あらすじ
68万部を突破し、全国に感涙を与えた文藝賞・芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』から6年。「みんなで生きる」をテーマに据えた著者の新境地!
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Posted by ブクログ
最初は暗い話かと思ったけれど、話が進むと救われるところが出てきた。
私は吉野さんみたいな人になりたい。
後は保が好きだな。不器用だけし辛い目に遭っているのに
「損してなるものか」の気持ちが意外にも根本にないから人として信用できる。
保がいれば大丈夫かもしれない。
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この作家さんのはこれで2作目を読みました。
東北のなまりが出てくるのは、すべてそのまま理解できます。
自分もそうなので。
共感できることがたくさん出てきて読みやすく面白かったです。
明るく読み終えることのできる本でした。
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いろいろな人の1人語りで語られる言葉に、そうと実感する言葉がある。
人は動き続けるものなんだ。立ち止まるとたちまち停滞して体中の体液が濁って汚れて動けと叫ぶ。動くことは生きることで生きることは喜ぶことなんだなって。
生きるって、わかることだよね、自分のことが。
今だったら雑草にありがとうしている。毎日すくすく伸びてくれるおかげで、暇なしに草取りができますって。何かしらやることがあるって幸せなことだよ。
人の喜ぶ顔が見たい。などなど。
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今の時代に、実際になんらかの生きづらさを抱えている人はどれくらいいるんだろう。
いろんなメディアでは、この世がいかに生きづらいのか、様々な角度から報道されていたりするけれども、いわゆる「当事者」から声が上がることはほとんどない。
なんなら私自身も当事者なのに、なぜかあきらめてしまっている。
「言っても仕方ない」「どうせ何も変わらない」と、なぜ思うようになってしまったのか。
この作品の人達は、なんだか恥ずかしくなってしまうくらい率直に、ストレートに、おかしいと思うことや生きづらさを語る。
でも、その率直さをなぜ恥ずかしく感じてしまうんだろう。
なぜ私たちは語ろうとしないんだろう。
自分の中のあきらめや傍観者を決め込む態度を、厳しくも暖かく指摘されてしまった。
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著者のインタビューで、表題がひょっこりひょうたん島からだと聴いて、なんだか自分も聞いたことがあるような気になってきた。実際は、ないと思うけど(笑)
生きにくい人達が、こんなふうに寄り添えればと思う。
大人のおとぎ話のようで、なんだか癒された。
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経験値豊かな若竹さんだから描けた作品。不条理な世の中に抗うことを諦めた人たちが互いに支え合い繋がる物語。東北弁が孤独や寂しさを癒す。吉野さんに出逢えたら僥倖だ。
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萬葉通り商店街での、人情ドラマを描いた作品です。商店街の情景はあまり感じられませんでしたが、ここで働いたり、生活をしたりしている人々の悲喜こもごもにはとても共感することができました。
5人の男女の人生模様が描かれていて、彼らは20代から60代後半まで年齢も幅広いのですが、共通しているのは、少し人生に疲れてしまっているということ。そのうちのある女性が、アパートを開放して食事をふるまう活動をされています。その女性もかつて子どもを置いて家出をした経験があったりするのですが…。
彼女の作るご飯を求めて様々な境遇の人々が集まってくる。そしてみんな元気になっていく。
人生を肯定することは結局のところ、他人を肯定して交流することでなされるのかなと思いました。
主要な5人の男女の境遇はというと、夫に先立たれ20年ほど独りで暮らす女性、舅姑の介護疲れで自分の人生を謳歌できず高齢になった女性、院卒なのに非正規雇用者の女性、詐欺にあい自死を考える男性、子どもを置いて家出をした女性、とホントに様々です。
本作を読んで私は、仲間は大事だなと改めて思いましたし、「円卓」を囲んで食事をするのも、序列が感じられなくていいなと思いました。
また、疎外から連帯というムードを感じられるので、心も温まると思います。
そうそう、標題の「かっかどるどるどぅ」について、予想外の展開が待っていました。そこが一番グッときますよ!
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なぁしってる?イギリスのいぬはバウバウバウってなくねん。
わぁ懐かしい~ 昔小学校で子供たちに読んだ「うしはどこでもモ~!」という絵本の一説です。
スペインは・・・フランスは・・・と各国の鳴き方を教えてくれて、最後に、けどうしは・・・とくる。
それがどないしてんな・・・ってまあ聞いとくなはれ、(翻訳が落語家の桂かい枝さんなのでつられて関西弁)
いろんな動物の鳴き声が紹介され、たしか鶏の鳴き声でした。「かっかどるどるどう」どこの国かも忘れました。スペインかな?
でもこのタイトルを見た途端、あっあれやな、て思いました。
ほんで肝心の本の内容はどないやねん、そやな、それや。
いろんな事情を持った人たちがいて、それぞれ事情を話してくれます。
それは独白というのかあるいは独り言というのか、ひとりの役者がまるで舞台に立ってセリフを言っているような。
それも東北弁とか、どこかのお国言葉で語られるそれらは慣れないとなかなか入っていけません。
ストーリーも一応あるのですが、各人の個性というか人間性がインパクトありすぎて、あるようで無いようでという感じ。
さすが芥川作家という作品でありました。
Posted by ブクログ
初めて読んだ作家さんでしたが、個人的に
すごく独特なテンポで語られる自分語りの
部分がすごく読みづらかったけど、中盤から
少し内容的にも面白かったかな。
つらい過去や現状のやりきれない人たちが
出会い居場所を見つけるお話・・・
なんか最初から最後まで独特なテンポと
世界観でちょっと自分には合わなかった。
人それぞれ色んな苦悩があるけど、
たどり着いた場所が居場所となり
こういうところだったから登場人物たちは
前を見て進める何かをもらい
人生捨てたもんでないと気づけたのかも。
Posted by ブクログ
独特の語り口のところ、読みづらいけれど一旦その世界に入り込めたら、むしろ心地よく読み続けられた。吉野さん、登場人物達の中で一番波瀾万丈でしんどい人生なのに、一番前向きでエネルギッシュで優しく他人想いなのが不思議だけれど、人ってそういうものなのかもなと思える。
Posted by ブクログ
中編1篇、短編1篇
古いアパートの部屋でご飯を振る舞う吉野さん。彼女に美味しいものを食べさせてもらう行き場のない人の卓袱台仲間。人と触れ合うこと支え合うことの何かを伝えている。そしてみんなのいる所でのまさかの大往生の吉野さん、少し早過ぎるけど死に方としては最高!
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いきなり東北弁で始まる60代後半の女・悦子の語り。
ほぼ胸のうちに溜まる愚痴めいた独り言のようだ。
続いては、夫を見送り舅姑の介護を延々と続けてからそれぞれ看取ったあとひとりになった68歳の芳江。
自由になり好きなことができるはずなのに何をしたらいいのか…ひとり地味に生きていくだけなのかと。
また、大学院を出たものの非正規雇用の職を転々とする38歳の理恵。彼女も何をしたらいいのかゆらゆらと彷徨っている。
公園で薄汚れて痩せ細り怪我をしている犬を相手に喋っているのは、20代の保。
彼はもはや生きる希望すらなく残り少ない有り金で食べ物を買い、最後の食事を犬といっしょに終えた。
見知らぬ男から「困ったらここに行け」と紙切れを渡されて行った先は…。
古いアパートのドアを開け放し、誰彼かまわず声かけているのは吉野だった。
そこには自然と人が集まり、ちゃぶ台囲んで食事している風景があった。
そんなところで顔を合わせた見知らぬ4人。
いつのまにか笑顔が見え、誰かと喋る…という普通のことが普通にできるようになっている。
吉野の人生もさらりと描いているが、壮絶であり絶望を何度も味わった感あり。
だからこそなのか寂しいものを嗅ぎ分けることができ、喜ぶ顔が見たくなって食事を振る舞う。
家族がないなら家族を作ればいい…そんな感じのようだ。
「かっかどるどるどぅ」鶏の雄叫びだ。
生きていることの叫びだろう。
Posted by ブクログ
こんなに虚しい小説もあったのか中編迄ボヤキばかりでイライラした。世の中のいろいろを批判したり、最後の黄色地のページでは無情を醸し出し世の退廃を嘆いてみても何の実りもありゃしない。安心して暮らしたいならどう行動するの?