【感想・ネタバレ】NHKが悩む日本語 放送現場でよくある ことばの疑問のレビュー

あらすじ

「赤ちゃんパンダは『1匹』ですか? 『1頭』ですか?」
全国の放送局から飛び込む相談を、ことばの専門家チームが(なるべく)一刀両断!
だれにでも伝わりやすい言い方がわかる

放送にまつわる調査研究機関であるNHK放送文化研究所。
その中の「用語班」という部署では、全国のNHK放送局からのことばの電話相談に答えている。

「100歳をこえて生きる、というときの漢字は『超える』ですか、『越える』ですか?」
「パンデミックのアクセントを教えてください」
「2023年の『幕開き』『幕開け』どちらでしょうか?」

ことばは時代とともに移り変わるものだから、正解・不正解をはっきり言い切ることはむずかしい。
それでも、放送が間近に迫った現場にできるだけ明快な回答を届けるため、
このことばの専門家チームは日々、知識や見識を持ち寄って激論を交わし、限られた時間で答えを出している。

本書ではその名回答を厳選して掲載。
大勢の人にいちばん伝わりやすい日本語がわかるとともに、放送現場の裏側にある、ことば選びの苦悩がしのばれる一冊。

・「数日」は何日ぐらい?
・川端康成に「さん」を付けるとなれなれしい?
・「落花生が“たわわに実る”」はおかしい?
・「牛たん」「牛舌」「牛タン」どの表記がベスト?
・70歳の人に「御年」を使うのは失礼か?
・「ご乗車できません」は敬語の誤用?
・「雨具を持って“いった”ほうがいいでしょう」と過去形で言うのはなぜ?

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Posted by ブクログ

放送の現場で行われている言葉を「正しく」使うためのやりとり。辞書に載っているから・ルールだからというような単純なものではないということがわかって興味深かった。
この本を読んでいて、自分が読み方や使い方を勘違いして覚えていた言葉に気付けた。

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2023年09月01日

Posted by ブクログ

一瞬、既視感があった。
迷いやすい表現をQ&A方式で解説する構成。
『問題な日本語』かな?

が、よく見ると、既視感は錯覚であったと気づく。

例えば、質問者がNHKの内部の人らしいこと。
つまり、「放送のことばとして使っていいのかいけないのか」をただす質問だということだ。
なので、本書では、伝統的な理解からの判断だけでなく、近年の動向を調べ、普及の度合い、定着度合いからの判断も示している。
あとは、アクセントの問題も扱っているのも、放送局ならでは。

取り上げられている問題も、考えてみたことがなかったことがいくつもある。
例えば、「爪痕を残す」は肯定的な文脈で使えるか。
のっけからこれである。
えっ? 肯定的な意味合いで使えるの?

「ギュータン」の表記は?
これも、一般人の日常生活で問題になることはない。
「牛タン」でも「牛たん」でもいいんじゃない、好みで使えば?なんて思う。
ところが、なんと放送では「牛タン」推奨らしい。
英語のtangueからきたためだそうだ。
言われてみれば…である。

「パンデミック」のアクセントは?
これもアナウンサーくらいしか気にしないのでは?と思われる。
五拍以上の外来語では、終わりから三拍めの後に音の下がり目があることが多い。
したがって「パンデミ↓ック」。
でも、原語のアクセントに近い「パンデ↓ミック」もありだそうだ。

てなことで、かつてはやった日本語ブームの本とは、少し切り口が違って面白かった。

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2023年10月08日

Posted by ブクログ

NHK放送文化研究所の方々が、言葉の使い方や表記、アクセントと行った言葉の悩みについて答えていくこの本。

放送現場での疑問なので、アクセントなど少し専門的な事項も多いですが、言葉の誤用やニュアンスの違いなど、私たち一般人にも役立つ話もたくさんありました。

様々な年代の人が見るものについては、意味の解釈が変わりかねないので、特に表記には注意を払わないといけませんね...。

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

世界でも珍しいらしい放送研究機関が、時代と共に変化していく言葉の数々について例を挙げ、どんな用途でどういう意図で使っているかを紹介している。

外来語をどう表現するか、アクセントはどこに持っていくか、モノの数え方の単位は、アルファベットと併記される数字は日本語読みか英語読みか、などなど、何気ない細かいところまで統一されているのが興味深い。さすが公共放送だ。

常にこの研究機関で、世の中での使われ方によって放送で使用する言葉を変えることも検討されている。「白羽の矢が立った」は元々は否定的な意味で使われていたというのは初めて知った。意味が違ってきても、世の大半が使うようになればそちらが正になる。言葉はやはり生き物だ。

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2024年11月23日

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