あらすじ
ひとりで豪邸に住んでいたクロエが、恋も家も職も失ったエマと出会い、期間限定ではじまった共同生活にも大きな変化が。自身も知らなかった過去が明らかになり、エマは新しい生活をはじめることに…。でも、そこは「背負うべき役割」があまりにも大きい場所だった!?
対照的な2人が出会う解けたり解けなかったりする謎と、事件と、甘いパフェ。何かが終わっても、人生は続き、何かがはじまる。
海野つなみの描くゆるふわミステリー。堂々の最終巻。
あの大ヒットマンガ『逃げるは恥だが役に立つ』の著者である海野つなみ先生の最新作です。
家と職を失い、路頭に迷っていた江間 宵(エマ ショウ)。だが縁あって、豪邸に住む謎の美女である黒江神名(クロエ カナ)と同居することに。
そして、趣味で占いをしていたクロエは、エマの助言もあって占いの店を始めるのだった。
この作品は、占いを受けに来た客の物語が描かれ、そしてその占いをきっかけに、彼らの本心が徐々に明かされていく物語です。
海野つなみ先生の作品は、人間の本音の部分が物語に沿って描かれています。
普段私たちが見て見ぬふりをしているようなことにまで、核心を突くセリフでドキッとさせる。そんな魅力があります。
そして、本作のテーマは「占い」です。
占いは他人に自分の人生を占ってもらうもの。私はそんなイメージを持っていたのですが、この作品を読んでガラッとイメージが変わりました。
占いとは、自分の今の状況を知って、自分が自分の人生と向き合うものだと。
『クロエマ』は、占いに来るキャラクターを通して、自分の気づかなかった目線をそっと見せてくれます。
フィクションを楽しみたいけど、リアルさも欲しい!という方にはとっておきの作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
父親の元に戻ったエマが音信不通に。エマを救うため京都に向かうクロエ。
占いVS占い。そして衝撃のラスト。占いとパフェのビターなミステリ、終幕です。
新月と戸間の、自分に選択させているようで、実は選択肢を一つに絞るやり方にゾッとしました。「軟禁生活を紛らわすために散在させる」って女郎屋のやり口じゃないの…!
この二人の共感性ゼロのサイコパス、恐ろしいな。
相対的な占いで相手に適切な解釈を与えるクロエと、スピリチュアルな直感で絶対的な答えを導く新月。
答えは同じでも、どちらを選ぶかはその人次第。ということは、答えは自分の中にもともとあるのかもしれない。
そして、ラストが「え?ここで終わるの?」という展開で衝撃的でした。
「私はどうしたらいいですか」
人は常に、自分ではどうしようもない状態に陥ってしまうものです。そしてそれを打破するのって自分以外の他人の言葉だったりします。
占いというのは絶対的なものではなく、自分ではどうにもできない状況に新しい解釈を与えるものなのでしょうね。