あらすじ
今と未来を生きる少年たちへ――。悲劇は終わったのではない。始まったのだ……!! 1986年4月、旧ソ連で勃発(ぼっぱつ)した人類史上最悪の大惨事"チェルノブイリ原発事故"。人びとの生活を豊かにするはずの発電所が、人びとの生命を奪ってゆく……。見えない放射能の恐怖に翻弄(ほんろう)される一家の運命を描く、社会派ドキュメントコミック!! 表題作のほか、日本の環境保護運動の先駆けとなった感動の実録ドキュメント「尾瀬に死す」もあわせて収録!!
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Posted by ブクログ
チェルノブイリ原発事故と尾瀬の自然保護の実話をマンガにしている。
この本はマンガで小さな子ども達にも社会問題を訴えるという書物がやるべきことをしっかりとやり遂げ、価値ある一冊と言うしかない。
何年経っても忘れる事のできない一冊。
Posted by ブクログ
この本にはもし日本で原発事故が起きるとしたらその原因は地震に因るもの、と書かれている。その後、現実に起こってしまった。電気がなければ不便だ…それはもう、現在を生きる人間なら誰でも空気の様に当たり前に思っている。睡眠障害を発症している一日中日光の入らない北側の自分の部屋で、私は自分の体に「今は昼間である」と言う事を覚えさせるために昼間でも電気を点けていないといけない。そしてなるべく寝る一時間以上前から除夜灯にし「寝る時間である」と自分の体を導入しなければならない。もし、昼間に電灯が点けられなかったら、私の症状は一向に改善しないだろう。電気代がもったいない、と昼間であるのに暗い部屋に籠っていた代償で、今があるのだから。
チェルノブイリの子供たちの死を前に、私の抱えるモノなど些細のない事だろう、安心安全な国で発症する様な贅沢病みたいなものだろう。だからこそ、原発以外でエネルギーを確保する道があるのであれば(天然ガスと書かれていた)そちらに移行してくれないだろうか。誰かの犠牲で成り立つような社会であってはならない。
心療内科に通う様になって、治療費が新たな出費に加わり、懐が寂しい中、近所の河原にウォークマン片手に30分ほどぼーっとするだけの時間を欲する自分に気付いた。その目の前にあったのは、自分の家の近くにある自然(とは言い難いが)の中の動植物の生きる姿だった。見上げると日々様変わりする空があり、音楽を聴きながらその人工物ではないものを見ているだけの時間に身を置くと、本当に「頭の中が空っぽ」になる感覚に連れて行って貰えた。
人工物の中にいれば「便利」ではあるが、目に映るだけの少しの自然がこんなにも貴重なものである事は知っている。躍起になって環境保護運動に身を投じようとは思わないが、自然を曲げて少しの便利を手に入れようとは思わない。