あらすじ
中央と地方、格差社会、転落する男と女――時代を超えて清張ミステリは読み継がれる。昭和文化や都市論、映画に造詣の深い評論家が、「東京」「昭和」「映画と小説」「旅」など、さまざまな切り口から不世出の作家の魅力に迫る。これまでに書かれた清張にまつわる文章に書き下ろしを加えた決定版・松本清張ガイド。
「一億総中産階級と言われた一九八〇年代のバブル経済期に誰が、その先に格差社会が来ると想像しただろう。しかし、いま、松本清張の初期の作品を読むと、日本の社会は、いまもむかしもそれほど変わっていないのではないかと思ってしまう」(本書より)
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Posted by ブクログ
時々無闇と松本清張が読みたくなるのはなぜなんだろうか。多作なので、中には結構トホホな物もあったり、小道具が古くなっているのはどうしようもないのだけれど、それらを差し引いても余りある、何か人の変わらない部分を差し貫いているのだろう。
いろいろ読み返したくなり、もう家にはないかなあと思いながらも探したらあったあった。宮部みゆきが「名作中の名作。これを読まずしてミステリを語るまじ」とまで言う『一年半待て』も再読してみた。唸った。