あらすじ
天才技術者・本田宗一郎と辣腕経営者・藤沢武夫が表舞台を去って、その後継者たちは低公害エンジンの開発に成功、ホンダは世界のメジャー自動車会社の仲間入りを果たした。日米自動車摩擦を機に米工場を建設、米市場の利益拡大で、トヨタに次ぐナンバー2を襲う勢いだったホンダに異変が生じる。創業者の相次ぐ死去、F1撤退、国内販売の不振……。ホンダは、創業者たちの個性ある経営手法を継承し復活するのか――。第27回大宅賞を受賞した経済ノンフィクションの傑作。
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Posted by ブクログ
私は地面に鼻がくっつくほど近づいてガソリンの匂いをかぎました。そこには文明の薫りがありました。(p.539)
そういう人間がいちいちラジエターの水をチェックしたり、確認するか。しないだろう。だからそれを確認する必要がない空冷がいいんだ。(p.227)
Posted by ブクログ
ホンダ創業の話があまりにも面白く、もっと詳しく当時のことを知ってみたいということと伝説的な創業者が去った後、ホンダの子供達がどのようにして現在につながる軌跡を残そうとしてきたのかを知りたくて読んだ。
本の厚みが語るように(680ページ!)著者の徹底的なまでの取材能力のおかげでとても濃い内容だった。
自分が現在置かれている状況にもおおいに参考になり、今後の自分のビジョンをより明確に照らしてくれた。
Posted by ブクログ
サブタイトルに「教祖のなき後で」って書いてあるし、どうせ批判的なんだろうと思って読み始めたら、見事に期待を裏切られた。(良い意味で)
ホンダ創業期のトップ二人の出会いから引退まで、その間の成長の過程が丁寧に書き綴られている。(その後のお家騒動も若干。これも面白い)
著者は記者から作家になった人物だが、「何でそこまで知ってんの?」と思うくらい内部事情が赤裸々に書かれている。 かと言って、ホンダ万歳ではなく、あくまで中立的な立場で書かれているのが好感触。
戦後の焼野原から、今に至るホンダを築き上げたダイナミズムが文章からヒシヒシと伝わり、一読の価値アリ。 今の日本人に、こんなエネルギッシュな人はいるのかなぁ・・・
読んだのは2~3年くらい前だけど、もう一度読みたくなる一冊。
Posted by ブクログ
ホンダには2人の創業者がいた。
本田宗一郎の本田技術工業。
藤沢武夫の藤沢商会。
2人の天才が世界のホンダを作った。
戦後、焼け跡の中から産声をあげたホンダは、瞬く間に世界一のオートバイメーカーとなり、4輪者にも進出する。
今から考えれば信じられないことだが、ホンダは日本の自動車メーカーとしては最後発である。
まさに神話の世界。
「第二章 二人羽織」を読んでいると泣けてくる。