【感想・ネタバレ】彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったかのレビュー

あらすじ

山を駆けた女性たちの軌跡をたどり、平成の30年間を振り返る貴重な記録。

平成の30年間(1989-2019)、登山の世界で女性がどのように活躍してきたか。
代表的な人物へのインタビューを中心に、平成の登山史を振り返る。
それぞれの人生に山がもたらしたものとは何か。

『山と溪谷』2020年4月号から12月号まで連載した内容に、再取材のうえ、大幅に加筆・修正して単行本化。

■内容
1章 平成を登った5人の女性たち
山野井妙子、田部井淳子、谷口けい、野口啓代、遠藤由加

2章 テーマで見る女性登山者
山ガール、山小屋の女性たち、山岳ガイド、大学山岳部、スポーツクライミング、アルパインクライミング

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Posted by ブクログ

NHKでも取り上げられていた谷口けいさんの名前や淳子のてっぺんでの主人公の方々の業績が知れて、そして人生を生き抜いてきたんだなぁと感動あふれる内容。死と隣り合わせで引き返すことが困難なのと悪天候に諦めて帰らないといけないという自然は自分の思い通りにいかないという柔軟な思考がないといけないから自分には出来ない考え方を教えてくれるのでこういう本を読み漁りたいと思うのかも知れない。

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2025年01月03日

Posted by ブクログ

 この本の著者は、大学山岳部の後輩である。ぼくの時期はほとんど大学山岳部ではなく自分たちで作った山の愛好会だったのだが、山岳部を継ぐ部員の激減による存亡の危機に晒されたため、メンバーの多いぼくらの山の会は山岳部に移籍合流した。著者の柏は、ぼくの卒業次年度に山岳部に純然と入部してきた生粋のクライマーである。

 在学時期は重なっていなかったが、山の繋がりは一生である。人生の折々に会ったり話したりの付かず離れずの関係が他のどのメンバーとも続くので死ぬまで終わることはないのだと思う。ぼくが4年前に病気になって死にそうになった(と思わされた)とき、病室(それも無菌室)に柏澄子は、スキーとリュックを抱えて見舞いにやって来てくれた。

 一月、毎年のようにクロカンや層雲峡のアイスクライミングを楽しみにやってくる時期ということで、その帰りに柏は時間を作ってくれたのだ。山の血湧き胸躍る冒険のドキュメント『冒険の蟲たち』を土産に持ってきてくれた。ぼくは柏の書いた『山の突然死』を用意しており、サインを乞うたのだが、サイン経験がないという彼女は楷書体で時間をかけて名前を書いてくれた。無理を強いて悪かったかなと苦笑しつつ、心より彼女の誠実がこもった不器用なサインに後でそっと手を合わせたものだ。

 その柏澄子が、自分の人生の集大成を思わせる本書、山を恋う心とそれらを手に山へ向かっていった多くの山女たちの生き様への想いを込めて、本書を世に送り出した。有名無名な幾人もの山女たちの人生を各章毎に追いかけた本書は、自分という鏡と合わせて、ぼくらの心に印象的な映像を思い切り投影してくれる少しばかり不穏な本である。

 おそらくは著者は、書くことよりも遥かに多くの時間を、実在の女性クライマーたちとの触れ合いの中で費やしてきたことだろう。多くの個性的な山女たちと、自分も同じように山に人生を賭けた女性として、心を通わせ、語り合い、濃密に過ごしたことだろう。本を書く以前からの山での知人として関わってきた女性も多く、彼女らは柏澄子が共に生きた仲間としても、読者の前に今もきらきらと登場する。それらの時間を濃密な文章に込めて、それぞれに個性溢れる女性たちの生を、時には死を、改めて語ることで柏は、自分の山女としての人生を見つめ返したことだろう。そしてこれからも辿るであろういくつもの山への想いを噛み締めているのだろう。

 山も、他の多くのスポーツ同様、人生に絡み合う。もしや他のスポーツ以上に、人生を決定してしまう何ものかですらあるかもしれない。本書の秀でているところは、山に関わる者たちの共通項のように見える過剰とも言える強い想念を、より女性らしいリアリズムの光で照らし出したことだろう。女性にしかわからない生理、結婚、出産、あるいは社会的・無意識的な性差別、等々。女性の聴き手と語り手によらなければ引き出し得ない現実を、山と人生という括りの中で言葉として引き出し得たポイントが様々なページの中に顕著に見られるのが本書の秀逸なところである。

 まだ片足しか山にかけていないという初心者の方も、クライムに日々人生を傾倒するベテランの方も、追憶の中の山行を時々蘇らせる老年の方も、毎日のように低山をいくつもハントし続ける健康で元気な中高年の方も、特に女性であればなおのこと、本書は楽しく読めることと思う。しかし、男性にとっても気づかされることは少なくない。女性部員の多かった学生時代、今も女性の多い地元の山岳会等々、思い当たることの多くが、この本の中でぼく自身の現在を刺激してくる。

 山に登る人はもちろん、これから山を始めるきっかけにしようとする人、昔は山に良く登っていたけれども今はあまり登らないという人、少しでも山への想いがこころの片隅にある方であればどなたにもオススメの、山と人生の休憩地で手に掬った湧き水の如く心身に沁みわたる一冊である。

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2023年04月04日

Posted by ブクログ

女性登山家にフォーカスした1冊。

日本の登山家ってピオレドール(登山界のアカデミー賞)とか取ってて、実は結構すごい方多いんですよね。
クライミングに関してはオリンピックでもメダル取るし、世界大会優勝常連だし。

男子もたくさん成績残してるけど、女性もこれだけ活躍してるのは、
登山というスポーツが、他のスポーツに比べたら相手が自然であり、男女の差よりも、自然界の変化の方が絶対的だからかと。

とはいえ、もちろん体力的にもパワー的にも男性の方が有利だから、ここに出てくる記録もほとんどが、男性の方と組んだ山行ばかりなんだけども。

男とか女とか正直、私はどうでもいいんだけど、男女ペアで一緒に行くと、どうせ男子が女子を連れて行ってあげたんでしょ。という視線が少なからずあるのは、残念ではある。

まぁ事実、男女ペアなら、男子の方がラッセル捗るし、壁だって背が高い方が基本的には優位だし、戦略として男子が先頭を行くことが多いのは間違いないと思うけど。私個人でもそのケースまぁまぁあるし。


というのは置いといて、本編。

前半では時代を代表する5名が登場。

女性アルパインクライマーといえば!ご夫婦で大活躍の山野井妙子さん。著者はかなり距離が近い方らしく、1番素が伝わってくる方でした。

エベレスト女性初登頂の田部井 淳子さん。女性の、が1番まとわりついたであろう方。女性の、に1番こだわっていたという印象もある。

1番身近に感じた、谷口けいさん。谷口さんは「太陽のかけら」も読んでいたので、この中では1番知っている人でした。改めてお会いしてみたかったなぁ。と思ってしまった。

スポーツクライミング界の女王、野口啓代さん。私と4つしか歳変わんないのですね。。人工的な壁に向かってよく毎日努力できるなぁと関心してしまった。「クライミングは登ることで成長が実感できる」というのは、ほんと、クライミングのいいところだから大共感。その分登れない時が辛いのだけど。

そしてラストは、遠藤 由加さん。完全にフリークライマーの印象だったんですけど、元はアルパインの人だったんですね。これだけやること変えられる人も珍しいよな。この歳から岩打ち込んでも、こんなに登れるなんて、ほんとすごい。


この読み応えある5名の後に、
山ガールや、山小屋で働く女性、女性山岳ガイドなどにもフォーカスが当たっていて、山で強く生きる女性の、生活や工夫がたくさんおりこまれてました。

パーティー内で荷物の重さを本当にフェアにした時に、それは本当に本当にフェアか?と、めちゃくちゃ思う山岳部の話。
50kgの女性が背負う30kgと、70kgの男性が背負う30kgは同じ30kgでも、それは、違うでしょ? 本当にフェアになる計算式作ってみようか・・?

幸い、自分の周りは頭いい人ばかりなので、パーティーが最も速く進める荷物バランスになることが多いのだけど。

そして知らなかったんですが、女性だけの山岳会なんてものもあったのですね。


そして最後に。

谷口けいさん以降、女性でヒマラヤをバリバリやるような女性クライマーっていないんですよねぇ。ヒマラヤに行く人は知り合いにもいるけど、なかなかここまでがっつり登って記録を残せる人って、ほんとに少数で、多分、強いだけでもだめで、運とか情熱とかそういうものをたっくさん持ってないと、達成できないのだな。と改めて思いました。

ヒマラヤ周辺の入山条件とかが変わってるのも、少しは影響してるとは思うけども。

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

前半は著名な女性登山家、クライマー5人を取り上げて、あとは山ガールとか山小屋の女主人とかの流行やそれを作り出した人について書かれた本。
山と渓谷社の本で、いわゆる意欲的なテーマなのかなー。

前から気になってた本だけど、
先日の平出さん、中島さんの事故の後の
このタイミングだから谷口けいさんに関する著述のあるこの本を手に取ったのかも。
谷口さんは、以前平出さんとパートナーを組んで
カメット南東壁を初登攀し、ピオレドール賞を受賞した人。
その後、惜しくも北海道で滑落死された事は知っていたけど、人となりを知ることが出来たのは、この本のお蔭かな。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

山野井妙子さんの凄さを、知ることができた。
山野井泰史さんに関する本を少し読み、奥さんである妙子さんに焦点をあてた本を探していて見つけた。
今まで読んだ本とは視点が違い、面白かった。

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2024年04月11日

Posted by ブクログ

想像と違って、紹介文みたいな感じ。奥深くまで入り込んで究明する感じではなく。

でも読んでいて、沢登りと岩登りの楽しみ、恐怖感と危険を感じ克服したときの気持ちや、直前までの限界を乗り越えた、あの達成感を思い出した。

春になったら、沢登りに向け鍛え直そう。

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

私が居たのは、大量の遭難者を出した為、山岳部からワンゲルに変貌した部だであった。ここに書かれている内容との相違点は、女子の荷を軽くしていた事。キャンプ地では、テントを建て夕食を作る迄を男子がしていた事。配膳時から女子は、元気を取り戻すという具合だったからだ。体力的には、どうしようもない。

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2023年04月19日

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