【感想・ネタバレ】南西の風やや強くのレビュー

あらすじ

12歳、江の島をめざして歩いた。15歳、だれにも言えない秘密をもった。そして18歳、ぼくらの未来は……?親に言われるがまま難関中学を目指し、勉強づけの日々を送っていた狩野伊吹。ある夏の夜、思いがけない出会いが彼を変え成長させていく。二人の少年と一人の少女の、あまくてせつない、そして爽やかな青春小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の男の子が、優秀すぎるお父さんからの期待に応えられなくて、自暴自棄になりそうなところに、僕自身と息子との関係を重ねてしまう。僕自身は日々劣等感にさいなまれながら生きている毎日だが、息子に対してそれが裏返しになって、過度に高い理想を期待しすぎているのではないかと、きっとこんな風に息苦しい思いをさせているのではないかと反省させられる。
もっとも僕自身は「優秀すぎるお父さん」キャラからははるかに遠く、よくできた友人に嫉妬心をいだいてしまったり、つまらない嘘をついてしまって悶々としたりというような、いかにも小市民的なところのある主人公に、自分の嫌なところを見せられている気にもなりつつ、リアルに感情移入することもできた。
そんな彼の恋愛が実りそうとなったときに、相手に重い出来事があって、もつれていくのだが、人それぞれにさまざまな事情があってみな自分のことでいっぱいいっぱいで、というところもなんだかリアルに感じられた。
彼の人生のその先もぜひ見てみたい。

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2018年09月23日

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