あらすじ
この味を忘れることは、決してないだろう――。10年以上つきあった恋人との、能登へのお別れ旅行で味わった最高の朝食。幼い頃に、今は亡き母から伝授された、おいしいおみそ汁のつくり方。何年か前に家族みんなで並んでやっとありついた、天然氷でつくった富士山みたいなかき氷……。ときにはほろ苦く、ときには甘く優しく、身も心も温めてくれる、食卓をめぐる7つの感動の物語。(解説・松田哲夫)
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Posted by ブクログ
食にまつわる短編集。食べることと人の生死、あるいは恋と別れが結びついている。別れることになった同棲者と、最後に能登に行って松茸の天ぷらを食べる話が切ない。食、というものは生きることと結びついているけど、何にせよドラマがあるよなあと思う。中華街の豚バラ飯を食べてプロポーズする話は、海員閣のイメージで読んだ。あの2階の畳の大広間で、豚バラ飯を一心不乱に食べる2人、食の好みが合うことは一緒に暮らすためのパスのようなものだと思う。
Posted by ブクログ
食べ物にまつわる短編集。
人生に一度の思い出の話で構成されている。
この短編集に限らず、小川糸の作品は、のんびりとした気持ちで読んでいると唐突に気まずくなるシーンに遭遇することが多々ある。
もし現実に遭遇したら、相手を慮ってそっと目を逸らすような、そんな非常にプライベートなシーン。
「目を逸らさないで見てあげて」というスタンスは小説家としての良さでもあるのだけれど、設定や世界観の構築の甘さもあいまって、ちょっと読む人を選ぶ作家だと思う。
唯一、気まずくなるシーンがない、親父の豚バラ飯。
横浜中華街にある知る人ぞ知るお店でいただく美味しいもののパレードの短編。
食べてみたくなって調べたら、本当に実在するお店で、美味しんぼにも載っていたよう。
代替わりしてコースのみになり、少し味付けも変わったみたいだけれどちゃんとファンがついている美味しさのようで、行ってみたくなった。
小川糸は、食べ物の描写はさすがで、
特に調理のシーンにはいつも学びがある。
今回でいえば、煮干しからとるお味噌汁のつくり方が勉強になる。なるほど炒るのね。
でもこの話すらも、いきなり、おっぱいが出てきて面食らう。
主人公も困惑していたけど、読者の私は更に困惑した。
このシーンの効果と必要性について解説を読みたい。
このシーンさえなければ、結構好きな話だ。
認知症系の話は、身近ではないから、なんともよくわからない。
最初のかき氷の話は、生意気な小学生目線なのが気になってはじめは話に集中できなかったが、コレも結構好きな作品になった。
発酵の、良い香りがするというのが素敵だと思った。
桃と梨と、林檎だったかな?
そんな香りのするおばあちゃまなら、甲斐甲斐しく、なんでもやってあげたくなっちゃいそうだ。
Posted by ブクログ
薄くてすいすい読めるので、ちょっとした空き時間におすすめ。
話の内容としては、食べ物の描写が美味しそうなものもあるけど、そんなにそこにフォーカスを当ててない話もあるので、そういう魅力を求めて読む方にはイマイチかもしれない。
こーちゃんのおみそ汁の話は不覚にも泣いてしまういい話だった。
呼春という名前が本当にいい名前だと思ったし、両親から愛されてる証だと実感できるのが素敵。あと桜の木を亡くなったお母さんだと思って話しかけるのとかも、よくありそうな設定ではあるけど綺麗な描写で、素敵な生活の絵が浮かんだ。
お母さんが自分を産まなければもっと長生きできたかもしれないという娘の気持ちを聞いてお父さんが、呼春とお母さんと3人で過ごした時間が幸せ過ぎて、人生の幸せを全部先取りしちゃったんだ、それに呼春がいなかったらお父さんは寂しくて耐えられなかった、っていう返しに胸がすごく熱くなった。
お母さんの、自分が出来なくなってしまうことを娘に代わってもらいたい、他の女のところへ行かないでほしいっていう思いも最後に知れて、かわいくて、、、
その約束をきちんと守り抜いた呼春も、ほんとにえらい!
お母さんと二人でお風呂に入った時の昔の回想は、結局母の真意も語られずに終わったけど、そんな一場面もまたいい。
すっごく素敵な家族の話だった。
ところで、豚とパリに行く話は、本当の豚なのか?豚と蔑称してるだけで人間なのか?どっちなんだ、、、もやもや。
Posted by ブクログ
短編集。豚の話が不思議だった。野暮だけど、豚なの?人間の男性なの?と気になってしまった。それが強烈すぎて他はあんまり覚えてないかも。