あらすじ
これが、人生の罰ゲーム。
葉山の別荘で結婚パーティーの最中、カリスマブロガーの月村珠里亜が倒れ、昏睡状態に。心理カウンセラーの麻乃紀和は、死んだ息子を陥れた珠里亜に復讐を果たすべく、彼女の身辺を調べ始める。
そんな折、四谷の超高級マンションで発見された8体の惨殺死体。珠里亜の過去を追う紀和が辿り着いたのは、17年前に六本木のマンションで8人の子供たちが監禁された“モンキャット事件”だった。事件の鍵を握る人物として浮上したのは、“オザワ”という名の謎の女で――
取材する記者は皆“消される”というモンキャット事件の真相とは!?
マルキ・ド・サドの禁書『美徳の不幸』にオマージュを捧げ、現代に蘇らせた超絶イヤミス!!
※この作品は単行本版『聖女か悪女』として配信されていた作品の文庫本版です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一気読み。真梨さんの作品はいつも女性の妬み嫉みが描かれるけど、今回は男性含めて人間の色んな汚いが織り込まれていたなと思う。国のためのルール・倫理を無視して快楽に走る金持ちってのは本当にいるのかも知れない。自分もいつか⚫︎される側になると思いつつも自分だけは上手くやってる、転がしてるって慢心の世界。後半のグロテスクな描写はサイコ系の漫画で見た絵が脳内でミックスされながら再生された。ここが胸糞と評価されていたところかー!と思いながら読み終えました。この一気読みできちゃう胸糞な疾走感が個人的に好きです。
Posted by ブクログ
誰が1番悪いのだろうと考えながら読みました
騙し合い、憎みあいの繰り返しでうんざりしそうでした
私はまだ未成年なので大人になるとこんなに汚いのか、と絶望しそうになりながら読み進めました
最後までみんながみんなお互いが騙されていると見下している
そんな最初から最後まで心象悪い小説と感じました
Posted by ブクログ
真梨幸子『聖女か悪女』小学館文庫。
どこまでも真っ黒なイヤミス。
現実に有りそうな嫌な事件が複雑に絡み合い、読者はいつの間にか真っ暗な闇の世界へと引き摺り込まれる。
最終盤の終章、追章と執拗に畳み掛けるような描写が何ともイヤらしい。
カリスマブロガーの月村珠里亜が葉山の別荘で結婚パーティーの最中に倒れ、昏睡状態になる。売り出し中の心理カウンセラーの麻乃紀和は月村珠里亜に陥れられて自殺した息子の復讐を果たすために彼女の身辺を調べ始める。
すると、月村珠里亜は、実はとんでもない悪女であることが明らかになる。17年前の六本木のマンションで8人の子供たちが監禁された『モンキャット事件』、四谷の超高級マンションで発見された8体の惨殺死体……
本体価格740円
★★★★
Posted by ブクログ
インパクトがある表紙で電車の中ではカバーなしで読むのは抵抗がありました笑 さすが真梨さんのイヤミスワールド。表現にグロい部分がありましたが本当の悪は誰なのか気になって仕方なくあっという間に読み終えました。面白くてエンターテイメントでした。
Posted by ブクログ
★3.4
救いのない結末が見たけりゃ、とりあえず真梨先生を選んでおけば間違いない。
しかも今回はサドの『美徳の不幸』オマージュときた。
さて、ジュスティーヌなのかジュリエットなのか。
まあ真梨先生だから、どちらに転ぶかは見えてはいるが。
『聖女か悪女』は、SNSで絶大な影響力を持つ“聖女”のカリスマブロガーが、結婚パーティーの最中に倒れるところから始まる。
その昏睡をめぐる謎を追う心理カウンセラー紀和(こちらも聖女?)の視線を通して、17年前に起きた「モンキャット事件」、さらに四谷での大量殺人事件という二重三重の闇が浮かび上がっていく。
児童監禁や性加害、富裕層の退廃的な遊び。
プ◯エンジェル事件なのかエプスタインなのか、あるいはディディなのかは知らないが、それを思わせる構造で社会の陰湿さをぶち込んでくる。
しかも、マルキ・ド・サド『美徳の不幸』を重ね、美徳そのものがいかに無力で、むしろ利用され、裏切られ、最後には踏みにじられていく様を執拗に描いている。
ただ、物語としてカタルシスは正直そこまで濃くはない。
グロさも大味で、むしろディテールが省かれている分ある意味ポップさすらあった。
事件の繋がりにやや強引さも感じたが、それは「悪意が悪意を呼ぶ」という構造を示すための装置と考えれば、納得できる。
サドのジュスティーヌを“美徳”の象徴として借りつつ、物語の筋ではジュリエット的な悪徳のサバイバル戦略まで織り込んだ。
結局栄えるのは悪徳なのだと突きつけるように物語が進むが、
「でもやっぱりジュスティーヌのように清く正しく生きよう」、というビバ勧善懲悪なラスト。
…そんなお気楽には当然終わらない。
Posted by ブクログ
イヤミスとわかっていてもいや〜な気持ちが抑えきれない。
読後感はさすがイヤミス。って感じ。笑
イヤ~な気持ちになりたくない人は手を出しちゃダメ。笑
伏線回収がしっかりあるし読んでて面白いし、
続きが気になって一気に読んじゃいました
Posted by ブクログ
んんん。確かにイヤミス、ではある。
救いのないラストで、後味もなかなか悪い。ミステリーとしても様々な伏線回収あり、面白い。が…。
求めてるモヤモヤではないモヤがいくつかあったので、感想としてそれを書き出してみる。
完全にオチに触れる超ネタバレなので注意!!
一言で(味気ない表現で申し訳ないが)言うと闇深モノ、でいいのかな?
「犯人」の後ろにはさらに糸を引く者がおり、それらは決して裁かれず、末端の者のみ切り捨てられていく…。という構図。
結局は全てQ氏(BMO(完全にBPOが元ネタw)トップの高野)の内縁の妻であるQ夫人(加瀬淑子)の手のひらの上、ということで。
色々な人物の繋がりや真相自体は面白いと思うんだけど…なんというのか。
うーん。おそらく、黒幕が強大すぎるからかな?怪しい占い師や宗教団体が黒幕でしたで終わりならまだしも、そっちサイドにメディアやら警察やらのトップもいて。誰も太刀打ちできない兵器でいきなり叩き潰された感というか。笑
いや現実そんなもんなのかもしれないけどさ〜。それならそれで、もっとQ氏や夫人の経歴とか内面とか、考えさせてくれる何かが欲しかった。
まあでも現実そんなもんなのかな〜…。いやでもあくまでフィクションなんだから…。
あ、飯干もそっちサイドだったのはとても良かったw 最後もイヤらしさがしっかり出ており良い。
次、めちゃくちゃ残念だったのが、終盤の処刑ショーが月村珠里亜をハメるためのドッキリだったらしいこと…。
ああ〜数少ないグロ描写が!!なんと、演出でしたか。誰も死んでなかったのですかそれは良かった…じゃないよ良くないよ。私のワクワクを返してくれ、と言いたいが、いやストーリー上の都合はわかるよ、でもやっぱり、死のビンゴ始まった時の期待が高まりすぎて…うう。
そして、8人殺しの犯人が麻乃だったのはいいんだけど、さすがに首の骨に達するギリギリまで生きてるのは無理ないか?と少しモヤ。
あれも演出の1つで、実際にはそんなでもなかったのかなあ。どんなに上手く切っても、動脈に届いた時点で失血死すると思う(麻酔がなければその前にショック死?)んだけど…。わからん。
あと、8人もほんとに1人でやって解体もした?すごくない?ていうのと、そこまでやるほどの執念に結びつくまでの心理描写もしくはQ夫人の洗脳描写がなさすぎて、ちょっと突飛に感じる。いや想像はできるけども、やっぱりもっとねちっこく、その辺書いて欲しいな、と。
そんな感じで、そこそこ消化不良ではあるのですが、闇深モノとしては面白かったと思います。
この作品に関しては、事実は小説よりも奇なり、では無いといいんだけどな〜という気持ち。笑