あらすじ
高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく……。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前、クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが――。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。
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Posted by ブクログ
「学生時代のいじめ」をめぐるミステリー。
いじめは悪であり今回の復讐は因果応報だと考えるけど、それでもやっぱり復讐からはなにも生まれない。
いじめに直接加担していなくても、止められる立場にいたのに止めなかったことを悔いている主人公。その主人公を許すことができなかった彼。
一番つらい思いをしたのが誰かなんて決めることができない、モヤモヤとした思いの残る作品。
Posted by ブクログ
いじめた側の視点で話が進んでいく。
よくある復讐劇だと、被害者視点が多く、加害者は絶大な力を持っており、それを何とかして復讐を成し遂げるものだが。
視点のせいで、強大な復讐者からの攻撃をかわして、打開策を見つけるような作品になっている、未成年というのが拍車をかけている。
これが40くらいの中年で25年前の・・・だとまた全然イメージが変わるんだろうな。
文章は読みやすく、会話と情景描写がいい塩梅で、ほかの作品を読みたいなーといった感じです。
Posted by ブクログ
いじめへの復讐であれば、やりたくなる気持ちもわかるよなぁと思いながら読んだ。
廣吉が死んでいて、親が復讐していたわけだけど、愛する我が子が死んだら代わりに復讐しようという気持ちもわかるよなぁ。。。
けどやっぱりやり方が残虐すぎて、完全にいじめた方の自業自得だとは思えない。
飽きることなく一気に読み進められて、最後で親が犯人だったのか!という驚きもあり面白かったんだけど、読み終わった時にすごく複雑で微妙な気持ちになった本だった。
いじめはダメ!
Posted by ブクログ
渡辺光也
高校三年生。元野球部。
高松
野球部の監督。通称チョロマツ。
山岸亮太
高校を中退して働き始めて横浜に住んでいるが、実家は光也の家のすぐ近く。
植村弘樹
中学二年の時の同級生で、いつも亮太とつるんでいた悪ガキの一人。通り魔に襲われて鎖骨を骨折。市立北中の二年三組で一休と呼ばれていた。
トロ吉
廣吉剛史。中二の時に同じクラスだった廣吉のあだ名。中三で転校した。
神野葵
市立北中の二年三組だった。通り魔に襲われた。
堀内美咲
亮太が中学時代から付き合っている。同棲中。中三の時に父親を亡くし、定時制に通い、昼間は弁当屋で働いている。
日下部しのぶ
私立の受験に失敗し北中に来た。お嬢さまらしくピアノを習っていて、そこそこ成績も良く、顔立ちも良いが、素行はぜんぜんお嬢さまじゃない。通学途中の電車の中で小指を切られた。わわe
小嶋明弘
ドカ。北中の野球部のキャッチャー。駅前のラーメン屋。
和泉
ジャンボ。北中二年で同じクラス。バスケ部。橇犬みたいな大きい犬を飼っていたが、誰かが忍び込んで殺した。
清水群平
弘樹や亮太とつるんでた三組の悪ガキトリオの一人。
堀井直人
冬の影法師のように目立たない存在。度の強い銀縁眼鏡、ぼさぼさの髪、デブじゃないのにぶよぶよの体。
毛利
所轄の少年課。
小野
体育教師。
野口
社会科教師。
古沢香織
ばっちりメイクしていて、クラスの女で髪を染めたのも、ソックスをスーパールーズにしたのも最初。不良グループを陰で操る二年三組の悪の女王。
沢井秀一
廣吉の弁当をフケ飯にしていた。
廣吉勝
剛史の父。新秦精機営業部第二課。
康子
剛史の母。
松下聡美
クラス委員長だった。
石本
テニス部のエース。
土屋由紀
地味系男子のアイドル。
西島雅史
バイトばかりしている。
水谷
Posted by ブクログ
野球の話かな?と思い買った一冊。
野球の話ではなかった。
中学時代にいじめてた同級生に復讐される話しだった。
ひどいいじめだったので復讐されても自業自得だと思って読んでいたけど、殺人までいくとやり過ぎだ。
小説の中のセリフで頭に残ったのは
「自分にはたいした事ない事でも、他人には大切な事かもしれない」
いじめをしている方はたいした事やってないと思ってるんだろうけど、いじめられてる方はいろんなものを失ってる。
早く気づいて欲しかった。
意外な結末だった。
主人公がこの事件で人間的に成長したのは良かったんじゃないかと
マスターが隠れたヒーローだった小説でした。
ネタバレになっちゃうかな?
Posted by ブクログ
中学時代にトロ吉をクラス全体でいじめていた。そしてトロ吉がクラスメイトを復讐する。トロ吉が最後まで秘密兵器であるかのように隠された展開、着実に相手に忍び寄り復讐していくヘルメット頭の影。この恐怖感、クラスメイトにダメージを与える見事な神出鬼没。そして最後のクライマックスでは、サイコパスの登場で一気に犯人が明らかになり、鬼の形相で復讐すると思いきや、壮絶な復讐は叶わず、終わり方もちょっと雑だった。もう少し劇的な展開で終了できなかったのかな?クラスメイトのトロ吉に対する後悔が見えず、残念な気持ちにもなった。
Posted by ブクログ
今、誰かをいじめている人。
もちろん過去にいじめていた人も。
この本を、そういう人達の課題図書にしてはどうか。
誰かを「いじめる」ということは、いじめられている側をどれだけ苦しめ、人生を狂わすかがよくわかるんじゃないか。
この話は、いじめていた側・見て見ぬふりをしていた側から書いているので、いじめの主犯だった子を「悪いヤツじゃない」なんて言ったりする場面が出てくるけど、正直「ケッ」だ。402ページの刑事のセリフに激しく同感。
そういう側から書いてるからか、最後がいまいち納得いかない。
いろいろ書こうと思ったけど、うまくまとまらないのでやめました。