あらすじ
「情熱大陸」出演で話題!
現代ショートショートの旗手、最新作。
月曜日は気分が沈む……
注文した料理がなかなかこない……
スマホの充電がすぐなくなる……
「そんな依頼はおれにまかせ――
ないでほしい。ぜったいに。」
「憂鬱な出来事」の裏にひそむ“秘密”をイヤイヤ暴く!
どこか冴えない探偵のショートショート。
【収録作品紹介】
足を踏ふまれる
「私、電車でよく足を踏まれるんですよ」「お気持ちはお察ししますが、あいにく私は探偵でして……」――気乗りしない依頼のはずが、ある組織の存在が浮き彫りに……。
料理がこない
「自分よりあとに注文した人の料理がいつも先にくる」――どうにかできる問題ではないはずの依頼に困惑するも、陸上のユニフォームを着た若者が暗躍しているのを見つけ……。
ジャンケンでいつも負ける
「完全にたまたまでしょ」――しぶしぶ調査に乗り出した先には、怪しい闇賭博場が。
そこには、あいこにすら一度もならず、すべての相手に勝ちつづける男がいて……
靴下をよくなくす
「とにかく、気をつけるしかないんじゃないか」――そう思われた矢先、「うちの家は昔からやんちゃだからよくなくなります」と、謎すぎるコトバを口にする女性と出会い……
スマホの充電がすぐなくなる
「なんでこんなに減るんだろうって、毎日すごく憂鬱なんです」――どこから突っこんでいいものかと思い悩んだが、ある大学教授のスマホの使い方に愕然とし……
――など、誰にでもある「憂鬱な出来事」の裏側にある秘密を“意外な視点”で暴く。
「情熱大陸」出演で話題の、現代ショートショートの旗手による9篇を収録。
【著者プロフィール】
田丸雅智(たまる・まさとも)
1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部卒、同大学院工学系研究科修了。
2011年、『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。
2012年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。
「海酒」は、ピース・又吉直樹氏主演により短編映画化され、カンヌ国際映画祭などで上映された。
坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務め、また、全国各地でショートショートの書き方講座を開催するなど、現代ショートショートの旗手として幅広く活動している。
書き方講座の内容は、2020年度から小学四年生の国語教科書(教育出版)に採用。
2021年度からは中学一年生の国語教科書(教育出版)に小説作品が掲載。
2017年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。
著書に、『海色の壜』『おとぎカンパニー』など多数。
メディア出演に、情熱大陸、SWITCHインタビュー達人達など多数。
田丸雅智 公式サイト:http://masatomotamaru.com/
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
相変わらず作者の発想は素晴らしい。面白い。
憂鬱な原因もこれかもよ?笑
ただ、表紙のイラストが残念
話に繋がっているかと思いきや、特になく。
憂鬱を表しているのかと思うが、うーん
話が面白いので、もう少し手に取りやすい表紙だと良かったなあ
Posted by ブクログ
ショートショート集なのに連作集でもある珍しい一冊。
主人公の冴えない探偵・西崎と助手の女子大生・若菜が、色々な日常の憂鬱にひそむ謎を暴いていく。発想力の飛躍がすごい。さすがです。
扱う憂鬱は『足を踏まれる』『なかなか料理が来ない』『保存しないままファイルを閉じる』『ジャンケンでいつも負ける』『靴下をよくなくす』『スマホの充電がすぐになくなる』『服が他人とかぶる』『パスワードのリセットメールがなかなか届かない』『月曜日は気分が沈む』。
これらの裏にひそむのはーーーがあったから、と探偵が真相の解明に挑むストーリーが楽しくて、どんどんページをめくってしまう。
特に好きだったのは『なかなか料理が来ない』『服が他人とかぶる』。そんな面白い真相が潜んでいるのだったら、まあいいかと許してしまいそう。
田丸さんは新刊を出すたびに新しいことに挑戦していてすごい。
Posted by ブクログ
暇な探偵事務所に持ち込まれる奇妙な依頼、「足を踏まれる」「なかなか料理が来ない」「服が他人とかぶる」等々を、嫌々調査する探偵西崎とノリノリで調査する助手の若菜。その裏に隠された秘密を探り当てるうちに、やがて〝憂鬱探偵〟と人々に認知されるようになる。
タイトルに「探偵」と付くものの、ジャンル的にはミステリーというよりはSFに近い。ショートショートなので、一つ一つはとても読みやすく、トンデモ真相なわりに話もすっきり纏っていてよかった。軽く憂鬱な出来事に対して「本当にこうだったらいいのに」と思える、どちらかといえば前向きになれる内容だった。
ちょっと読み慣れないジャンルだったが、最後まで楽しく読めたので、同じように苦手意識を持っている人にもどんどん薦めていきたいと思った。
個人的に好きな話は「服が他人とかぶる」で、あるあるな憂鬱をクスッと笑えるものに変えてくれる話だった。
Posted by ブクログ
よくある日常ミステリ探偵モノかと思いきやSF仕立ての日常ミステリ。「おとぎカンパニー」の人だと知って納得。「足を踏まれる」と「スマホの充電がすぐなくなる」が好き。
Posted by ブクログ
それぞれのエピソードがムフッて感じでおもしろく、憂鬱探偵さんの残念っぷりと助手さんの活躍っぷりがわかり易すぎる好対照で楽しく読めました。「コイエ」は吹き出しちゃしました。
Posted by ブクログ
日常の中で、困ったり不満に思ったり、イライラしがちなこと。足を踏まれる、なかなか料理がこない、スマホの充電がすぐなくなる、など。実際に同じ不満や困ったことに直面した時に、この本にある現実ではあり得ない理由を思い出すだけで、少しは憂鬱が和らぎそう。
Posted by ブクログ
ミステリ風ショートショート。
満員電車でよく足を踏まれる、自分だけ料理がなかなか来ない、靴下がよくなくなる、じゃんけんに負け続ける、スマホの充電がすぐなくなる、ファイルを保存し忘れる、月曜日が憂鬱、など憂鬱案件ばかり舞い込んでくる、西崎探偵事務所。
料理が来ない話と月曜日が憂鬱な話好き。憂鬱な日常も、こんな裏事情があったらがんばれそうな気がするほっこりストーリーでした。
Posted by ブクログ
読みながら妖怪ウォッチのアニメの「妖怪のせいだよね」という歌詞が何度もリフレインした。憂鬱とまではいかなくてもイラッとする出来事の背後に、もしこうした事情があったら・・・と考えると許せるというか妙に気が晴れるというか。あまり深く考えることもなくサクッと読めて楽しめた。
Posted by ブクログ
装丁や中表紙の憂鬱感がすごくて笑える、かなり楽しい話なのにこんな憂鬱にしなくても(笑)
そこも含めて面白く読みました。
日常(依頼)と非日常(解決)が合わさって、ビックリしつつもクスッと笑える。
ひねりも2回転かぶせてあるのも、さすが田丸さん。
若菜ちゃんの勢いもすごくいい。
Posted by ブクログ
憂鬱なことは世の中にはたくさんある。
小さいものから大きなものまで(ヤンマーのCMみたいだ)。
本作は九つのちょっと憂鬱なものについて、謎解きをする。
のだが。
果たしてこれはミステリーと言っていいものかどうか。
もしかしたらそういうこともあるかもしれないが、スッキリお悩み解決、ではない。
かえって謎が深まってしまった。
勤め人の私にとっては、「保存しないままファイルを閉じる」の回は面白かった。
思い出したのは産休に入るわずか10日ばかり前。
パソコンがピーとかプーとか鳴って、ブルースクリーンになり、全く起動しなくなったこと。
システム担当部署に確認したら、「あー……」「寿命です」「クラウドに上げていないデスクトップのデータは救えません」とのこと。
これもきっと、憂鬱の原因となる何らかの現象と関わりがあるに違いない。
これで納得した…とはならないが。
「ジャンケンでいつも負ける」も憂鬱だ。
藤子・F・不二雄の短編集に出てきそうな話だった。
くだらない憂鬱さといえばまあそうなのだが、本人にとってはやる気を削ぐ原因となることがたくさんある。
本書で考え方を変えるもよし、ぐずぐず悩むのもまた楽し。
さて、個人的にもう一つ解決して欲しいことが二つある。
なぜ朝のニュースの占いは天秤座がいつも下位なのか、そして仮に上位の時に限って憂鬱なことが起きるのか。
水瓶座とか、牡羊座とか優遇してない?!
Posted by ブクログ
シュールなイラストに惹かれて、読みました。
日常にある、靴下が片方失なる、頼んだ食事が提供されるのが遅い、ジャンケンで負け続ける、、、等々のちょっとした憂鬱の謎を解き明かします。
この憂鬱の原因が実際にこうだったら、ちょっとは気持ちも晴れるかな!
Posted by ブクログ
短編の物語としてテンポや情景の表現は楽しめた。
物語のオチがイマイチの物語もあった。
家が靴下を食べる事がokなら、どんな話しも許されるでしょう。
Posted by ブクログ
「足を踏まれる」
「なかなか料理がこない」
「保存しないままファイルを閉じる」
「ジャンケンでいつも負ける」
「靴下をよくなくす」
「スマホの充電がすぐなくなる」
「服が他人とかぶる」
「パスワードのリセットメールがぜんぜん届かない」「月曜日は気分が沈む」
9話収録の短編集。
各タイトルを見ただけでその憂鬱さが伝わる。
間違っても探偵に依頼しそうもないこれらの案件を憂鬱探偵・西崎と助手の若菜が調査し解決に導いていく。
発想の飛ばし方が半端ない。
もはや依頼内容を忘れてしまいそうな展開に苦笑。
装丁も含めシュールでぶっとんだ作品集。
Posted by ブクログ
日常生活のちょっとした憂鬱の裏にある秘密を暴いていく、と書くとなんか違う。人が抱く憂鬱なんて気の持ちようなんだけど、その気の持ち方を与えるお話?なのかなあ。