あらすじ
長きにわたって中国を近代化から取り残した悪しき精神主義。国際政治の舞台で非難される日本の自主性のなさ・馴れ合い主義。これらはいずれも儒教の「毒」がもたらしたものである。――偽善と権力欲が渦巻く儒教思想の形成のプロセスを客観的に検証しつつ、そこに潜む陥穽を暴くと共に、儒教が説く独善的徳を乗り越えて生きることを訴える。まったく新しい論語の読み方。
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Posted by ブクログ
寝る前のフォトリーディング。起床後の高速リーディング。
渡部昇一氏が解説を書いている。儒教がアジアを停滞させ、それを日本が、韓国中国などで破壊、またシンガポールではイギリスが破壊したので、それらの地域は発展し他。しかしまだその影響にある中国は発展が遅れている、っというコンセプトで書かれた本。著者は儒教の専門家らしい。でも138pにある前漢の時代の儒者が商人に税をかけようとした政治政策を止めたことで「優秀な経済政策にさえ儒者はご都合主義で止めさせる」というように儒教一般を攻撃する傾向に、読んでいて多少の疑問を感じた。つまり著者は何でも儒教のせいにする偏向があるのかも知れないと思わされた。(実際は儒者たちの出身背景が商家だったために、その財政政策に反対したのであって、儒教の問題ではなさそうだ。)
その点も考慮しても、儒教がいままで大いに害を蒔いたのは納得できた。
下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:
19:儒者の議論は勝つためには手段を選ばない議論。決して納得しない人たち。
78:儒者は乞食のように金持ちや実力者にたかり歩く。それを当たり前のように要求するのが儒教&儒教文化。
110:元の時代を構成の儒家は暗黒時代のように否定する。その理由は元が儒者を冷遇したため。しかしそれゆえ発展し、実際マルコポーロによるとものすごい活況を呈していた時代であった。
116-117:儒教文化は思想統制を当然とする文化。