【感想・ネタバレ】貧困クライシス 国民総「最底辺」社会のレビュー

あらすじ

『下流老人』の執筆を通じて見えてきたのは、「若者の貧困と高齢者の貧困は密接につながっている」ということだ。
若者たちへの支援が十分でないと、彼らが年齢を重ねて高齢者になったときの生活状況が、悲惨なものになってしまう。すべての人がいずれ老人になり、体が不自由になり、年金や生活保護を活用することになる時期がやってくる。
高齢者の問題は、若年層、中年層の明日の問題であり、生活の根幹にかかわる問題といえるだろう。今ここで対策を打たなければ、「一億総下流社会」が到来することは目に見えている。
本書では、子どもから老人まで、あらゆる世代の貧困事例を紹介。さらに、生活保護をはじめ、貧困状態にある人が申請し受給可能な社会保障制度を挙げるとともに、貧困状態から抜け出すための具体的な解決策を紹介する。
毎日新聞「経済プレミア」の連載に大幅加筆。日本の貧困問題のすべてが分かる。

※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください

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Posted by ブクログ

ネタバレ

世代や性別ごとに「貧困」を捉え、解決法などを提言してあって良書だと思った。
著者が指摘する「やりがい搾取」や「努力しても報われない社会」は若者に限らず、中高年世代にも言えることではないかと感じた。(各企業の定める基準を満たさない限り、ほとんどの中高年がそうなる、それを目の当たりにした若者が希望を持てなくなるという負のループともいえるのではないだろうか)コロナ禍の中、エッセンシャルワーカーの待遇に比して、賃金が伴っていないことが露呈してなお、仕事の社会評価は変わらず、妙なお客様第一主義を振り回す企業に都合よく消費されているのではないだろうか。
「自助」「自己責任」「(顧客に)期待を超える満足を」を過剰に求める社会は、多くの人を追い込む社会ではないだろうか。(そしてその多くは、社会からの批判を恐れ声を出せずにいる)
「おわりに」の中で「浅ましい分断が顕著だ」という指摘ももっともだと感じた。発刊から7年経過してるがあまり変わっていないことを恐ろしく感じるが本書が警鐘を鳴らしていることを心に留めながら生きていきたいと思う。

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2024年03月03日

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