あらすじ
50歳で初めてスキンケアにチャレンジした著書が、美容の沼にハマるうちに新しい自分と出会っていき……。笑いと感動の美容奮闘記!
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Posted by ブクログ
美容本だけあって、類書によく見られるような、「著者のスキンケアの方法」や、「ふだん使っているスキンケア製品」といった、いわば「ハウツー」に当たるトピックもそれなりに書かれているのですが、本書のほんとうの見所は、予備知識ゼロの状態の著者が美容の世界に分け入り、その魅力にどんどんはまっていく一部始終を、著者といっしょになって体験できるところにあると思います。
その探究の遍歴は、本書の目次に配された「ドラッグストアを探検だ」「初めてのデパコス」をはじめとする魅力的な見出し(=50代男性がデパートのコスメ売り場をひとりで訪ねるなんて、どれだけ勇気がいることでしょう!)を一読するだけでも窺い知ることができますが、一冊を通して読んでわたしが個人的に面白いなと感じたのは、それまでスキンケアとは無縁に生きてきた、美容業界からすればアウトサイダーとも言える著者が筆を執ることによって生じる、他の美容本には見られない、独特でユーモラスな視点です。
たとえば、スキンケアをよく知らない読者に「化粧水とはなにか」を解説する文章は、以下のような調子になっています。
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「化粧水 ネーミングはわかりにくいが、保湿用の液体である。なぜ「化粧水」という名称で呼ばれるのかは不明。スキンケアをよく知らない男性だと「俺は化粧をしないから、化粧水はいらない」と考えている場合があるが、化粧(メイク)と化粧水にはほぼ関係がないので、その点は気にせずに使ってよい。」(p.47)
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この部分を読んで、わたしは忍び笑いが止まりませんでした。
まず、化粧水を「保湿用の液体である」と言い切る、その淡白な口調の選択が面白い。たしかに、化粧水には魅力的な「有効成分」がいくつも含まれていて、それがわたしたちにさまざまな「美肌の夢」を見させてくれるわけですが、スキンケアをよく知らない人にその機能の本質を煎じ詰めて伝えようとすると、「保湿用の液体」になってしまう。「化粧水」という言葉がもつ華やかなイメージと、その簡素な説明とのギャップにやられました。
そして何より秀逸なのが、「ネーミングはわかりにくいが」という書き出し部分。
化粧(メイク)とほぼ関係ないはずの「保湿用の液体」が、なぜ「化粧水」と呼ばれるのか……。たしかにわかりにくい!
わたしはこの解説に何度も笑わされたのですが、著者のある種おどけた言い回しの裏側には、「スキンケアをよく知らない男性」が最初に抱えるであろう戸惑いに対する、著者からの共感と思いやりがあふれているように思います。
わたしも今となっては「保湿用の液体」を常用するようになりましたが、生まれて初めてドラッグストアのスキンケアコーナーに足を運んだときには、なんともいえない無力感を抱かされたことをよく覚えています。
陳列棚に所狭しと並ぶ化粧水・乳液・美容液の数々。どれも似たりよったりに見えて、どうも何かが違うらしい。けれど、結局どれを購入すればよいのかわからない。そして、わからないがゆえに、何も買わずに(買えずに)店をあとにする……。こんなことがたびたびありました。
当時は「簡単な『買い物』すらできないなんて……」とすっかり気を落としたものですが、そうさせたほんとうの原因は、スキンケア用品の「ネーミングのわかりにくさ」にあったのかもしれません。ドラッグストアの帰り道に感じた、だれに訴えるともない「やりきれなさ」がゆっくりと癒やされていくような気がして、この一節をきっかけに、著者のことが一気に好きになってしまいました。
ふだんは映画や文学の批評を生業にしている著者らしく、全編を通じてみずみずしい筆致でスキンケアへの傾倒ぶりが描かれていて、とにかく「読ませる」作品です。
これからスキンケアを始めたい人にとっては簡単な手引書の役割を果たすでしょうし、すでにスキンケアが日常の一部に溶け込んでいる人にとっても、スキンケアの新鮮な喜びに立ち返るきっかけをくれる、優れたエッセイだと思います。ぜひご一読ください。
Posted by ブクログ
新しい世界の扉を開けたときのワクワク感が伝わってきて、とても楽しかった!
美容液が、「スキンケアの娯楽性、エンターテイメントの部分を担う」というフレーズに、確かに…!となった。伊藤さんの文化系ならではの例え話もおもしろい。
伊藤さんの周りの方たちもとても素敵。人の「やりたい」とか興味をただ受け入れること。すぐに茶化したり揶揄ったりしてしまうけど、本当に「毒」だ。
男性の良くない同調圧力…。なぜ全員で地獄に進もうとするのか。人生をもっと楽しく自由に生きるヒントをもらえた。
Posted by ブクログ
一応面白く読んだのだが、進むにつれ、その無邪気な姿勢にイライラしてしまった。化粧品メーカーやBA、美容家に対して、相手が言っていることを何も疑わず、100%信じてそれを鵜呑みにしているような書き方にはちょっとどうなの、と思ってしまった。
私はそこまでメーカーやBAや美容家を信用できないや。
この人にはスキンケアが性に合ってたのだろうし、アンミカがスキンケアはやればやるだけ結果が伴うとか言ってたけど、絶対に人それぞれで全員が全員こんなにポジティブな結果にならないと思うの。
だってシミもシワもスキンケアでは消えたりしないし。
まぁ、男性のセルフケアの一例としては面白く読めるものだと思う。
私はなんでこんなにイライラしてしまったのか、ちょっと自分の中にあまりよくない気持ちがあるんだなと気づくことができたね。
Posted by ブクログ
女性だけど避けてきた自覚がある、スキンケアやメイク。。スキンケアをゼロから学びながら楽しむ著者の姿にとても刺激を受けました。
聞いたことある高級ブランドの化粧品って、読書でいうところの、タイトルだけ知ってるけど読んだことはない名著みたいな存在かも。勇気を出して、色々試してみて、体験してみて、楽しんでみるのもアリだな!と思いました。
Posted by ブクログ
自分のためにスキンケアをすることを楽しみながら、無理なく続けていきたいと思った。昨日の自分より少しよくなれるから。少しでもきれいになれば、日々の満足感は増えるし、気分よく過ごせると思う。
不調をほっとくのは自由だが、自分をいたわってスキンケアしてみたらこんな変化があったよという本。
化粧水、乳液など普段何気なく使っているアイテムの役割を再確認できて良かった。
Posted by ブクログ
タイトルが面白い。
男性にむけてスキンケアや美容のことを語る。
具体的な商品名がでていたり、美容への心持ちなど、興味深かった。
作者が本当に楽しそう。自分ももうちょっと関心もってみようかな。
Posted by ブクログ
自分の思うことが言語化されているし、面白いし、何度も強く頷いてしまう一冊だった。
中年男性がスキンケアを始めて、何が変わったのか、何をえられたのか、スキンケアとは何かのかを語り、かつスキンケアへの愛も語っている。キラキラした化粧品たちへの憧れはわかる~と読みながら唸ったし、スキンケアはエフェクターと同じようの考えられる点については目から鱗であり、女性の苦労や悩みなどを知るきっかけにもなる部分もあるよなと改めて感じた。
自分も本格的にスキンケアを始めてからまだ日が浅い。これからも楽しんで、そして健康と綺麗な肌を自分のために維持する努力を怠りないようにしようと読みながら思う。世の男性方、楽しいぞ、この世界は。
Posted by ブクログ
・面白かった。
・女性達の、いつも持っているあのポーチへの憧れを語る所に凄くグッときた。そうなんです。僕も彼女達の語るスキンケアやメイクの語り口に憧れを抱いていました。めっちゃ楽しそう。
・著者の方への共感も相まって、自分も同じ「スキンケア」への冒険をしている気持ちになった。追体験させてもらった。(何かやらせてばっかりで申し訳ない気持ちにもなった)
・後半に出てくる女性達の「色への解像度」の話も、そう!と声が出た。
Posted by ブクログ
男性美容とスキンケアの世界への入門書としてだけでなく、筆者・伊藤聡さんの未知なる世界へのフロンティア精神と探究心が大変素晴らしく、刺激されるものが大いにあった。まずはドラッグストアで普段通らない順路を通ってみようと思います。
Posted by ブクログ
化粧品のことを全く知らない人がかいた化粧品の本。わかりやすい。例えか秀逸。
当たり前にみていたがこんなに複雑だったのか。化粧品初心者にはいいかも。
Posted by ブクログ
絵がいいんですよw
知らないことが多くて楽しい。
男性向けの本かなと思ったけど、女性でも参考になる。
自分を丁寧に扱う、忘れがちだけど大切なことだと感じた。
Posted by ブクログ
タイトルと表紙に惹かれて読んだ。
コロナによって在宅ワークを余儀された著者が顔の衰えに気づきスキンケアに目覚めるお話。
ドラッグストアでも化粧品売り場にいるのも最初は恥ずかしがっていた著者がデパコスまで出を出すほどになっていく様子が面白い
スキンケアをすることが健康への意識も働くということに気づく