あらすじ
ある昼下がりのこと、チョッキを着た白ウサギを追いかけて大きな穴にとびこむとそこには……。アリスがたどる奇妙で不思議な冒険の物語は、作者キャロルが幼い三姉妹と出かけたピクニックで、次女のアリス・リデルにせがまれて即興的に作ったお話でした。1865年にイギリスで刊行されてから、世界中で読まれた傑作ファンタジーを、金子國義のカラー挿画でお届けするオリジナル版。
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Posted by ブクログ
この本の感想を一言で言うなら、己の異物感。主人公アリスの目線で本を読み進めていくが、登場人物との会話が全然噛み合わない。というか、登場人物らの言っていることがよく分からない。共感できない。読んでいる途中から、共感の試みや理解することを放棄したほど。だから、自分って異物なんかなと感じた。
それでも歩みを進めないアリスは強いと思ったし、最後の裁判で声を上げるところも応援しながら読んでいた。
Posted by ブクログ
これも何度手放しても買ってしまう本。
他のアリスも読んではみるが、ピンとこない。
結局、自分の中では矢川澄子翻訳版が一番しっくりくる。
例えば
88-89ページ
'Would you tell me, please, which way I ought to go from here?'
「あのう、わたくし、ここからどの道を行けばいいか、教えていただきたいんですけど」
'That depends a good deal on where you want to get to,' said the Cat.
「そりゃ、あんたがどこへ行きたいかによるわな」とネコのこたえだ。
'I don't much care where—' said Alice.
「どこだっていいんですけど──」
'Then it doesn't matter which way you go,' said the Cat.
「そんなら、どの道だってかまわんだろ」
'—so long as I get SOMEWHERE,' Alice added as an explanation.
'Oh, you're sure to do that,' said the Cat, 'if you only walk long enough.'
「──どっかへ行きつけさえすればね」アリスがいいそえると、ネコはネコで、
「あ、そりゃ行きつけらあ。ちゃんと歩きつづけて行きさえすりゃあね」
こんな具合(と、アリスを読むと言いたくなる笑
少し気取った言い回しと、他の翻訳にはしっかりと全文についてくる「と、アリス」「とネコ」の部分が省略されているのも読み易い。
「らしさ」を求めると、この翻訳が一番自分好み。