あらすじ
日本代表選手となり注目を集める天才カヌー少女・恵梨香。だが大会で思いがけない事態に見舞われる。親友の舞奈は彼女を見守るが。一方、三年生になった希衣は自らの進路に悩んでいた。大学でも夢を追い続けるべきだろうか、それとも。そして迎えたインターハイ。今度こそ全国制覇の悲願は叶うのか――。感動のエピローグに熱い涙が溢れ出す、水しぶき眩しい青春小説、ついに完結。
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Posted by ブクログ
完結巻。
ようやく読めました。前巻からだいぶ空いてしまったけど、すぐに物語に入れた。
心の奥底でずっと火種を絶やさず、絶対にあきらめない、そんな希衣先輩が好きだ。
第5章あたりからずっとウルウル。
「一位ですよ!」という恵梨香の叫びに、胸が熱くなった。
ほんとに楽しい熱くなれる物語でした。
エピローグのラスト、観客席で応援する舞奈の姿をはっきりと思い浮かべることができる。
ああ、舞奈部長の活躍も見てみたいな。スピンオフ希望。
それとこっそり言っておこう。「アニメ化しないのかなあ。。。」
Posted by ブクログ
シリーズ最終巻!
未来へ向かう青春の1頁
トラブルにより恵梨香ちゃんはシングルを棄権することに
そしてダブルとフォアは出場したものの、体調不良により結果は今ひとつ
そのことに落ち込む恵梨香ちゃん、人らしい感情が1巻に比べてすごく増えて、成長したなー!って感慨深くなる
希衣先輩との先輩後輩関係も本当に成長した
困難に立ちはだかっても、ちゃんと2人で完結してまた前を見据える
2人の1位は2人だけのもので、そしてフォアの結果も4人だけのものだ
カヌーを愛するそれぞれの女の子たち
みんな自分の道を歩んで未来に向かって頑張ってるのが本当にカッコイイ
その夢が、大きな舞台へとみんなを繋いでいく
ちょっと駆け足な最後な感じはしたけれど、それでも綺麗な終わり方だったなと思う
舞奈ちゃんたちの3年生編も見たかったけど、そこまですると物語に終わりがないような気がするから、このまとめ方が1番良いのだろうなって
カヌーを続けること、辞めることの決断はそれぞれ
その中でも、大会中の今この時だけは前に進むんだ!って強さが溢れてる
そして未来、夢の前に立つ彼らの姿に読みながら声援を送り心踊らせる物語だった
Posted by ブクログ
カヌーに掛ける少女達の方向性が色々交錯し、カヌーで上を目指す人、カヌーから離れ別の進路へ向かう人など思い思いの進路へと進み、それがとても青春でした。
インターハイのシーンは胸熱で、ついにオリンピックへの夢が叶った人もいて、本当に爽快なラストでした。
カヌーってあまり興味はなかったんですが、カヌーに掛ける少女達のキラキラした様子がとても楽しいシリーズでした。
Posted by ブクログ
5巻で完結編となった。急に完結に持ち込んだ印象が拭えない。
黒部舞奈、湧別恵理香、天神千帆、鶴見希衣、そして土器富歌。このカヌーキャリアが全く異なる5人が、仲間を大切にしながら自分たちの目標に向かって邁進する姿が、青春物語らしく爽やかだ。
第三章の「トラブルはいつも突然」でのアクシデント・ヒスタミン食中毒は、2016年度のインカレ・カヌースプリントの遠征先で起きたM大学のケースと酷似しているが、このアクシデント、魚類や加工品を避けるしか方法がないようだと知る。
この食中毒によって湧別恵理香は、「関東高等学校カヌー大会」でのWK-1(決勝)での出場を辞退することになったが、断腸の決断だったことは切実に伝わる。期待した希衣とのペアも3位に止まった。
一方、希衣はWK-1で2位だった。大学に行ってもカヌーを真剣に続けたい(p.132)希衣だから期待が持てる。
エピローグを読んで改めて気付いたが、湧別恵理香、鶴見希衣、そして利根蘭子は東京オリンピックを目指していたことが分かる。努力家・鶴見希衣がオリンピック出場を果たしたのは、少し意外だが嬉しい。
2020年の東京オリンピックの結果を見ていると、日本のカヌー界のレベルが上がっているのは分かるが、世界はもっと進化していたことが分かる。
この小説がひとつのきっかけとなって、日本のカヌースプリント界が量的にも質的にもさらに発展することを期待したい。
Posted by ブクログ
え?もう最終巻?とビックリ。
ネタバレではないのだけど、読みたくない人もいるだろうから、「ネタバレの内容を含む」にチェック。
とてもいい素材なのに、それを生かし切れていない感じ。
武田綾乃さんの作品はほかに読んでいないので、これが作家のテイストなのか、作品のテイストなのかはわからない。わからないけど、とっても惜しいって思っちゃう。
足らないと思ってしまうのは、人間の描写と漕ぐ描写。
特に舞奈と恵梨香、希衣と恵梨香の関係性(ドラマ)は、肩透かしを食らった感がある。
高校の部活の中で、舞奈、恵梨香、希衣らがそれぞれ変わっていくというのがドラマの中軸になるのだろうが、そのあたりがほとんど語られない。つまり、もっと彼女たちの人間ドラマが読みたかったのだ。
そこが効いていないので、最後の終わらせ方も「え?」って思っちゃう。
結局、私には最後までなぜ『君と漕ぐ』だったのかわからなかった。
ただ、泣かされたので星は4つにしました。