【感想・ネタバレ】モンスター・パニック!のレビュー

あらすじ

『WORLD WAR Z』で世界のホラー・ファンを唸らせた才人ブルックスの新作モンスター・スリラー 映画製作進行中!

作家マックス・ブルックスのもとに届いた手記。それはレーニア山噴火後、廃墟となって発見されたエココミュニティの住人が残したものだった。未だ原因が明かされていない集落全滅の真相とは?

武器も食糧もないひとびと。地面に刻まれた人間そっくりの巨大な足跡。闇にひびく咆哮。森の中に散乱した動物の死骸。そして牙を剥いて襲い来る凶暴な群れ。傷だらけになった人間たちの反撃、果たして成るか? 偽ドキュメンタリー形式の衝撃作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
著者の『World War Z』も面白かったがこちらも面白かった。主人公設定としては一人だが、いろいろな媒体から取り寄せて実像を浮かばせるやり方はここでもあった。

サバイバルモノとしては変化球であり、現代的。ネットインフラが遮断し、食料に心許なさを覚えるが、電気や水の心配がひとまずないのが面白い。
また、集まったコミュニティのキャラが風刺的。悪く言えば意識高い系。だからこそ、発案者が崩れるのが象徴的。

主人公のケイトの性格はわからないが、空気が読めて理論的で穏やかな人なんだろうなとうかがえる。ニュートラル。
ダンの変化もトニーやイヴェットの変化も面白い。
哲学者のラインハートは、家庭というか、過去、父親に追随し、手は動かさないが口は出しするキャラとして妹目線で描かれているのが良かった。

あと驚いたのは、ケイトの兄貴がゲイだったこと。さらりと出てくるのが良かった。

モスターは最初名前に慣れなくて、え?モンスター?と誤読したけど、これわざとなのか。街の名前からとったらしいが。念のために備えて行動出来てて良かったし、だからこそ、ケイトの闘争心に火を付けてて良かった。

あんまギスギスしなかったな。リアル。みんなインテリだから、見たいものを見ようとするが、仲間割れを望んでいるわけじゃないというのが良かった。
まあ、なんか、動物を傷つけるなんて!とか、共存や友好関係を夢見てるところは先進国諸国と独裁者国家とのやりとりみたいで面白かった。

タイトルは退化。確かに。文明を捨てて、狩りに行くわけだから。皮肉のきいたタイトルで面白い。

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2023年06月27日

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