【感想・ネタバレ】ルポ 国際ロマンス詐欺(小学館新書)のレビュー

あらすじ

ナイジェリアでロマンス詐欺犯に直撃!

●被害者と詐欺犯の双方に迫った本邦初のルポルタージュ!●

SNSやマッチングアプリで恋愛感情を抱かせ、金銭を騙し取る「国際ロマンス詐欺」の被害が急増している。

なぜ被害者は、会ったこともない犯人に騙されてしまうのか。「お金を払わないと、関係が途切れちゃうんじゃないか……」。被害者の悲痛な声に耳を傾けると、被害者の心理に漬け込む詐欺犯の「手口」が見えてきた。

そして取材を進めると、国際ロマンス詐欺犯は、西アフリカを中心として世界中に広がっている実態が明らかになってきた。
著者はナイジェリアに飛び、詐欺犯への直撃取材に成功。彼らが語った、驚きの手口と倫理観とは――。

その被害者・加害者の双方に迫った、本邦初の迫真ルポ。

* * * * *

●詐欺犯の“愛の囁き”には、すべからく「裏」がある●

・被害者への「I love you」のメッセージは、例文をコピペして送っている
・犯人はプロフィールに、美男・美女の「他人の写真」を盗用している
・「How is mom?」――家族への気遣いを見せて信用させる
・存在しない「架空の投資サイト」にお金を振り込ませる …etc.

(底本 2023年6月発売作品)

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Posted by ブクログ

リアル本にて。
大多数の人と同じく、「なんで騙されるんだろう?」と思ってきた。ただ、この本を読み終わって、入り口さえ整えば、自分も引っ掛かってもおかしくないことを認識した。というか、この可能性を念頭に置いて生活をしようとすると、まともに知り合いを作れない。。。
前半は被害者側のインタビュー、後半は国際ロマンス詐欺の温床となっているナイジェリアの首都ラゴスでのヤフーボーイ(国際ロマンス詐欺犯)へのインタビューという構成。
大まかに国際ロマンス詐欺の流れは以下のとおり。
入り口は気軽なコミュニケーション相手として(英語でのコミュニケーション相手としてやり取りしていた、というのがとてもわかりみが深い)、そのうち孤独を埋める相手として、だんだん洗脳されていき、最後は騙されたことを認めたくない一心で引き返せないところまで突っ込んでしまう。。。
さぞかし組織として綿密な計画と共に一つ一つの詐欺に対して周到に取り組んでいる、という印象を前半では受けとる。
ただ後半に紹介される実行犯たちは、一応教育組織的なものはあるようだが、どちらかというと悪友に唆されて簡単に手解きを受け、その道に入る、単独犯の印象を受ける。もちろん、前半の被害者と後半の加害者は同じ詐欺事件ではないので、単に犯人が違うだけが理由かもしれない。ただとにかく、ナイジェリアにおける国際ロマンス詐欺のハードルの低さに驚いた。本文でも書かれているが、そのハードルたるや、日本における未成年者の飲酒・喫煙に近い(もちろんそれもダメだが)。そして、ハードルが低いため、詐欺を試みる人数がとにかく多く、かつその一人一人もとにかく絨毯爆撃のように友達申請をせっせと送っているので、一つ一つの試みの成功率は知れていても、全体でみると大きな金額の詐欺に成功するケースがある、ということのようだ。さらに、これもハードルの低さからか、その成功例をSNS等でサクセスストーリーとして吹聴しているらしく、それを閉塞感に支配された若者が見て、また詐欺に流れる、という悪循環が発生している。
なんにせよ、想像以上に身近な犯罪であることを認識し、どんどん変わる手段も押さえていかなければ、と改めて身につまされた。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれて買った。引っかかるわけなくね?と思っていたが読んでみると引っかかるなりの理由があるな、という感じだった。詐欺師と連絡を取り合って5くらいでお金を送ったりしている被害者が多かったことが意外だった。後半だとナイジェリアに詐欺師へインタビューに行っていたが、就職先がない若者がバイト感覚でやっている実情があり、あるいは日本もそうなりかねないなと感じる

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

知らない世界で、ルポとしては興味深い。情報網の発達した中で、犯罪もまた性質を変えていくのだなと思ったし、技術が向上しても、騙される側の心理的な要因というか、そういうものは変わらないんだなとも思った。

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2023年07月30日

Posted by ブクログ

独り身の寂しさ。将来の希望のなさ。一発逆転の予感。そして、いつの間にか恋に落ちてる。周りが見えない。当たり前の判断ができない。費やしてしまったお金も無駄ではなかったと思いたい。つながりが果てて気が付いたときにはもう遅い。ラインの向こうは貧しさあふれる大陸。罪の意識は違法賭博程度。学生たちが狙う一攫千金。例文数打ち当たり待つ。…取材に応じてくれた被害者たちに敬意を表する。人の心は脆いもの、騙され易いもの。まずそれを認めることから始めたい。「国の借金は千兆円、緊縮しなければ破綻する!」…ほら、簡単にひっかかる。

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2023年07月20日

Posted by ブクログ

前半は日本人被害者たちの切実な被害内容。
後半はナイジェリア人加害者たちが大した悪びれもしない態度で犯行方法を語る。

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2024年10月31日

Posted by ブクログ

★★★
今月9冊目
国際ロマンス詐欺とは外人がSNSを通して連絡してきて結婚したいだのとそそのく。
で、色々と金を暗号資産などで投資してしまう。
なんと犯人はほぼナイジェリアの大学生。。
貧困国に加え、政治的にも腐敗している。
外人、日本人も基本全てシカトにかぎる。

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

 国際ロマンス詐欺と聞いて、真先に思い浮かんだのは映画にもなった「クヒオ大佐」。まあこれは、外国人を装った日本人詐欺師なのだが。
 よく考えれば、おかしい話だということがわかるはずなのだが、 そこが外国人に憧れる気持ちも利用した詐欺事件だ。

 実はアフリカのナイジェリアに犯人がいるらいいということがわかった。そこで、著者はナイジェリアまで取材に行く。そこで出会ったのがヤフーボーイ(ガール)と呼ばれる若者たち。主に学生だが、生活費を稼ぐため詐欺に手を染めている。大学の授業料は無料だが、そこは貧しいアフリカの国である。先進国の人々をカモにすることには、たいして罪悪感を感じないようだ。根は深いのかもしれない。

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2023年10月31日

Posted by ブクログ

心の隙

そんなところにつけこんで
客観的に聞いたら騙されるはずないのに、騙される恐ろしさ((((;゚Д゚))))

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2023年10月07日

Posted by ブクログ

社会問題となっている。詐欺の実態、その詳細に触れることができ、さらには罪悪感がなく、詐欺行為をしている。貧しい国の実態を垣間見ることができた。

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2023年08月11日

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