【感想・ネタバレ】HSPブームの功罪を問うのレビュー

あらすじ

HSP(敏感すぎる人)という言葉は,人々の生きづらさを巧みに表したことで共感をよび,広く使われている.だが,本来は心理的特性を表す考え方が独り歩きし,医療やカウンセリング,資格ビジネスやマルチ商法まで,問題のある理解や取り上げ方も多い.気鋭の心理学者が「HSPブーム」の実態を明らかにする.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『ブーム』、第2章で取り上げられる『ラベリング』、第3章の主題『消費』という言葉にあるように、HSPもまた高度消費社会の産物なのかもしれない。この本はHSPの功罪に焦点を当てており、是非を問うものではないという点で中立的な解説がなされていると感じた。
おわりにの部分で『なぜHSPはブームにならざるをえなかったのか』という問題提起があるが、まさに問題の本質はここにあるのでは。日本社会が抱えてきた「生きづらさ」、2020年のコロナ、マスメディアの影響力。HSPを巡る問題は、単にひとつの流行として捉えるよりも多くのことを示唆していると思う。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「繊細さん」「HSP」という言葉が社会に浸透したことにより、HSPという言葉は当初の意味を超えて独り歩きし、良い面だけでなく様々な問題を抱えながら今も尚広がっている。そんな「HSPブーム」の功罪、特に罪の部分に着目し読者に考えさせるような内容。

HSPは障害ではなく、気質を説明するツールのひとつであるがその曖昧さ故に「何かを説明した気になれる」という側面。HSPブームその物が世間に蔓延る生きづらさを体現したものであるという視点がすごく興味深かった。
私も性格診断で自身を分類することで心理的安心感を得た経験がある。これは私だけでなく、HSPを名乗る人達も自分の生きづらさに名前をつけることで心理的安心感を得ているのかもしれないと思った。MBTI診断が流行ったり、今もなお個人の気質を分類する風潮がなくならないのもこれに通ずるものがあるのかもしれない。
根拠のない心理カウンセラーやカルトじみた専門家がマスメディアSNSで気軽に情報を発信できるという問題点。それによりHSPの人が搾取される現状。曖昧な情報に流されないように情報を取捨選択していくとこが大切だと思った。

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2023年08月18日

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