あらすじ
ノンフィクションや釣魚紀行など様々な分野に多芸多才ぶりを発揮した作家,開高健(1930―89).その創作の原点である短篇を,文庫としてはこれまでにない規模で精選・収録.デビュー作,芥川賞受賞作から,ヴェトナムでの戦場体験や阿片吸引をモチーフにした中期の傑作をへて,死の直前に書き遺された絶筆まで,作家の生涯を一望する全十一篇.
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Posted by ブクログ
最高
開高氏大好き
嗅覚・触覚、その他の感覚までもが彼の文章に冒されます。味わい深すぎる
ワードチョイスが的確すぎる、、、
飽満の種子 裸の王様 なまけもの 一日 掌のなかの海
好きやなぁ
Posted by ブクログ
考えてみれば、彼の(エッセイやノンフィクションではなく)文学作品をじっくり読んでみたのは初めてかも。
コレが非常に面白かった。
特に、なんというか、豊富な語彙と文章力を思い切り駆使することで、「映画的」「映像的」な表現とも大きく異なる、謂わば「純粋に文学的な表現によって、読者の心象に読者独自の色鮮やかなイメージを表出せしめる」力を持つ、彼の文章の特異な魅力を初めて痛感した。同じような力を持つ作家を、彼の他にはすぐには思いつかない。
全11編が収められた短編の中では特に、「裸の王様」と「飽満の種子」、それに「掌のなかの海」の3編が良かった。
次は是非、長編を読んでみたい。