あらすじ
心やさしく、なつかしい、暖かな世界・木山捷平詩。常に、弱きものたち、めぐまれることすくないものたちへ、心からの手をさしのべ、暖かな声援を送る、市井の人、木山捷平の第1詩集『野』、第2詩集『メクラとチンバ』、第3詩集『木山捷平詩集』と、生前未刊行の詩、短歌、俳句を、木山みさを夫人が心をこめて編んだ“人生の歌”全詩集!
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Posted by ブクログ
木山捷平の詩が面白いとネットで見たのだが廃刊になっていて今まで読むことができなかった。
しかしこの度めでたく復刊。
というわけで早速読んだのだが、評判(復刊)になるだけある理由が分かった。
第一詩集の「野」からぶっ飛んだ。
「うんこ」やら「小便」やら・・・大正から昭和初期にかけての生活に根ざしたアバンギャルド。
現代でこういう文章を書く人は珍しくないけれど、当時としては真っ当な評価はされなかっただろうな。
文学界のインディーレーベルともいえる講談社文芸文庫から出版されているのも納得。
反面、第二詩集「メクラとチンバ」(タイトルからして凄い)ではふるさとの土臭い感じがまた「野」とは違った味わいの詩作を見せている。
未発表詩篇での俳句・短歌だけ読むと「野」は一体何だったんだと思わせてしまう。
興味深い作家さんだなあ。
詩よりも小説がメインの人なので、小説を読むのが楽しみになってきた(文芸文庫からだから高いのが難点だけど・・・)。