【感想・ネタバレ】答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのススメのレビュー

あらすじ

判断を迫られる数々の場面
会社・学校・家庭・地域社会...
早さ・効率だけでは解決しない!
「わからない」不安を受け容れ、正解がない問題に向き合うための処方箋


VUCAの時代にあって、より質の高い解決策を見出すために、あえていったん立ち止まり、物事の本質を見極めることの大切さ。ネガティブ・ケイパビリティの基本的なエッセンスの解説から、その高め方、具体的事例までをトータルでお話します。

【目次】
はじめに 答えを急いではいけない時がある
第1章 ネガティブ・ケイパビリティとはそもそも何なのか
第2章 「わからない」という不安を受け容れる~2つのキーワードから
第3章 判断を性急に下さない~ホールドとサスペンド~
第4章 ありたい自分に近づき、他人に寛容になり、物事の本質が見えるようになる
第5章 ネガティブ・ケイパビリティを高める方法
第6章 「何もしない」ことの大切さ~人を育てる
第7章 「わからない」と正しく向き合う~リーダーシップとチームや組織の中で
第8章 共有ビジョンと“結論を出さないルール”の「場」~地域ぐるみでネガティブ・ケイパビリティを発揮する
第9章 東洋思想の叡智とネガティブ・ケイパビリティ
おわりに 本当に大事なものを見落とさないために

【関連ワード】
ネガティブ・ケイパビリティ キーツ ビオン システム思考 VUCA リーダーシップ 組織 教育 東洋思想 レジリエンス シナリオプランニング

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Posted by ブクログ

大人になっていくにつれて、どうしても効率重視になってしまいそれが正しいと思ってしまっていた。
この本に出会わなかったら、ずっと自分の思い込みを自分にも他人にも押し付けていいように場をまとめようとしていたと思う。
新たな視点に気づかせてもらえたので、とても良いきっかけになった。

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2025年03月10日

Posted by ブクログ

ネガティブケイパビリティ=予想外のことを面白がる余裕というのが、この本を読んだ感想です。
それを思ったエピソードです。

【エピソード】
ある知人Aさんの還暦パーティのプロデュースを知人Bさんが実施していました。Aさんはパーティでやりたいことを次から次に話します。Bさんはそのアイディアをひとつずつアクションアイテムに落とし込み、スプレッドシートにto doで落とし込み、各方面との調整や指示を行います。Bさんがここで発揮しているのは、ある日に向けてプランを実現させるポジティブケイパビリティです。
パーティは大盛況のうちにフィナーレ。事前にAさんから、妻へプレゼントをサプライズで用意していることを告げられていたBさん。会場のレイアウト上、大きいと隠す場所も準備する必要があるので、プレゼントの内容を聴こうとするも、Aさんは大丈夫、大丈夫と軽くあしらう。
そのフィナーレで、Aさんは朝から腰につけていたポシェットの中から、ネックレスを取り出しました。常にAさんはポシェットをしているので、誰も気に留めていませんでした。
還暦に感謝を伝えるべく用意したネックレス。奥さんへの首へつけよう頭からかぶせますが、入らない。首の後ろの留め具を外すタイプ。しかし、老眼のAさんは留め具が見えない。Bさんは心の中で、「Aさん、きちんと練習しないからじゃん」とつぶやく。見かねた長男が、Aさんの代わりに留め具を外します。Aさんは首に着けようとしますが、老眼で留め具が見えない。結果、長男が母につけてあげ、母は長男が大好きだからすごく喜んだ。この光景を見て、Bさんはすごくいい光景だと心が温まり、本番中こらえていた涙が一挙に溢れた。会場も温かい雰囲気と笑いに包まれた。

ここで、Bさんは進行の都合上、Aさんの不手際に対し、怒っても良いし、代わりに私が付けますとしても良いのだが、そこを面白いものとして、何もせずに受け取った。このBさんの態度がネガティブケイパビリティだと思う。

【エピローグ】
一人称の体験を伝えようとしたとき、そのままでは伝わらないので、共通ののものに寄せて伝える。しかし、そうすることで、一般的な話に近くなり、熱が伝わりづらくなる。実は、内容は相手に伝わらないが、熱は伝わるような話が大切じゃないか。その話には、うんとしか言えない。しかし、そのうんと受け止めることが大切な気がする。それがネガティブケイパビリティの初め。

今だけで評価しない。
手袋をこがした。わかっていたけど、そのままにした。
=>先週は燃やしちゃった。
今だけで評価せず、過去からの変化や成長に目を向ける。
相手を信頼し、学びの機会を奪わない。

ネガティブケイパビリティ的な存在がチームに居ることで、
①別視点の意図的な獲得
②心理的安全性を担保したうえで、本音を言える場づくり
ができると思った。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

何かとすぐ唯一無二の正解を求めがちな今日この頃。答えを出して自分の手を離れたらあとは自分の責任ではないと思いたい気持ちから性急な動きになっているのではないかという問いかけがされているのではと感じた。すごく胸に刺さる問いかけ。思い当たることがありすぎる。
本文中に何度も出てくるネガティブケイパビリティ。ネガティブという単語から否定的なイメージがずっとあったので、そのイメージを抜きながら読み進めた。一度立ち止まって考えてみることの必要性、その場作りなどが記されていた。
要はバランスなので、素早く答えを出すべきところとじっくり考えるところの感覚を磨いていきたい。

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2023年07月18日

Posted by ブクログ

答えを急がずに深く洞察するという観点はこれまでになく新しい知識となった。一方逆の事を勧める考え方もあるわけでケースバイケースだと思った。
ただ、先入観や短絡的になっていないか?と自問自答できるようになった。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

【動機】タイトルに惹かれて

「とりあえずの『答え』」をすぐに出したい衝動があることに自覚的だったので、書店でみかけて興味をもった。

本書を読んで、あっさり「できました」というものと違い(この考え方は「ポジティブ・ケイパビリティ」的)、本書の内容を意識した上で、ちょっとずつ時間をかけて、醸成させていくと、ある日「以前より待てるようになった自分」に出会える、かも。

病気になったときに「患部はなおしました」という処置で終えてしまうのもポジティブ・ケイパビリティ的だろうか。

じっくり時間をかけて根本にせまる「ネガティブ」のアプローチも、両輪の片側として、バランスよく伸ばしていきたいところ。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

解決できない状況に耐える、事実や理由をすぐに求めない「しないでおく」能力。今の時代と真逆を行く発想だが、ネガティブケイパビリティを教えてくれる1冊。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

ネガティヴ・ケイパビリティとポジティブ・ケイパビリティの両軸を持つビジネスパーソンになる必要があることがわかった。どちらかだけが優れていることではなく、状況によりどちらの考え方を使うか・どちらの態度で行動/思考すべきかを適切に判断できるようになるべき。

日々の仕事の中ではどうしてもポジティブ・ケイパビリティのみが求められるなかでどうネガティヴ・ケイパビリティを伸ばしていくか、具体例もあり行動に落とし込みやすい印象だった。

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2025年02月23日

Posted by ブクログ

ネガティブケイパビリティが自分の具体的な行動などと簡単に結びつけることはできないが、こうした考えを持っておくことだけでも大切
良質な問い、聴くことをもっと大切にしていこう

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2024年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今までポジティブケイパビリティ全開で生きてきた中でネガティブケイパビリティが両輪の片割れだという話が斬新だった。合意する必要はなく、「受け容れる」という考えは、最近マイブームの共感と相まって実践に移していきたい。しかし直ぐに答えを出さずに留まるのはかなり勇気がいることで、なんにも拘らずそのままでいることができるのだろうか。フットサルでディフェンスしている時、どっちに行かれても対応できるような状態に近い?

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2024年10月17日

Posted by ブクログ

年末に友人たちと泊まりがけの忘年会に出かけました。温泉入って食事してコタツに入ってごろごろして、なんとなく今年面白かった本談義になった時に、たまたま読んでいた中公新書「ウクライナ動乱」の中で提示されていた「錯綜した亀裂」「オーバーラップした亀裂」の対比図が目鱗だったという話をしました。いくつかある亀裂がバラバラな時は大丈夫なんだけれど、その線が重なり合うといきなり戦争になる、という指摘です。それって「ネガティブ・ケイパビリティ」に通じるものがあると教えてもらったキーワードです。これほど正解の見えない時代に必要とされている能力のこと、とのこと。全く知りませんでした。で、この本です。いくつか薦められた本の中で一番易しそうなもの,読んでみました。本当に優しい語り口で語っているのでするする読めてしまいますが、そのテーマは深く、広く、重いです。しかし、この能力は、別の語り手を持ってして「聴く能力」とかあるいは「ケアの力」として語られていることとも重なると思います。とても気づきの多い本ですが…今、まさにウクライナのこととかガザのこととか思ってしまうと、ネガティブ・ケイパビリティではなく思考停止してしまう感じにも陥ってしまいます。まあ、急がず慌てず,同じ著者の「システム思考の上手な使い方」でも読んでみようなかな…

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

「答えを行動を急がされる」「分からないが言えない」学校で特に感じること。
子どもの「ネガティブ・ケイパビリティ」を奪っているのではないか。

私自身、特にこの2年、「聴く」ことができるようになりたいと思い、いろいろと考え動いてきた。
今感じているのは、「“ただ”一緒にいる」その重要さと難しさ。
今の私の中にあるものはなんだろう。
それをゆっくり見るために春から余白の時間を持ちたいんだな、私は。




・脳は不確実性を嫌うように進化してきたため、物事が予測・コントロールしにくくなると、私たちは私たちは強い脅威を感じる。脅威を感じると、脳は「闘うか、凍りつくか、逃げるか」というモードになり、モチベーションや集中力、敏捷性、協調性、自制心、目的意識、ワーキングメモリも低下する。
・意味がわからないと、わかりたいと思うのは心の根本的な傾向。
・ネガティブ・ケイパビリティとは、事実や理由をせっかちに求めず、不確実性や不思議さ、懐疑の中にいられる能力。
・何がわかり、何がわからないのかの区別がわからねばならない。本当にわかるためには、まず何がわからないかが見えて来なければならない。
・“新たな考えのためのスペースを残す”ために、自分が知っていることと、欲していることを忘れ、新しいパターンが展開するのを辛抱強く待て。
・不安や居心地の悪さかは、つい「逃げ出そう、散らそう」とする衝動が生まれるのは、実は自然なこと。その衝動を否定するのではなく、不安などをそのまま器に容れるようにして、不安や居心地の悪さを認めて同居する、一緒に居続ける。
・ある人の前提を「保留する」とは、「いわば、『自分の前に吊るし』、いつでも質問したり、観察できるように」しておくことだ。これは前提を捨てたり、抑圧したり、表現するのを避けたりという意味ではない。自分の前提を自覚し、検証するために掲げるという意味なのだ。これは自分の意見を弁護していたらできないことである。また自分の前提に気づかないうちは、あるいは自分の考えが議論の余地のない事実ではなく、前提にもとづいていることに気づかないうちは、やはりできるものではない。
・素直な心とは、自分の利害や感情、知識や先入観などにとらわれずに、物事をありのままに見ようとする心である。
・方向性を全部捨てた集中力、何もしないことに全力を傾注する、なんにもこだわらない状態、無為。
・何もしないこと、ボーッとしていることは、実はすごくエネルギーがいること。

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2023年12月22日

Posted by ブクログ

ネガティブケイパビリティを見出したキーツやビオンの生涯を丁寧に記述していた箒木さんの本に対して枝廣さんのこちらの本はより実践的。個人あるいは組織としてネガティブケイパビリティ的な態度を育ててたり鍛えたりしたいと考えている方にはこちらの方がわかりやすく、使いやすいかと。安易にわかりやすさに飛びつくことを諫める態度であるネガティブケイパビリティを解説する本もわかりやすさだけで選ばれるとしたら皮肉なことですが、この本は立ち止まって考えること

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

本書の読者は、読後に感想を書くことを躊躇うかもしれない。とりあえずはネガティブケイパビリティとは不確実な状況で、判断を保留し、オープンでいる状態を継続する力と認識し、今後ふとした時にネガティブケイパビリティを思い出してみたいと思う。個人的には「育てる」ではなく「育つ」のを待つ感覚という例が腹落ちした。「全力を傾注した、何もしないこと」と表現された「無為」に関してユングが歩けるようになった孫の後をつかず離れず倒れたらすぐに起こせるよう、全神経を孫の後ろに集めて一緒に歩く中で理解できるようになったというエピソードにも象徴されているように感じた。

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2023年04月09日

Posted by ブクログ

すぐには答えが出ないことってたくさんあって、でもどうしても時間がかかること、はっきりしないことは避けられがち。そこにネガティブ・ケイパビリティという言葉、スキルというラベルがつけられることによってコスパ、タイパを意識せざるを得ない今の時代に釘を刺してくれているような、そんな考え方だなと思う。

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2023年03月26日

Posted by ブクログ

素早く問題を処理することが求められ、賞賛される現代において、あえて「不確実な状態に耐え、素早く問題を処理しない」必要性を説く本。
個人的には、とても学びの多い本だった。

冒頭の説明だけだと時代に逆行した内容のように思われるが、著者は素早く解くべき問題とそうでない問題を峻別し、前者に対しては問題解決力(=ポジティブ・ケイパビリティ)、後者に対しては不確実性に耐える能力(=ネガティブ・ケイパビリティ)を発揮すべきと主張する。

不確実な状態に置かれると強い不安に襲われ、逃げてしまう自分にとっては、色々と学びの多い内容だった。

正直、ネガティブ・ケイパビリティをどのように鍛える具体的な方法については、本書を読んでも「これだ」というものを見つけられてはいない。
それでも、ネガティブ・ケイパビリティという概念を知れたことだけでもかなりの収穫があった。

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2023年03月25日

Posted by ブクログ

周囲の人の話を聞かず、自分の浅くて狭い経験から物事を断定的に判断する自分の癖を批判されることがあり、このあたりの本を読んでみた。

ネガティブ・ケイパビリティとは、
・すぐに結論を出したり、判断を下したり、わからないとイライラしたり、決めつけたり、諦めたり、逃げたり、思考停止したり、というようなことをしないでおく能力。
・曖昧さやパラドックスと共存しそれを許容する能力。
・不確実で曖昧な状態のなかに留まる能力。
・知的寛容さ。
・その都度、相手や状況によって揺れ動き、不安定で、再現性も予測可能性もない状況の中に居続ける能力。

・わからなさや不安を器に容れて受けとめる
・場をホールドする
・自分の意見を保留して相手の意見を聴くことは相手の意見に同意することとは違う
というのは、なるほどと納得はした。

精神分析、組織経営論、東洋哲学の観点からネガティブ・ケイパビリティを身に着ける方法が割と具体的に書かれていて、できるできないは別として、勉強になる。

即座に反応することに抵抗する
今この瞬間の自分の思考、感情、身体の反応を観察し始める
変化に対して「素直な心」で柔軟に順応する

そうは言っても決断は必要でしょう?に対しては「タイレノール危機」が例になるわけだけど。

唐の諫議大夫や黒田長政の腹立てずの異見会の例からは、自分の判断が絶対唯一の正解と思い込まない・自分以外の誰かから見たその他の可能性も知っておくために、人の話を聞けるようになる必要がある、と理解した。

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2025年03月23日

Posted by ブクログ

本書の提唱する「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、何かを「しないでおく」能力だという(p28)。

逆に言えば、何かを「即解決」できそうな時代に合って、そんな時代だから苦しむ人々にとって、目からうろこの逆転の発想といえる。

ただしこれは「諦める」「現実甘受」「思考停止」ではない。(p32)

観察、傾聴、辛抱。まさにAIにはできない、人間と人間(複数の)にしかできないことだ。ポストモダンの動物化に抗する一つのヒントになりうる。本書の指摘は、きっとどこかで「ケアの倫理」につながっている。そんな気がする。

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2024年10月07日

Posted by ブクログ

日立出張帰りに偶然出会った本。

・無知の技法に、キーワードとしてあったような、、、というきっかけで気になっていたので購入。

・あんまり論理的ではなく、納得感が薄い。

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2023年03月05日

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