あらすじ
「バレンタインデーには好きな男の子に女の子がチョコレートをあげる慣習があるらしい」。そんな話を耳にしたキュートは、理刀のためのチョコをつくることを決める。一方、同じ話を聞いた魔界の第二王女・ササラ姫も理刀へのチョコをつくろうとするのだが、フォンターナ家の九女でいたずら好きのテンペランスが「食べた人の願望を現実にする」というとんでもない魔法の粉を材料に混ぜてしまい――。理刀の新妻になった黒媛、積極的で大胆になった巴、そして魔力がパワーアップしたキュート……。うれしいような困るようなパニック連続の大人気異種間恋愛ファンタジー第11弾!
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Posted by ブクログ
刊行時期からすると多少早いですが、2月はバレンタインデーのお話。
お菓子メーカーの策略だろうがなんだろうが、思春期男女にとっては一大イベント。
黒媛・巴・百香にとっては、ある意味なじみの感はするのだろうが、魔界育ちのキュートやスイートにとっては初めて。
もちろん魔界の第二王女たるササラ姫もその一人。
心を込めた手作りチョコを送る相手は当然・・・
そんな中、ササラ姫が持ち込んだチョコには「願望パウダー」なるものが混入されていました。
とは言え「願望パウダー」で適う願いは些細なもの。
魔界の住人にとってはお遊びのようなものですが、普通の人間にとってはどうでしょうか?
理刀の新妻になった黒媛。
ダイタンになった巴。
そして魔力の上昇したキュート。
先の黒媛SSはこのための布石か?と思える黒媛の行動はうらやましい限りです。
さて、物語終盤にキュートの魔力は、パウダーの効果以外の存在の影響か、一桁台クラスのお姉さま方に匹敵するぐらいに上昇。
何とかみんなの機転もあり、キュートは無事でしたが、キュートの過去、リイザがキュートを溺愛する理由、「封印術式を分解」という文中のセリフ・・・
これらの伏線がちりばめられていますが、察するにキュートがオチコボレなのには理由がありそうです。
それとは別に面白いのが、70ページからの毒舌丸のチョコ解説。
「湯せんの際、数滴の水がチョコレートに入ったようです」って、そんな差異が解るものなのだろうか!?
武藤此史氏のイラストもあり、その凄さが際立ちます。