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Posted by ブクログ
なにしろ、テレビドラマとして、過去4回、放送されている、という事が、すげえな、って思いましたね。4回リメイク!?という。で、そんだけテレビドラマとしてリメイクされまくって、何故に映画化はされんかったのか?未だにされていないのか?という所も、なんだかおもろいですね。
しかしアレですね、1969年連載開始の作品なのに、1990~2000年代の、いわゆるカリスマ美容師?的存在の出現を預言しとったのかも?という内容は、結構、凄いなあ。松本清張の先見の明、お見事だなあ。
で、内容はというと、、、そこまで面白くはなかったかなあ?という気がします。うーん。
佐山道夫は、結局、何でこうね、若かりし頃の、いっちゃん最初の殺人?の、九州で、村岡トモ子を、殺したんだろうか?というのが、さっぱり意味がわかりませんでした。一体なにがあったん?という。そこがちょい、消化不良だったなあ。
あと、話の構成として面白いなあ、と思ったのは、犯人役の佐山道夫と、犯人を追いつめる役の桑山検事&桜井事務官が、最後まで、面識なかった、っていうね。これはなんというか、面白いすれ違いですよね。犯人と探偵が、顔合わせない設定。という。うーむ。斬新だ。
で、桑山&桜井組が、道夫に対して正義の鉄槌を下すか?というと、くださない。道夫は、結局、策士策に溺れる、っちゅーか、因果応報、っちゅーか、福地フジ子が「わたしだけ死にたくない!助けて道夫さん。ぐがぐがぐぐぐ」って、水の中で縋りついたから、道夫も道連れ溺れ死んじゃった、ってことですよね?正義が勝つ、というよりも天網恢恢疎にして漏らさず、という話?うーむ、、、なんだかなあ、という結末な気も、しますが、、、
テレビドラマ版でおもろいなあ、って思ったのは、
1986年度版では、小林稔侍が、黒原三郎役を、演じてるんですよね。あの、超脇役の。佐山道夫が、波多野雅子を殺害に行ったときの道中で、道夫が中華料理屋入るときに横着な運転したんで、おらぁ!!って怒鳴りかかったトラック運転手。
で、1995年版、2009年版では、小林稔侍ったら、それぞれ、桑山検事役になってるんですよ。おいおい、全然役どころ、ちゃうやん。なんで別の人を起用しなかったんよ、というツッコミがね、入る気がするんですが。ずっとテレビ版を追い続けたら、「おい!!役どころ!!変わりすぎやろ!!」ってズッコケるところちゃいますかね?
で、なんというか、結局のところ、この話が、何を言いたかったというと、、、「検事の仕事って、融通きかねえよなあ~」っていう、法曹界の問題点、日本裁判の問題点を、松本清張が、言いたかったんでは?という話かなあ、という感じでしたね。(当時の)現代日本の裁判のシステムに物申すぞ!という作品だった?という気がします。だって、桑山&桜井組が、「道夫が犯人やで!分かったで!岡野正一は濡れ衣だって!冤罪ですよコレは!!」って思っても、それを現実の裁判に反映させる方法がない!っていう話でしたし。
といいますか、桑山&桜井組も、本分の仕事も忙しいだろうに、よくもまあここまで、道夫の犯罪に興味持ったよね、凄いよね。という、そんな感想を持ったのでした。
あと、道夫は、なんでそんなに出世したかったんだろうなあ~。好きでもない女とセックスばっかりして。あんま、面白そうな人生ではないんではなかろうか?「ああ、あいつも殺さな。こいつも殺さな。俺、殺人が仕事なのか?俺の職業本分であるところの、かっちょ宜しいヘアスタイルを考える時間とか、あらしませんがな~全然ですがな~」みたいな人生でしたよね。
なんつーか、残念な人生だね、みたいな感じ、思いましたね。道夫が「俺はどうしても出世したいの!有名になりたいの!何故なら~だから!」っていうスゲエ納得できる思いやポリシーや已むに已まれぬ動機、みたいなんが感じられなくて、そこが残念でしたね。