【感想・ネタバレ】さらば,男性政治のレビュー

あらすじ

男性政治とは,男性だけで営まれ,男性だけが迎え入れられ,それを当然だと感じ,たまに女性の参入が認められても対等には扱われない政治である.ジェンダー平等な社会を目指す推進力が生まれているが,男性政治の最後の砦,永田町がその流れを阻んでいる.こうした日本の現実を超えて,女性も,男性も,マイノリティも,誰もが生きやすい社会への道を探る.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

日本の政治の場に女性が少ないのは、男性がケア責任(育児・家事)を免れていて、政治リーダー象が男性らしさを元に作られているからということがわかった。
日本では、家父長制の文化により、女性が指示する立場にあることに嫌悪感を覚えるミソジニー(女性処罰感情 )が発生し、政治の場にいる女性に対してセクハラなどの嫌がらせをおこなうもとになっているとのこと。男性のほうが権威があると勘違いして、悪意ある行動をするのをやめてほしいと思った。
変えていくには、私たちの意識を変えると同時に、クオータ制などの制度の導入も必要だと感じた。

印象に残ったこと。
・日本の男性には、ケア責任=育児・家事を担うことがほとんどない。ケア責任は女性が担うものとされている。政治の場は、ケア責任を免れた男性をモデルとなっているため、女性が入れない。
・男性政治家がケア責任を免責されているということは、「ガラスの下駄」を履いているようなものである。クオータ制をめぐっては、女性に下駄を履かせるものだという言い方がなされることがあるが、実態は男性がすでに下駄を履いているのである。ガラスの喩えは見えないことを意味しているから、シークレットブーツといってもいいかもしれない。
・女性が不利な理由は、典型的な政治リーダー像が男性らしさをもとに作られているから。様々な文化において、男性に期待される役割の中核は作動的(agentic) なものとして、女性では共同的(communal) なものとして理解するステレオタイプが形成されている 。
・女性がこれだけ多くの時間を無償労働に費やしているということは、アーリー・ホックシールドが「セカンド・シフト」と名付けた状況に女性たちが直面していることを示す。これは女性は外で働くシフトが終わっても、家庭内で次のシフトが待っているという意味。働く女性の過重な労働実態を浮かび上がらせる。
・ミソジニー=女性嫌悪。女性をからかい、いじることで貶める言論を目にする機会も多い。いじりが罪深いのは、冗談だと言い逃れることで、問題を提起する女性の声を無効化し沈黙の淵に追いやると同時に、女性蔑視を正当化するからである。

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2025年07月20日

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