あらすじ
くだらないを壊せ。美しく生きろ。現代を生き抜く至言満載!!
妥協なき創作活動で支持されるミュージシャン・大森靖子が、生死、社会、芸術、偏愛まで、余すことなく書きつけた完全書き下ろしによる初単著にして、超本音エッセイ集。
「音楽だかドラマだか雑誌だかの決めつけた幸せの奴隷になるな。時代は毎秒、一瞬一瞬変わっていくんだ。『乗り遅れるな』のスピード感ではもう遅い。もうそういったものを先導していくメディアの仕掛けは届かなくなりつつある。何が新しいか、何が正しいかは、個人が探して捉えて発信しているのだ」(本書より)
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
感情タグBEST3
人生の中で何度も読み返したくなる本でした。社会の奴隷になりそうな時、自分のなりたい自分じゃない時に読んで自分を奮い立たせようと思います。
Posted by ブクログ
大森靖子ちゃんの文章好きだなぁ。
自分の気持ちの言語化が上手。
みんな一読して損はないと思う。(一部壮絶な過去が含まれてるのに注意だけど)
全然自分とは似てないけど応援したくなるような。
ただ個人的には近くにいたら感情の起伏が外にまで出過ぎていてあまり関わらないタイプかもしれない…
アーティストとして活躍しているのを見聞きしたりライブに参戦して応援するのがちょうど良い距離感の人。
なるほど、そんな考え方があるのか、と思って読みながらメモしたフレーズを貼ってみる。
"でもライブをちゃんとフィジカルで成り立たせるホンモノが技術を習得していくほうがまだ簡単で、いくら技術を持っていてもそこからホンモノになろうってほうが難しいよ。見たことないもん。芯にトイレットペーパー巻くのは簡単だけど、トイレットペーパークルクルしたやつに芯入れるのムズくね?"
"ばいきんまんみたいに強くなりたいな。負けても負けても何回吹っ飛ばされてもめげずにメカをつくってつくるたびぶっ壊されて、分身できる機械とかどこでも潜れる乗り物とか、アンパンマンをやっつけるために生きてたら結果的にすごい乗り物つくっちゃいましたーみたいなの最高なんだよな。でも壊されて、またつくって。好きな女(ドキンちゃん)には別の好きな男(しょくぱんまん)がいるのに、ほしいものぜんぶあげようとするし、愛想つかさないし。なんて報われないやつ……と思ったけど、バイキンマンは好きな女と同棲してるんだった。"
"絶望というそのものに、希望的側面があるからそこまで嫌いではない。"
"何か変わるかもしれなかった日に
何も変わらなかったことは絶望だから、平穏は平和ではない。"
"ゴッホのひまわりには陰影がない。なのに立体的でどっしりとした生命の迫力がある。ゴッホは日本の、物の陰影が描かれていない浮世絵を見て、日本は陽の光の強すぎるとても暑い場所で、光が溢れすぎていて逆に影がないのだと勘違いし、感銘を受けたと言われている。なんてぶっとんだロマンチスト。つんく♂さんみたい!目に見える陰影をあえてないものにすることで、目に見える光だけではないこの世界に溢れる光を表現したゴッホの豊かな光る黄色の素晴らしさ。陰影がなくても闇がある。闇があれば光は描ける。"
"それに対してラッセンは軽い。めっちゃ軽い。闇とかない。絶対に人が溺れない楽園のような海。隅々まで描写された写真のようなタッチで筆跡を感じさせない、目に見える陰影を書き写すタイプのリアリズム。眼球よりカメラのレンズに近いのではないか。"
"クズのまま光るんだよ。自分の理想の自分になるの待つほどの時間は、人生にはないんだから。"
"油絵の、あの何回も描きたい美しさにたどりつくまでに絵具を重ねた、いちばん上の層に下の層の色が効いてきている色がめっちゃ好きで。"
"私は、絵を描くように歌をうたいたい。声も、詞も。"
Posted by ブクログ
私の神様。人生で一番影響受けた人。いつかこの方に私の作ったお洋服着てもらうのが夢なんです。
やっぱり超大森靖子であるのと同じくらい超歌手なんだなと思いました。超歌手になる道を選んでくれてありがとう。
自分の中にあるもやもやっとした感情とかそうゆうの全部言葉にしてくれていて、靖子ちゃんを通して自分の感情の姿形を始めて知るようです。本当に五語化するのがうますぎるなあ。その分多分誰よりも繊細で人の気持ちがわかってしまう人だから、もう自分以外の誰かのために傷ついたりしないでくださいって思ってしまう。これもエゴ。早くまたライブに行って両思いになりたいです。
Posted by ブクログ
本というより、大森さんそのもの、むき出しのそのまんまという印象を受けた。ほんとに粗削り。構成とかいろんなものが今まで読んできたどんなエッセイよりめちゃめちゃなんだけど、だからこそ語り掛けられているような気がした。大森さんが目の前にいて、語り掛けられている気がした。
Posted by ブクログ
大森靖子の言葉が好きだ。
そういったわけで、エッセイは嫌いで日頃は絶対読まないのだけど、この本はつい購入してしまったうえに、面白くて勢いのままに一気に読み終えてしまった。
わかる、なんて言ったら良くないかもしれないんだけど、私はやっぱりなんか「わかる」と思ってしまった。
そして、友だちからの手紙でもないのに、本当に自分の心の弱いところを刺激されてしまって、励まされてしまって、嬉しくてありがたくて涙が出た。