あらすじ
教養ブームといえる昨今。教養に関する多くの書籍が出版されています。
本書は「気になるけど何から読んでいいのかわからない」という読者のための本です。
教養というと、知識を学ぶというイメージがあります。本書は、そことは一線を画し、「教養で、どう人生で楽しめるのか」という点にこだわりました。バラエティプロデューサー・文化資源学研究者である角田さんだからこそ語れる楽しい教養を「歴史」「地理」「社会」「人生」「文化」「エンターテインメント」というテーマ別に解説していきます。読み終わる頃には、世界が少し違って見える。今までになかった教養のガイド本です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
よくある「教養本」ではありません。
コロナ禍や戦争などで混沌とした現代社会に
おいて、人は何を大切にすればいいのでしょ
うか。
元テレビマンであり、知的好奇心の塊の著者
が歴史、地理、社会、エンタメ、文化、そし
て人生を深く考察します。
「こういう教養を身につけるべきだ」と押し
付けないです。
しかし「なるほど、そういう見方もあるのか」
という気付きを与えてくれます。
例として明石家さんまさんの言を取り上げて
います。
「カーナビを付けないのですか」という問い
に、さんま師匠は「俺、迷いたいねん」と答
えたそうです。
無駄や遠回りが人生の幅を広げるという真理
を表していますね。
高尚なエッセイとも言える一冊です。
Posted by ブクログ
歳が自分とひとつ違いの著者による「50代となっていろいろ思うところ」がとても共感できました
「人生死ぬまで学び」とよく言いますが、記憶力は落ちても、無駄も含めた人生経験がむしろ教養欲を高めるのかもしれません
「知性の反逆の時代」が来るとのこと
日々感じる窮屈さは「叡智」と「越境」が晴らしてくるのだなと再認識させてもらいました
Posted by ブクログ
文章を整形して
教養というものをいろんな角度から解説している本。
・教養するというのは結果ではなくプロセスなので、それを考えている時間が教養
・物事の始まりは曖昧で、それを人々が徐々に承認するから決まり事になっていく
・歴史を学ぶときにすぐに数年とか飛ぶけど、実際にその次代に生きた人の年代感覚に合わせることも大事。実際に自分の人生の1年って結構長い。
・無駄とか嫌なこととか全て含めて「経験」することで、その人の人生の幅と深みを作る。
・経済力ではなく、人間としての幸福度で人生を眺める評価できるような新たな価値観が求められている
・昔なんなら今の世界は、与えられたテストでいかにスピーディーに正確に解答して、点数を取れるかが評価の基準だったが、今はAIが完璧にそれをするので価値がなくなってきている。
└ただ、点数を取るために勉強をしたそのプロセスや考え方は大事
・自らがメディアになって、コンテンツとして誰でも発信できる時代
・そのときの今の想いは将来思い返しても、それは思い返したときの想いだから少し違うものになっている。だから、そのときに感じたことや思っていることを文章に残した方がよい。
・「誕生」と「死」の間に人生が存在する。つまり、「まだ存在しない」と「もう存在しない」の間に人生がある。
教養についての考察
この本は、教養というものを多角的に解説しています。以下にその主要なポイントを整理します。
教養はプロセスである
教養とは最終的な結果ではなく、その過程に意味がある。考える時間そのものが教養である。
物事の始まりは曖昧
何かの「始まり」は明確ではなく、人々が徐々に承認していくことで決まり事として定着していく。
歴史を学ぶ際の視点
歴史を学ぶとき、数年単位で飛ばして理解しがちだが、その時代を生きた人々の感覚は違う。自分の人生の1年が長いように、当時の人々も一瞬一瞬を生きていたことを忘れてはいけない。
経験の価値
無駄や嫌なことも含めたあらゆる経験が、その人の人生の幅と深みを形づくる。
新しい価値観の必要性
経済力ではなく、人間としての幸福度を基準に人生を評価する新しい価値観が求められている。
テストの時代からAIの時代へ
これまでの世界は「与えられたテストにいかに速く正確に答えるか」が評価基準だった。
しかし今やAIがそれを完璧に行うため、その価値は低下している。
└ただし、点数を取るために学んだプロセスや思考法そのものには意味がある。
誰もがメディアになれる時代
現代は、自らがメディアとなり、コンテンツを発信できる時代になっている。
記録することの意義
今感じている思いは、未来に振り返ったときには「思い返したときの思い」として変化している。だからこそ、その瞬間の気持ちを文章として残すことが大切。
人生の位置づけ
「誕生」と「死」の間に人生は存在する。つまり、「まだ存在しない」と「もう存在しない」の狭間にこそ人生がある。
Reflections on Culture and Learning
This book explores the concept of culture (or cultivation of knowledge) from various perspectives. The main points can be summarized as follows:
Culture is a process, not a result
To cultivate oneself is not about reaching an end point but about engaging in the process. The very time spent thinking is what constitutes culture.
Beginnings are ambiguous
The origin of things is often unclear. They gradually become established as conventions through the collective acknowledgment of people.
Perspective in learning history
When studying history, we tend to skip across years too quickly. Yet, it is important to align with the sense of time of those who actually lived in that era. After all, even one year in our own lives feels quite long.
The value of experience
Both seemingly useless and unpleasant moments form part of “experience.” Together, they expand the breadth and depth of one’s life.
A new standard of value
Instead of measuring life by economic power, society increasingly needs a new perspective—one that evaluates life through human happiness.
From test-taking to the age of AI
In the past, the standard of evaluation was how quickly and accurately one could answer given tests and earn points.
Today, AI performs this perfectly, making such skills less valuable.
└ However, the process of studying for those tests, and the way of thinking developed through it, still matters.
Everyone can be a media outlet
We now live in an age where anyone can become a medium of information and share content with the world.
The importance of recording thoughts
The feelings you recall in the future are not the same as what you actually felt in the moment—they become altered reflections. This is why it is meaningful to preserve thoughts and emotions in writing while they are fresh.
The place of life
Life exists between “birth” and “death.” In other words, it lies in the space between “not yet existing” and “no longer existing.”