あらすじ
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物理学の教育・学びの双方に役立つ21世紀の新たなガイドとなることを目指し、多様化する“大学の講義と学生のニーズ”に応えるものとして刊行された、『物理学レクチャーコース』の一冊である。
本シリーズでは、講義する先生の目線で内容を吟味する編集委員に加え、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケーターの須貝駿貴さんと予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」講師のヨビノリたくみさんに編集サポーターとして加わっていただき、学習する読者の目線で、テキストの内容がよりわかりやすく、より魅力的なものになるように内容を吟味していただいたことも、大きな特徴の一つとなっている。
「惑星の運動(地上に落ちてこない星々)」と「地上での様々な物体の運動(地上に落下する諸物体)」とが矛盾しない「天と地の統一理論」の構築に成功した、人類史上最高傑作の1つといえる、この知的創造物こそが「力学」であり、力学は、物理学の中で最初に完成した理論体系である。
本書は、物理学科向け通年タイプの「力学」の講義に対応したもので、取り扱った内容は、ところどころ発展的な内容も含んではいるが、大学で学ぶ力学の標準的な内容となっている。したがって、本文中に登場する数式を1つ1つ丁寧に追いかけ、Exercise・Training、さらにはPracticeを活用しながら本書で力学を学び終えれば、「大学レベルの力学は身に付けた」と自信をもてる内容となっている。
さぁ、紙と鉛筆を持って、力学の冒険に出かけよう!
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Posted by ブクログ
大学1年生くらいで学ぶ力学を勉強するために購入しました。帯の印象もありシンプルで易しいタイプの教科書なのかなと思いきや、意外にアドバンストな内容や重い内容への言及も多く骨太な入門書でした。大学1年生が自力で読み進められる本の中では、比較的気合が必要なタイプではあります。
本書の良い点は、いつも考えているモデルの記述が丁寧で、議論の始点と終点が明快に示されている点です。一般に力学の教科書は1冊目の大学の教科書として選ばれるため、本感想執筆者は用語やロジックや方法論の説明が明瞭であればあるだけよいと考えています。本書はその点で全く抜かりがなく、入門書として完璧な内容を備えていて好ましいと感じました。章末問題が豊富である点もよい本です。
ただ本書にも気になる点がないわけではなく、少しだけ書いておきます。物理学に必要な数学の説明に関し、本書は必要最小限の記載になっています。特に常微分方程式の解とベクトル解析に関してはもう少し説明があってもよかろうとは感じました。また、章末問題(Practice)ほどではない練習問題(Training)がもう少し細かくあると嬉しいかなとも思いました。