あらすじ
世界的建築家の隈研吾、世界中に熱狂的なファンを持つ『AKIRA』の作者で漫画家の大友克洋、東京藝術大学学長で現代美術家の日比野克彦が、独自の視点で「東京の魅力」「偏愛すべき場所」について語る。インタビュアーは、柳瀬博一・東京工業大学教授。
「東京はいくつもの“こだわり”や“偏愛”が作り上げてきた都市」と語る編著者・滝久雄の論考や、2022年5月に開催されたシンポジウム「“偏愛”という視座で、東京の未来を探る。」の内容も収録。大友克洋が描いた装丁画にも注目の一冊!
「個人の感傷とは別に、都市はどんどん新陳代謝していく。それが東京」――隈研吾
「不思議な人がたくさんいる東京。それが面白くて仕方なかった」――大友克洋
「同じ志を持つ人たちがたくさんいるところに、東京を感じる」――日比野克彦
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Posted by ブクログ
<目次>
第1章 僕たちの「偏愛」する東京を語ろう=座談会
第2章 東京の魅力は、目立たないところに埋まっている=隈研吾の「偏愛東京」
第3章 東京なら、無名性の中で自由に生きていける=大友克洋の「偏愛東京」
第4章 八王子、澁谷、六本木、上野全部が面白い日々=日比野克彦の「偏愛東京」
第5章 僕たちの「偏愛」の源は、ステレオタイプとは違うところにあるみたいです。
第6章 「鉄道」「地形」「食」なしでは、東京は語れない~?滝久雄の「偏愛東京」
<内容>
ぐるなびなどの創業者、滝久雄による「東京偏愛論」。それを自ら語るのは薄く、知り合いである有名な人物、それもジャンルが違う三人に語ってもらう形を取ったので、ちょっと面白かった。ただ違うジャンルと言っても、いずれもアーティストだ。
Posted by ブクログ
隈研吾、大友克洋、日比野克彦による東京に出てきてどう活動範囲を広げてきたか、それが東京への愛着にどうつながっているかをアンソロジーとして綴った本。これを食べログ創設者の滝さんが企画しているという構成が面白い。
大倉山で生まれ、田園調布に通い、栄光学園・東京大学の経歴をつうじてエスタブリッシュメントに僻目をもつようになったという隈研吾、宮城県から出てきて吉祥寺に30年以上すみ東京の各地に自転車で訪問することでインスピレーションを得たという大友克洋。多摩美大から東京芸大にすすみ東京に出たことで初めてデザインセンスが向上したという日比野(のち芸大学長)。結局東京とは様々な人々がインタラクションをすることで、アジアでも特有の建物、文化がありそれに触れることで付加価値を生み出す場所ということなのであろう。丹下健三による代々木第一体育館の設計は橋梁設計を建物に初適用し、空を目指すデザインであったという隈大友の共通の着眼はなるほどと思わされた。