【感想・ネタバレ】教育勅語と御真影 近代天皇制と教育のレビュー

あらすじ

教育勅語・御真影から「日の丸・君が代」、元号法まで。明治維新から令和に至る、日本の近代教育と天皇制の関係性を考察する。
「御真影」を救うため火中に飛びこみ「殉職」した校長――単なる「紙切れ」は、いかにして「神聖」とされるに至ったのか? 「教育勅語」と「御真影」が当初の目的を逸脱し、「絶対視」されてゆく戦前の過程を丹念にたどる。また、敗戦によりいったん無効と公的に宣言された「教育勅語」が、にもかかわらず、既成事実の積み重ねにより復権を果たしてゆく戦後の過程も客観的に叙述する。教育への国家介入の危険性に警鐘を鳴らす力作。

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Posted by ブクログ

朝、校舎の廊下に掲げられた額縁の記憶は世代を越えて静かに語りかける。教育勅語と御真影――近代日本の教室に置かれた二つの象徴だ。1955年生まれの私は知らない、親世代のことではある。
 それを盲目的服従の装置として断じる前に制度が形づくられた過程を丁寧にたどる。
忠誠と徳目は国家統合の言語であると同時に日常の規範でもあった。
だが戦後象徴は解体され教育は価値の空白に立つ。国民にとって教育とは何か。答えは教壇の外にある。問いを立て続けることが大切であり次の時代の御真影となる。

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2025年12月28日

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