【感想・ネタバレ】現代中国「解体」新書のレビュー

あらすじ

「九〇後」「房奴」「急嫁族」「打黒」「逃離北上広」……。次々に登場する数多くのキーワードから最重要のものを厳選して解説。目まぐるしく変わる現代中国の姿を鮮やかに切り取る!

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Posted by ブクログ

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現代中国を表すキーワードとその解説。中国の記者さんが書いてます。中国で出版されたものの翻訳とかではなく,日本人向けに書かれたもの。

結構中国の文化に興味があったので(時々テレビなんかで鼠族とかもぐら族とかやってたりしますよねー)とても興味深く読みました。
そして同時に,現代中国の問題についてあまりに自分は無知だったなーと改めて思い知りました・・・。

聞いたことはあったんですが,あまり知らなかった「都市戸籍」と「農村戸籍」の問題。結構深刻ですね。農村出身者が都市で暮らそうと思ったら,保険も効かないし仕事も見つからないで・・・。
確かにこの制度は現代の中国にはもうそぐわなくなってきてますね。たびたび改革の話はあったみたいですが,実際に改革されるのやら・・・。

私が印象に残ったのは,「経済適用男」という言葉。
ほどほどの経済力を有し,容姿も標準的で穏やかな性格の持ち主の男性を結婚相手として求める女性が増えているそうな。
なんという日本・・・!つい最近,日本の報道番組の特集で「三平」(平穏な生活、平均的年収、平凡な容姿)の男性を求める女性が増えているっていう話題を聞いたばかり。
日本も中国も同じ・・・世界的大不況だもんなあ。と思わず頷きました。みんな保守的な傾向になってくるよなあ。

そんな感じで,色んなキーワードがわかってたいへん面白かったです。
やっぱり中国は人口が12億人も居れば,かなり多種多様な人が居るんだなーと改めて思いました。
今後も中国の動向に注目していこうと思います。

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2012年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 思春期を迎えた男子中学生のように力をもてあましている中国。経済成長の影で、貧富の格差などアンバランスな一面が見えるなど話題には事欠かない。そんな中国の現代を「解体」して見せているのがこの1冊。

 貧富の格差で、お金持ちの家に生まれた「富二代(フアルダイ)」、高級官僚を親に持つ「官二代(ブォンアルダイ)」と、「貧二代(ピンアルダイ)」という貧しさを受け継いだ2代目が出てきた。日本とは違って想像を絶する差がある。北京オリンピックの時に貧困層が住んでいるところを外国のメディアが取材できないようにしたり、住人を強制退去させたりしている映像を見ると本当に同じ中国とは思えなかった。まさに弱肉強食の世界が繰り広げられている。

中国でも「婚活」があり、「婚活族」がいる。元をたどると、「婚活時代」という山田昌弘と白河桃子が書いた著書が中国語で翻訳されて出版されて、「婚活」が知られるようになったところから来ている。結婚することが目的と言う人は日中問わず多い。しかし、結婚することがゴールだとするとその後はどうなるのかとはてなマークが浮かんでくる。受験を終えて志望校に入学した学生のように燃え尽き症候群になるのではないかと心配だ。

 モクモク羊の場合「婚活」よりも、「豚活」と「シュー活」の方がいい。「豚活」はもちろん、豚肉を食べる活動で、「シュー活」はシュークリームを食べる活動だ。「婚活」よりも甘く、食べても安全だからなあ。猛女という毒にあたる確率が低い。

 中国では、愛人として囲っている妾のことをアルナイ(漢字では二奶)と呼ぶ。中国の愛人は、アルバイト感覚なのかと思ってしまう。中国の男性にとって愛人を持つことはステータスシンボルだそうだ。愛人村(アルナイツォン、漢字では二奶村)まであるとは驚き。隣近所で「あの人は何々さんの愛人よ」なんて噂話に花を咲かせているのかな。とはいっても愛人稼業も楽ではないだろうなあ。

言葉から見えてくる現代中国。色々な事が垣間見えて面白いなあ。語学好きのモクモク羊としてはなかなか興味深い1冊であった。

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2011年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 政治、経済よりも市民レベルの社会問題が多く取り上げられていて他の新書より役に立つ情報を得られた。
 現在中国では八十後と呼ばれる80年代生まれの世代が就職、結婚などで問題に直面しているという。この世代は一人っ子政策の第二世代で九十後世代よりも問題が深刻になっている。女性の高学歴化、晩婚化などは日本も頭を悩ますところでその点で中国は普通の国になってきているように感じる。
 一方で日本と大きく違うのが地方と都市の様々な格差だ。地方と都市ではそもそも戸籍が別で地方戸籍の者は原則都市に住むことはできない。しかし都市部に仕事を求める農民工と呼ばれる人が増えている。彼らは保険、年金制度が適用されず苦しい生活を送っている。現在その歪みを是正する動きもあるようだが問題の根は深い。
 共産党の腐敗はよく言われることだが、最近はネット等で不正が暴かれるケースが増えてきているという。これから習金平体制、共産党の一党独裁は続くのか、国民の声に適応するのか、革命が起きるのか予測は困難。

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2013年06月12日

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