あらすじ
閉塞しきった日本の政治を、たった一人で変えた市長の「闘いの記録」
議会、政党、宗教団体、市役所職員、マスコミ――周囲は敵だらけの四面楚歌
権力闘争に勝ち抜く「秘策」がここにある
「冷たい社会を優しい社会に変える」10歳でそう決意して48歳で念願の明石市長になった泉房穂は、利権渦巻く政治闘争に巻き込まれる。地元財界・宗教団体と癒着する市議会、職員を抱き込み改革に抵抗する副市長、県と日教組が手を組んで牛耳る歪んだ教育制度、反対勢力のリークを垂れ流すマスコミ……。何度も挫けそうになりながら「日本一の子育て政策」を実現した改革市長を支えたのは、市民の圧倒的支持と、幼少期から身につけていた「ケンカの技法」だった。
(主な内容)
・世の中何かが間違っている
・故郷の明石を誰よりも愛し、誰よりも憎んだ
・わずか69票差で勝った市長選挙
・一人も味方のいない檻の中
・口利きをしてカネをもらう市議会議員
・暴言辞職、そして出直し選挙
・議会・職員・マスコミからの総攻撃
・発言をずっと隠し撮りされていた
・初めて明かす「政治家引退」の真相
・橋下徹くんに言われて反省したこと
・市長に予算と人事の権限がないだと?
・市役所のドン・副市長という存在
・霞が関キャリア官僚なんて優秀じゃない
・財務省と厚労省の醜い争い
・都道府県は不要どころか害悪
・県と日教組が手を組む歪んだ教育制度
・自民党の選挙はゼネコンと宗教団体頼み
・時代に取り残された新聞に未来はない
・官僚に引け目を感じる東大卒の朝日新聞記者
・子育てに注目が集まるのを嫌がる男たち
・市民は「テレビのウソ」に気づいている
・日本の「次のリーダー」の有資格者は誰だ
(聞き手の政治ジャーナリスト・鮫島氏コメント)
本書の対談で最も印象に残ったのは「私は故郷・明石のことを心から憎み、心から愛してるんです。まだ消えない理不尽に対して、誰よりも強い憎しみを抱いている」という泉さんの言葉だった。故郷に対する愛と憎しみの果てに、冷たい社会を優しい社会へ変える激しい政治闘争を繰り広げてきたのだ。
――「あとがき」より
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「結果を出すことに心血を注いだ」という、泉さんの新たな面を見ることが出来た。
また、市役所における副市長の働きは驚きであった。自分がいかに表面しか見ていなかったかが分かった。
Posted by ブクログ
一頁一頁から、一文一文から泉市長の本当に市民を想う情熱がヒシヒシと伝わってくる。
また、与党野党、新聞テレビのメディア、宗教団体、労働団体あらゆる方面への怒りが伝わってきて読んでいるこちらも手が、体が震えてくる。
「ああ、この人は永田町の政治屋たちとは違う。いつだって市民の味方でいてくれるんだ」と思えてくる。
市長時代の、ドラマや映画のような嘘みたいなホントの話も見ることができる。
自分も公務員だが弊自治体もまさに本書に書かれているような状態に陥っている。
現代人、とりわけ若者は全員読んだ方がいい。
Posted by ブクログ
泉さん凄い。わずか10歳で明石市長を志ざすなんて。
周りに流されず、自分の信念を貫く強さ。悪い者に決して屈っさず弱き者を助ける正義感。どれも当たり前のことだけど、その行動力が圧倒的。いつか総理大臣になって日本を良くしてもらいたい
Posted by ブクログ
毎回、泉さんの話を聞くたび「こんな政治家があと10人居てくれたら」と毎回思う。
職員も議会も大反対の中、四面楚歌の中でも市民の支持を得て、市長に返り咲き!
民主党政権の失敗した背景は、菅、野田ラインが財務省と組んだから。。その結果が、世紀の間違い政策である、消費増税。。
今話題の西村さんが明石市出身で、官僚の時から女たらしで、総理を目指す!と勘違い発言をしていたのは笑えた。
今の清和会の混乱も、財務省のリークによるものなのかなぁと、推測が確信に変わった。。
市町村合併で数が減ったんだから、国との連絡係の都道府県は不要!もっと市民の近くで働いて、政策立案、実行をすべき!
地域に決定権を委譲すると、これまで文句を言うだけだった人が、自分で考え行動に移すようになる!これが本当の自治!
補助金、給付金は対象者に直接振り込む!コロナ給付金も子供へ!保育士支援も保育士へ!保育園に払ったら、中抜きされてしまう。。でも、自民党は票につながるから、保育園や病院に払いたがる。。
Posted by ブクログ
政治家が皆さんって言うのずっと違和感だったんだよな。なんで他人事やねんと。
地方のコネクションの世界はやばいなぁ
都心だってやばいところはあると思うけど、地方はまた異次元で驚かされることがまだまだある
ゴールにつけばなんでもいいんですよね極論、今あるものが正解なわけではなくて、修正が必要な場合もある
自分にとっての良し悪しや好き嫌いの判断はさておきという見方を最近よくするのだけど、公明党とかに対する目標への執念の感覚に共感した
新聞になじみがなさすぎて、大手紙をおおてがみと読んでしばらく?となってたw
力関係や新聞記者にどういう人がいるのかがよーく伝わってきましたw
ボッコボコに言ってて草だし、これ読んで怒る人は一定数いるんだろうなぁ笑
私は東大行くような人たちほど頭は良くないけど、官僚が本当に頭が良かったら今の日本の状況になってないことくらいはわかるよ笑
変なプライドなければ、どっちがまともなこと言ってるかぐらい簡単にわかる。
20年くらいネットで情報集めてきたからネットで情報集めたり精査するのが当たり前なんだよなぁ
ちょっとだけ言葉を引き出したい欲の強引さを感じる部分があった気もするけど、全体的には明石市長じゃなくなってぶっちゃけ具合がパワーアップしていて、読み応えがありました
Posted by ブクログ
なかなか読み応えがあった。小学校の時に明石市に住んだことがある自分としてはより身近な話ではあるが、それ以上に泉元市長のアグレッシブさには感服する。何事も強い信念が必要だが、それを突き通すことができるには並みの精神力では難しい。国に比べれば市の出来ることは限られていると思っていたが、逆に市で出来ない事が国で出来るわけない。市で実績を持って、国を動かす点には深く同意。そして何のために政治家になるのか、この根幹がないと政治が変わることはないと思う。メディアの情報や偉い人達の話を鵜呑みにして増税しかないと考えるのは早計かもしれない。
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政治はケンカだ! 泉房穂 鮫島浩 講談社
久しぶりに痛快な対談本を読んだ
山本太郎以来の愉快な冒険物語だ
暗闇に澱んだ政治を切開して
光を当てて視覚化できると言う
可能性を一気に見せてくれる
リアリティだらけの大冒険である
明日は何が飛び出すのか〜
私たちを巻き込んで
景色をガラリと変えてくれるリアルな舞台
「事実は小説よりも奇なり」
こうして透明度の高い政治を続けていけば
ケンカの政治から調和の政治へと
飛躍する夢もまんざらではないかもしれない
Posted by ブクログ
当時、内閣人事局を使って官邸が官僚に対し恐怖政治を敷いた時に感じたのは激しい嫌悪感だった。だが
この本で泉さんが語った人事権の使い方に受けた印象は自民党のそれとは全く逆と感じた事に驚いた
この違いは何なんだ?という問いへの返答はこれまで
積み重ねた物が信頼だったのか不信感だったのかの
違いによるものが大きいのではないだろうか
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国民が総理大臣を評価する指標は常に実績でなく期待。マスコミは印象報道ばかりで、きちんと政治家の実績を評価していない。各業界は補助金の一部を中抜きして、族議員への見返りとして政治献金や選挙支援をし、官僚への見返りとして天下りを受け入れる。政官業の癒着。国民生活支援を業界経由でなく、国民一人ひとりに直接支援へ。財務省と厚労省が、馬鹿の一つ覚えで、競い合うように税と保険をとりまくり、5割近くまで国民負担が上がっている。
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民主党政権が失敗した理由は、官僚と激突して混乱を招いたからではなく、財務省支配に屈して国民世論とかけ離れたからである。
自民一強が続いているのは、民主党政権が官僚に丸めこまれたという歴史的事実からめを背け、当時の菅・野田ラインに身を置いた立憲幹部たちがいまだに財務省と組んで自らの影響力を残そうとしているからである。
この考察は重要だと思う。
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なんで今の状況に日本がなっているかと言うのがよーく分かった。
頭の悪い政治家、官僚。仲の悪い省庁同士、事なかれ主義、前例踏襲の行政。それが、悪いともちっとも思わない役場環境…
我が市でも同じ様なことがあるかも…と疑ってしまう。
泉さん、きっとまた違う土地で首長をなるのではなかろうか。
Posted by ブクログ
こういうジャンルの本はあまり読まないのですが、買ってきた夫に「面白かった!」と薦められて。
私の住む神戸市の隣の明石市
暴言市長として有名ですが、この地域だけなのでしょうか?
全国的にはどうなのでしょう?
鮫島浩さんの質問に答える形で構成されています。
過酷な地元明石での子供時代から、多様な経歴を積んで市長に。
「四面楚歌」の中、どの党派にも属さず、市政にまい進されてきました。
好き嫌いはあるでしょうが、やってこられたこと、お考えには納得できます。
三年くらい前、ある式で表彰状を頂く時、緊張する私をリラックスさせ笑顔にしてくださいました。
「ああ、思いやりのある方だなあ」と思ったことを覚えています。
お疲れさまでした。今後のご活躍を期待しております。
≪ やさしさを すみずみにまで まちづくり ≫
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4月に明石市長を退任した泉房穂氏へのインタビュー集。「私は、故郷・明石のことを心から憎み、心から愛している」という発言が重い。
明石市政のことだけではなく、泉氏の政治家評・政党評も、率直で、面白かった。引退のきっかけの一つである専決処分についての考え方や、都道府県不要論など、地方自治に関する重要な論点にも触れられている。
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泉房穂&鮫島浩という組み合わせに心躍らせて読み進めたのだけど…この2人なら,こうなるよね,という「期待通り」過ぎる内容で個人的にはインパクトに欠けたのだけど,自民党しか,又は自民党とその補完部隊しか選択肢がないと思ってる人はもとより,自民党の対立軸は立憲民主党とか国民民主党だと思っている人には是非読んでいただいて永田町の茶番に気がついてほしい.
泉さんの『どっちを向いて仕事しとんねん!』こそ,僕たちが一番注視しなきゃならないところだし,国民を見て仕事している人を選挙で選んで行くしかないのだよね.
Posted by ブクログ
明石市長として、「5つの無料化」などの充実した子ども施策や、弱者に寄り添った先進的な条例の制定などで名を馳したが、「暴言」問題でも注目され、現在は明石市長を退任して全国に明石モデルを広めることに尽力している泉房穂氏が、ジャーナリストの鮫島浩氏を聞き手として、これまでの闘いの日々、議会論、政党論、役所論、宗教・業界団体論、マスコミ論、リーダーシップ論について本音を語る。
「私は故郷・明石のことを心から憎み、心から愛しているんです。まだ消えない理不尽に対して、誰よりも強い憎しみを抱いている」という強い思いを抱いて政治家となったこと、口で言うだけでなく具体的に問題を解決してこそ政治家という信念の下で敵対勢力をはねのけて様々な政策を打ち出してきたことなど、種々批判はあるが、泉氏には政治家として敬意を表すべき点が確かにあると感じた。
しかし、自分に対する反対勢力は「既得権益側」とみなし、自分を応援している側だけを「市民」と呼ぶような独善性、分断思考が垣間見られることなど、拭いきれない違和感も否定できなかった。
このように、泉氏に対しては、なかなか自分の中で評価が定まらないが、今後も注視していきたい(元)政治家だと思う。
この本について言えば、聞き手である鮫島氏の持論が強く出すぎているように感じたのが気になった。泉氏が主役のインタビュー本なのだから、財務省陰謀論のような聞き手の主張はもっと控えめにしてもらいたかった。
また、泉氏が明石市長時代に進めた政策の中身やその過程についての(裏)話を期待していたのだが、その内容は思ったより乏しく、ちょっと物足りなかった。
Posted by ブクログ
泉市長が退任した翌日に発売された本。
肩書を外し、政治をケンカだと言い切るタイトルから、強烈な内容を想像したが、ある程度想像範囲内の内容。
ただ、実際の市役所と議員の関係などは生々しく、読んでいて想像力をかきたてられた。
既存のシステムに従わないことや、既得権益を持つ人たちと戦うということは、文字にしている以上の戦いだったと思う。今となっては泉市政は評価されているが、戦っている最中は評価も見えない状態で、そんななか信念を貫きとおすことができるのは、政治家といえども数多くはないだろう。
対話形式の本だからこそ、話が盛り上がり熱くなっていく様子もよく分かる。
泉さんの想いは良く伝わった。
出来ることなら、同じ12年を市役所や市議会側から見た評価の本も見てみたい気がする。事実と真実は違う。立場が違えば、正義も見えていた景色も違うはず。その違いを客観的にみてみたい。まぁ、そんな本は発売されないだろうから、想像することしかできないけれど。