あらすじ
ある冬の夜、24歳の雨宮純江は同じ会社の中年男性に処女を捧げた。そして、彼女は別れた妻へ電話することを約束させて、地下鉄に消えた――。でも、何故? 純江はかつて楽しい大学生活を過ごしていた。友人の恋の橋渡しに手を尽くし、紹介された会社社長の御曹司とのデート……。だが父親の秘密をきっかけに、彼女の運命は暗転していく。若き女性にふと訪れた、悲しい恋の軌跡を描くラブ・サスペンス。
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悲しい...
すごく悲しい...
けど、私が純江さんの立場だったら同じ事をしていたかもしれない。いつも本を読む時は自分の事に置き換えて読んでしまうので、辛い事が多くて大変だったけど、よく頑張ったねってみんな言ってくれたら嬉しいだろうなと思いました。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手にとりました。誰も主人公の雨宮純江を救う人が現れず、最終的にああいう結末を迎えてしまったことは、あまりに救いがなく哀しいです。それまで、あれほど人を助けてきた彼女だからこそ、何らかの救いがあって欲しかったのですが…普段人に頼られる事が多い人が、いざ自分が頼るとなるとその相手がいないというのは割合あることなのかもしれないなと思いました。
Posted by ブクログ
なぜ幸せになれないのだろう。
遠慮しているからいけないことは分かる。
遠慮していたら,遠慮していたなりの幸せがあってもいいはずだ。
赤川次郎の作品の中では、めずらしく根拠のない貧乏くじのような主人公。
そういう人生もあるという意味では小説なのだろう。
赤川次郎が何を書きたかったかは,三度読むまでわからないかもしれない。
Posted by ブクログ
容姿端麗で誰からも好かれる若い女性純江は
なぜ顔見知り程度の上司と寝たのか。
物語は彼女の過去を紐解くことで
それを暗示させようとするが・・・という作品。
まあぶっちゃけ感動するかというと
ひたすら暗く、せつなく悲しい話です。
純江のように皆から頼られることはあっても
自分から頼ろうとはせず、また頼れる相手もいない、
という損な人たちは非常に多いと思う。
そのまま生きていって誰かに頼られる存在であり続けるなら
死を選ぶという非常に鬱な展開。
最後の前日に急ぎでないと思われる仕事を残業して終わらせ、
女として?なのか離婚直前の上司に仲直りを促し旅立つ。
まさに損としか思えないが、
純江がそれで幸せでなくても平穏な最期を遂げたと信じたいですな。