・子ども時代の食の嗜好は一生ついてまわり、そのまた子どもにも引き継がれる可能性がある。
・子どもは「マーケティング担当者」の格好の餌食。ジャンクフードを親しみあるゲームやキャラクターと絡めて食べさせようとする。
・タンパク質ターゲット:ハリス・ベネディクト法で一日のエネルギー必要量を計算→子ども・青少年は0.15、若年成人は0.18、妊婦・授乳婦は0.2、成人(30代)は0.17、中年(40-65歳)は0.15、老年(65歳超)は0.2を掛ける→その数値を4で割って、一日に摂取すべきタンパク質のグラム数を計算