感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
日の丸を背負った中国人選手。
国籍差別的な話かなと思ってたら全然違った。いい意味で想像と違った話だった。
登場人物は多いけど、みんなどこかで繋がっていて、ラストでひとつの形に収束していくストーリーがめちゃくちゃ良かった。普通に泣いた。
幼少期虐待を受け施設育ちの毛利翼、事業に失敗し借金まみれになった親を持つ三崎啓介、元有名子役だったが事故により下半身に障害を持った川越美玲、この3人の絆と友情が強すぎて泣ける。
ラスト、バトンが出てくるシーンで鳥肌立った。タイトルも最後に納得。文句なしの1冊でした。横関さん、読みやすいのに心揺さぶる本多くて大好きな作家の1人です。
Posted by ブクログ
過去と現在を交互に視点を変えて、そして現在。日の丸をユニフォームに縫い付けた卓球選手・毛利翼(マオ・イーリー)。彼はどうして中国チームなのに日の丸をつけているのか。
虐待を受けていた過去を持つ、施設育ちの毛利翼。
親の事業の失敗により転校する事になった三崎啓介。
圧倒的演技力の売れっ子子役だったが、事故により半身不随となった川越美玲。
三人の幼馴染がとある事件をキッカケに運命が変わって行く…
ラストまで読むとタイトルの意味が判りますね。小学生の頃の黄色のバトンがラストに出てきた時、じんわりしました。
お互いを思う絆の強さもとても素敵でした。その後の三人がどうなったか気になる所です。
Posted by ブクログ
帯を見ると、スポコン×日中関係な話のような印象を受けますが、青春と友情とサスペンスです。
デビュー作「再会」で描かれた、若き日のもやもやや感情のざらつき、輝きと苦さがとても印象に残っていた。
以後、何作か読んだが、あまりしっくりこず、しばらく離れていた。
そして今作。まず、文章がとても読みやすく、
ストーリーにリズムとメリハリがあって、どんどん読まされた。
軸になる3人の男女と、彼らと人生が交差する人々の物語。
その絡ませ方は、あとから考えればかなり強引なところもあったが、
読んでいる間は気にならなかった。
中心3人以外の話は、かなり余白をもって描かれている。
それだけに、ドラマ化・映画化の際に、脚色の腕が問われそうだ。
最初に提示される「日の丸」についても、
決定的な描写があるわけではないし、
クライマックスの試合シーンをめぐる各人物の描写、
後日談なども、描きがいがありそう。