あらすじ
のんきな雰囲気の私立鯉ヶ窪学園。転校生の赤坂通は非公認サークル・探偵部に入部させられた。彼らの目前で起きた密室殺人。被害者は、芸能クラスのアイドル目当てで侵入した盗撮カメラマン。事件後には、妙な名前の刑事コンビが現れ、美術教師が勝手な推理を披露し、音楽教師が謎の言葉を残すやら……。我らが探偵部と顧問教師は犯人にたどり着くのか。
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コミカルで軽い文体だけどしっかりとミステリー。ラスト50ページ、転がり落ちるように全てがわかる感覚がたまらない。読み終わったあとに冒頭付近の描写を思い出しながら「お前が…伏線だったのか……」と簡単の声を上げた。
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10年前のちょうど高校受験の日にテストの合間に読む本として購入した思い出深い本。
本格推理小説でありながら独特のコミカルな文体でとても読みやすく、主要な登場人物全てに好感を持てる珍しい作品。(推理小説だと死に役やブラフ的な悪役がよくいるので...)
トリックに関しては、作中キャラになりきってその視点で見ると「偶然」だけど、
文章からは「緻密」な印象もするし「大味」な気もする。
「計算された大雑把」なのかもしれない。
とにかく心の中にモヤモヤが残ることのない、収まりの良いトリックでした。
あとはこれを読むとお好み焼きが食べたくなります!もしくはクリスティやクイーンの小説を読みたくなります(笑)
……ちなみに私が持っている本の装丁は旧verです。キャラ絵がない方が想像力を掻き立てられて楽しめるので今でもお気に入り。
Posted by ブクログ
個性的な探偵部の面々が活躍(迷走?)するシリーズ。
真相に近いところまで辿りつくけれど、結局解決するのは
別の人間というのがいい。
お好み焼きのやりとりには、ついつい笑ってしまう。
昔の装丁が好きだったのに、表紙が変わってがっかりした。
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この人の作品はどれも同じパターン、同じキャラクター設定のスラップスティックミステリですな。でも、それが好きなのですが。ミステリスピリッツというべきものに共感を覚える訳ですよ。
今時コナンもびっくりの物理トリックを真っ正面からドカンと扱ってくれるのも嬉しいじゃないですか。バカバカしいんだけど、きっちり本格。これってすごいことかも。
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本気なのか、遊び半分なのか?確信をついているようで、ずれている…鯉ヶ窪学園探偵部(所属3名)+何の因果か探偵部顧問教師が、お気楽にそして、ちょこっと的外れに事件を本格推理!
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「謎解きは...」でブレイク中の東川篤哉の別シリーズ。過剰なまでにおふざけ(?)が書きこまれていて「本筋は、本筋!」と思う人もいるかも知れないがミステリとしてしっかりしてるし僕は楽しませてもらいました。石崎幸二の女子高生シリーズと似てるかも。顧問の先生が石崎というのは偶然だろうけど。
Posted by ブクログ
とにかく高校生3人組のやり取りが面白い。あと、顧問の先生が私の好みすぎてどうしようかと。
なかなか、いいミステリーで、読んでても楽しかったです。
ノベルスは初めてで二段の文章に最初は戸惑いましたが、面白い。
いやー、探偵部なかなか素敵だ。
トリックについては、多少強引じゃね?と思ったけど。
主人公が犯人を捕まえるのではなく、ちゃんとそーゆーところは現実味があってなかなか良かった。
このシリーズ、好きになりそうです。
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読み終わってまず『な〜んか、ずるくない?』って思ってしまうのは、私の頭が堅いのか?
新しい形の推理小説やけど、なんだかなぁ〜
ところどころ笑えるので、評価は高めです
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ボケとツッコミの嵐。ユーモアに満ちたミステリ。
ああでもない、こうでもない。だったら、こうじゃないかと
探偵部と共に事件を考えながら読み進められる楽しさがあります。
殺人は起きているわけですが、雰囲気がコミカル。
殺意は必ず~の方も読みたいです。
Posted by ブクログ
『謎解きはディナーのあとで』『密室の鍵貸します』に続いて、東川篤哉さんの本を読みました。
『密室の鍵貸します』と違って、自分では犯人は当てられませんでした。
そういう意味ではこちらのほうが良い出来ということなのでしょうか??
同じ鯉ヶ窪学園が舞台の、『放課後はミステリーとともに』を勤務先で注文中。
Posted by ブクログ
2011/2/10
私本読むの遅い。人生で一番遅い。
一生で読める本の量は限られてるのになぁ。
最近こればっかりの東川さん。
なんつっても読みやすいから。
出てくる人がみんな可愛げあるし。
今回は学園物です。
石崎先生が好みのタイプのキャラです。
Posted by ブクログ
事件の真相の約4割が偶然に頼っているように思える。 死体発見から警察到着までの様子にリアリティがあってよかった。 緊張感もフクザツさもなく読みやすい。 青春小説として読めば、おもしろい部類に入るだろう。 できれば容疑者を集めて、その前で謎解きをやって欲しかった。
Posted by ブクログ
このノリが嫌いな人、合わない人がいるだろうことはよくわかるんだけど、個人的にはそこがいい。主人公のキャラといい文章中に溢れるなんともいえないユーモアというかギャグ、そしてあのトリック! 読んでてホント楽しい。
Posted by ブクログ
〔!〕想像すること。真実はその先にある――かもしれない(p.234)
〔内容〕ゆる〜い校風の鯉ケ窪高校二年に転校してきた赤坂通は三年の多摩川流司と八ツ橋京介の叙述トリックに引っかかって探偵部に引きずり込まれる/多摩川か提唱する、密室犯人の行動による分類では最初に死体を発見した者、最初にドアを開けた者、最初に死体に近寄ったもの者、これは密室だと宣言した者が犯人だ。が、おりしも発生した密室では皆で役割分担しておりその説は沈没/クーラー娘はまだ出ない。たぶんどこかで誰かの書いたミステリでも読まされているのだろう。
〔感想〕積み残してたのをよーやく読めた/東川さんに慣れてない頃やったら「なんちゅーしょーもない」と脱力したやろうけど慣れてしまった今となっては充分に楽しめる。
〔好み度〕ここちよさ:B/キャラ:B/設定:C/文章:B/思いがけなさ:B/総合:B
■鯉ケ窪学園についての簡単な単語集
【相川詩織】芸能クラスに通う芸能人。
【赤坂通/あかさか・とおる】探偵部部員。「放課後」のとき霧ケ峰の前に腐った真鯉の姿で登場。中身はこれといった特徴のない男子高校生で二年のとき転校してきたが無難そうな文芸部に入ろうとしたものの叙述トリックにより騙されて探偵部に入部させられた。
【足立駿介/あだち・しゅんすけ】男子陸上部員。種目は走り幅跳び。自分を褒める自称が多い。三年生が抜けた後の新部長に誰がなるかもめたときに部長に立候補して無投票で就任した。候補だった大平と小仏は部を去った。殺したいほど憎んでいるヤツはいないがぶん殴ってやりたいていどに憎んでいる者は男子部員二十一人中に二十人ほどいる。体育祭で「僕」からバトンを受けるアンカーだったがカッコつけて走り派手に転んだ。
【荒木田聡史/あらきだ・さとし】校内では有名な不良。涼と奈緒ちゃんにフクロにされた。いつも隠れてタバコをすっている。涼に「ドラセナ」マスター特製ベーコンまみれのハンバーガーをおごってくれた。1330円。そして「ドラセナ」マスター特製鰻レタスバーガーをおごることになった。
【有沢美香/ありさわ・みか】大島の同級生で異常なまでの愛情を彼に寄せている。
【アンジェリカ】恋ケ窪教会のシスター。
【安藤タケル】人気俳優。父親も有名俳優。
【安楽亭ハラミ】水崎アンナの書いた小説の登場人物。オチケン。関西弁一年女子。本名は土屋倫子(つちや・りんこ)。
【E館】二度も事件が起こった校舎。逃亡するのに向いている。
【池上冬子/いけがみ・ふゆこ】地学教師。知的な美女。男子生徒にファン多し。冗談の通じなさそうな女。学校では白衣。かつて「峠のドリフト女王」と呼ばれた。らしい。得意技は後ろ回し蹴り。UFO愛高し。探偵役。
【石崎浩見/いしざき・ひろみ】生物教師。三十歳。好きな打者はヤクルトの大杉。探偵部の顧問候補として狙われているので探偵役となる。涼が困ったときには電話一本で召喚できる。この人がいるせいで涼は自分の頭で考えようとしなくなった。水崎アンナの書いた小説に同姓同名で同じ職業の人物が登場する。変わり者と称される。
【和泉亜希子/いずみ・あきこ】水崎アンナの書いた小説で教頭。堂々たる肉体を誇る眼鏡美人。
【市川雅人/いちかわ・まさと】水崎アンナが書いた小説の登場人物。龍ケ崎高校の陸上部員。皆が友人と思われたらイヤだと思っている。どうやら鯉ケ窪学園の足立駿介君に近いタイプかと。
【浦本響子/うらもと・きょうこ】水崎アンナが書いた小説中の音楽教師。絞殺死体として登場。
【うるる】涼の前に現れたもう一人のエアコン娘。宿命のライバルとなるか? 二年四組。小柄なツインテール美少女。鯉ケ窪学園ミステリ研究会。
【映画部】映画を作ろうとする部であって映画を研究する部ではない。
【江川】警備員。
【エックス山】正式名称は西鯉ケ窪緑地。なぜエックス山と呼ばれるようになったかは地元の人でも知らない国分寺七不思議のひとつ。
【江藤憲次/えとう・けんじ】野球部新キャプテンで捕手。二年生。
【大金うるる】→うるる
【大越正吾/おおこし・しょうご】水崎アンナが書いた小説の登場人物。陸上部員。
【大島敦史/おおしま・あつし】三年生有数のモテ男。
【大塚修司/おおつか・しゅうじ】水崎アンナの書いた小説の登場人物。映画研究会二年。ふてぶてしそうな巨漢。
【大平】陸上部から野球部に移籍。
【岡崎正志/おかざき・まさし】陸上部の一年生部員。スラリとした長身。宮下綾乃先輩に恋している。
【岡野祐樹】水崎アンナの書いた小説の登場人物。弱小バスケ部の主将。
【小笠原玲華/おがさわら・れいか】鯉ケ窪学園芸能科一年。新進の女優。長い手足に小さな顔でストレートヘアーに知的なまなざし。本名は吉田さん。キャベツいっぱいのお好み焼きをおごってくれた。1550円。探偵役。
【岡野千夏/おかの・ちなつ】茶髪でヤンキー口調の女子生徒。
【オギワラ・ユウジ】水崎アンナが書いた小説中の被害者である滝口美穂が口走った言葉。滝口美穂が勤める飲食店のオーナーが荻原悠二といい彼女に言い寄っていたらしいが?
【お礼参り】鯉ケ窪学園名物、生徒による先生に対するお礼参り。三月一日が解禁日。まあ、「冷やし中華始めました」みたいなもの。先生たちはかなりピリピリする。
【片瀬和哉/かたせ・かずや】水崎アンナの書いた小説の登場人物。数学教師。ボサボサアタマにヨレヨレスーツで女子に不人気。
【加藤翔太/かとう・しょうた】映画部の二年。色白のメガネ男子。
【加藤美奈/かとう・みな】隣のクラスの女子生徒で校舎から落ちてきて野田を押しつぶした。中学生の頃は演劇部のスターでイジメっ子だった。
【門倉新之助/かどくら・しんのすけ】奈緒ちゃんの居候先のおじいさんで命を狙われているらしい。資産家。七十五歳。
【門倉照也/てるや】俊之と典子の息子。新之助の孫。成人している。アホな三代目を絵に描いたような人。
【門倉俊之/としゆき】新之助の息子。
【門倉典子/のりこ】俊之の妻。
【門脇/かどわき】陸上部の顧問。足立が死んだとぬか喜びさせられる。
【カバ屋】お好み焼き屋。カバに似たおばさんが広島風お好み焼きを焼いてくれる店。抜け出して買い食いするスリルが人気。
【神山研吾/かみやま・けんご】水崎アンナの書いた小説の登場人物、二年C組生徒。長身長髪。
【烏山千歳/からすやま・ちとせ】そんな名前の駅があるらしい。女刑事。祖師ケ谷警部と組まされているようだ。若くて美人。『君に読ませたい~』で水崎アンナが書いた小説にも登場。石崎の後輩。
【川田】陸上部二年。
【川田】恋ケ窪教会の神父。
【北原詩織/きたはら・しおり】水崎アンナの書いた小説の登場人物。龍ケ崎高校文芸部部長。水咲アンナとは中学の同級生。丸顔で童顔ベリーショート。市川雅人君の友人ではない。
【木戸勝/きど・まさる】水崎アンナの書いた小説の登場人物。陸上部。縦に長いバナナのようなフォルム。
【霧ケ峰涼/きりがみね・りょう】『放課後はミステリーとともに』の主人公。右投げ右打ち本格派の十六歳。エアコンのような名前の名探偵になるつもりだがなかなかのアホである。というか、どちらかといえばワトソン役。エアコンと言われたらキレる。広島カープの大ファン。ベーコン好き。
【桐原さとみ】芸能クラスの芸能人。学校では野暮ったい眼鏡をかけた娘。
【鯨山高校】鯉ケ窪学園とは互いに唯一と認め合うライバル校。きわめて低い水準で。
【久保毅】堂々たる体格と繊細な筆遣いの美術教師。
【倉橋】サッカー部のストライカーでイケメンの先輩。
【倉本美奈子/くらもと・みなこ】音楽の若い女性教師。
【栗原由香/くりはら・ゆか】水崎アンナの書いた小説の登場人物。水泳部。
【警備体制】ゆるゆるの警備体制がこの学園の伝統的校風。それでこそこっそり抜け出してカバ屋で買食いするスリルを味わえる。
【劇団・遊撃手】そこそこ知られた劇団。西本千里(にしもと・ちさと)が看板女優。
【恋ケ窪】都市の中の田舎。
【鯉ケ窪学園高等部】舞台になる高校。鯉ケ窪にある。ランクはいまいちだが生意気にも芸能クラスを持っているので芸能人が多く通う。
【鯉高祭】文化祭。地元の有名校早稲田実業と重ならない日付を選んで開催される。
【児島】陸上部二年。
【小仏】陸上部から野球部に移籍。
【小松崎律子】三十路の音楽教師。
【近藤】野球部のエース。
【近藤美紗/こんどう・みさ】テニス部一年。大島とつきあっている。
【斎藤】先輩。「屈辱」で共に怪しい男を追う。
【佐伯優子/さえき・ゆうこ】映画部部長。黒髪ロングのたぶん三年生。「監督」ないしは「巨匠」と呼ばないといけない。真の狙いは映画を撮影する自分のメイキング映像を撮影すること。
【酒井千里/さかい・ちさと】水崎アンナの書いた小説の登場人物。控えめなうりざね顔。文化系プロレス部員。
【桜井】野球部不動の四番打者。
【桜井あずさ】生徒会長。多摩川部長の友人。中学の頃多摩川をフッたことがあるらしい。
【佐久間忠雄/さくま・ただお】恋ケ窪教会の隣家。庭の楓の木をめぐって争いがある。
【殺戮の館】映画。監督は後にカルト映画の巨匠と言われるようになる河内龍太郎(かわち・りゅうたろう)。ミステリマニアの間で議論を巻き起こす問題作。二時間半。この著者の作品に名前はよく出てくる。涼は退屈した。
【真田仁美/さなだ・ひとみ】美人校医。
【佐野弘樹/さの・ひろき】水崎アンナの書いた小説の登場人物。一年D組生徒。
【佐山】映画部部員。頭を斧で割られた姿で登場した。
【私鉄沿線刑事】私鉄沿線の駅名のような名前の二人の刑事。祖師ヶ谷大蔵警部と烏山千歳刑事。ちょいちょい登場。
【柴田幸三/しばた・こうぞう】武闘派体育教師の筆頭。通称「シバセン」。
【島村祐介】歴史教師。放送部顧問。かつて学校に入り込んだ盗撮犯に本多和彦とともに暴行を働いたことがある。
【城ノ内】鯉ケ窪学園警備室の室長。
【杉原周作/すぎはら・しゅうさく】水崎アンナの書いた小説の登場人物。送球部員。二年生ながら主将。送球部は伝統はあるが実績はない。雨上がりの夜殴打され気を失う。殴りたかった者は多くいそうなヤツ。
【須田山/すだやま】水崎アンナの書いた小説の登場人物。教頭っぽいベッコウ縁眼鏡をかけた龍ケ崎高校の教頭。
【須藤和也/すどう・かずや】同じクラスの男子。陸上部二年。
【青酸カリ】鮮度が大事。
【送球】ハンドボールのこと。
【祖師ヶ谷大蔵/そしがや・たいぞう】国分寺署の警部。そんな名前の駅があるらしい。『君に読ませたい~』の水崎アンナが書いた小説にも登場。
【第二文芸部】部長は水崎アンナ。作家としてプロデビューを目指す部活。部員は彼女だけ。
【高沢博也/たかざわ・ひろや】シバセンにお礼参りしたかもしれない男子生徒。
【高島/たかしま】体育祭のリレーで「僕」の前の走者。
【高橋雪乃/たかはし・ゆきの】気象観測部二年。以前大島とつきあっていた。
【滝口美穂/たきぐち・みほ】水崎アンナが書いた小説の登場人物。エックス山でナイフに刺されて倒れていた。「オギワラ・ユウジ」と口走った。飲食店勤務の二十五歳。
【武田義久/たけだ・よしひさ】テニス部三年。
【田所健二】保健室で殺されていた男。二十四歳。フリーカメラマン。実質的には盗撮魔。わが校の制服を着ていた。
【棚田祐介/たなだ・ゆうすけ】水崎アンナの書いた小説の登場人物。文芸部部長。
【多摩川流司/たまがわ・りゅうじ】探偵部部長。三年生。鉄板のよく似合う男。記憶力はそれほどでもないが全校生徒の約半数の顔と名前を覚えている。要するに女子全員。先端恐怖症。変人揃いの鯉ケ窪高校の中でもトップクラスの変人で野放しにすると何かしでかす可能性が高い。
【太郎松】保健室のそばにある首吊り自殺するのにちょうどよさそうな貧相な松。昔太郎さんが首を吊ったらしいが次郎さんだという説もあり。生徒会は太郎さんだと認定した。
【探偵部】鯉ケ窪学園高等部にある部活動のひとつ。探偵として活動することを目的とするのであって探偵小説愛好者たちの憩いの場ではない。部員数不明。顧問なし、部室なし。後に石崎が顧問となる。鯉ケ窪学園の名物、あるいは迷惑、粗大ゴミとも噂される。メンバーは部長が多摩川流司、副部長が霧ケ峰涼、平部員が八ツ橋京介、赤坂通、山下佳代子(放送部所属)。
【土屋一彦/つちや・かずひこ】一年生。
【土山博之/つちやま・ひろゆき】野球部三年。元キャプテン。名物男らしい。
【鶴間浩三】教頭。いつも残業してる。
【富永理絵/とみなが・りえ】水崎アンナの書いた小説の登場人物。水泳部主将で三年生。後頭部を殴られ死亡。
【ドラセナ】石崎の馴染みで涼も行きつけの喫茶店。マスターはモカチーノを知らない。頼んだらだいたいのものは(必死で)つくってくれる。
【奈緒ちゃん】高林奈緒子。クラス委員。鞄の中に江戸川乱歩の『ニ銭銅貨』を忍ばせている渋い女子高生。探偵役。テニス部の村上先輩とつきあっている。
【中園卓也/なかぞの・たくや】写真部二年。高橋雪乃にジトッとした愛情を抱いており、大島敦史にジメッとした嫌悪感を抱いている。と大島は言った。
【成島圭一/なるしま・けいいち】水崎アンナの書いた小説の登場人物。演劇部部長。長身、端正な顔で女子生徒の人気高し。
【西野エリカ】芸能クラスに通う俳優。
【西原恭子/にしはら・きょうこ】エックス山の畑のど真ん中で首を絞められて倒れていた女。池上冬子先生の学生時代の同級生。
【西原繁之/しげゆき】恭子の夫。
【西原昭二/しょうじ】恭子の父親。
【西原大輔/だいすけ】恭子の腹違いの弟。小学六年生。レッドソックスの帽子をかぶっていた。
【西原剛史/たけし】恭子の腹違いの弟。鯉ケ窪学園一年。
【西本千里】「劇団・遊撃手」の看板女優。何者かに襲われた。
【根津広明/ねづ・ひろあき】バスケットボール部員部長。背が高く実力もあり、女子に人気もある。
【野田栄子/のだ・えいこ】国語の教育実習生。美人。
【花井理沙/はない・りさ】水崎アンナの書いた小説の登場人物。龍ケ崎高校陸上部。市川雅人君の友人ではない。
【早川吉乃/はやかわ・よしの】水崎アンナが書いた小説の登場人物。演劇部。二年生。
【ハンズ】ここで買い物があるなら先生が授業放棄して自習になっても仕方がないと思える店。いろいろ売っているがハンズといえばパーティーグッズらしい。
【ピース亭国分寺店】伝統的店構えと頑固親父のこだわりが売り物のガラガラ空きのラーメン店。
【兵藤賢太郎】赤坂の担任。すべての輪郭を定規で引いたような四角い顔。三十五歳独身。
【藤川美佐】芸能クラスに通う芸能人。人気アイドル。保健室で死体が発見されたのと前後して行方不明になった。
【藤瀬正一/ふじせ・しょういち】芸能カメラマン。猫が苦手。安藤タケルをパパラッチしようとしている。
【藤田】用務員。
【部室棟】別名「無法地帯」。
【不良の敬語】これほど教師を不快にするものはない。
【僕】水崎アンナの書いた小説を読まされる悲劇に見舞われた新入生。ボクっ娘だったあの人物かもしれない。
【星野真澄/ほしの・ますみ】映画部二年。隣のクラスの友人。
【堀内辰之助】用務員さん。スリルとサスペンスに満ちた夏の夜回りと冬の鍋が懐かしい。その用務員室は探偵部の部室代わり。
【本格もの】定義は曖昧な感じ。要するに探偵が出て、謎が論理によって解ければよし。ただし、論理は必ずしも正しくなくても探偵(役)が(一見)筋道を立てて謎を解いたという様子が見えさえすればよし。
【本多和彦】数学教師。熱血漢。学生の頃体操に打ち込んでいたという均整のとれた肉体。かつて学校に入り込んだ盗撮犯に島村祐介とともに暴行を働いたことがある。
【正木俊彦/まさき・としひこ】水崎アンナが書いた小説の登場人物。滝口美穂の知人。金融機関勤務。鯉ケ窪学園卒業生。
【増井浩太郎/ますい・こうたろう】水崎アンナの書いた小説の登場人物。化学教師。演劇部顧問。
【増村】映画部一年。
【松本弘江/まつもと・ひろえ】門倉家の家政婦。
【水崎アンナ】「第二文芸部」部長。三年。
【水咲アンナ】水崎アンナの書いた小説の登場人物。「第二文芸部」部長。探偵役。
【ミステリ研究会】正式には鯉ケ窪学園ミステリ研究会、通称鯉ミス。ミステリの創作と評論に明け暮れている部活動。
【水原真由美/みずはら・まゆみ】劇団員。安藤タケルとは高校の同級生。
【溝口直樹/みぞぐち・なおき】水崎アンナの書いた小説の登場人物。小柄で童顔、声も甲高くて女性的。写真部一年。
【密室】多摩川の持論では、密室を作った犯人の行動による分類というものが有効ではないかと思われ、最初に死体を発見した者、最初にドアを開けた者、最初に死体に近寄った者、これは密室だと宣言した者が犯人だ。そうだ。また密室自体あまりリアルではないものなのでもし現実に密室が登場したらそれを解くためには奇想天外、不謹慎かつ突拍子もない方法を思いつく必要があるらしい。…本来「密室」が解けても犯人がわかるわけではないと思うが「本格もの」においてはほとんど同義となっている。実際には(密室があったとしても)そこに密室があるのならなんらかの方法でできるのだろうから特に解く必要はなく犯人が誰かさえ(論理的に)わかればよいはずやしわかるはず。
【箕輪雅彦/みのわ・まさひこ】水崎アンナの書いた小説中の国語教師。
【宮下綾乃/みやした・あやの】クラスメートで陸上部員。黒髪ロングに驚くほど長い脚。
【宮田】八時半に用事があった。
【モカチーノ】複雑なコーヒー。
【本山薫/もとやま・かおる】テニス部一年女子。近藤美紗に百合的愛情を抱いている。
【森伸二/もり・しんじ】水崎アンナの書いた小説の登場人物。龍ケ崎高校帰宅部。市川雅人君の友人ではない。
【森野美沙/もりの・みさ】美術部部長。小学生の頃からの付き合い。黒髪ロングに長身で手足長くクールな瞳にキラキラの星。
【八木広明/やぎ・ひろあき】化学の教育実習生。
【野球部】弱い。
【安岡雄二/やすおか・ゆうじ】水崎アンナの書いた小説の登場人物。カメラを持って学校に忍び込んだ三十三歳の小太り男。居酒屋のアルバイト。
【八ツ橋京介/やつはし・きょうすけ】探偵部のNo.2。副部長は霧ケ峰涼だが。関西弁キャラ。
【山浦和也/やまうら・かずや】隣のクラスの生徒会役員。
【山下佳代子】放送部所属の探偵部員。かわいい声にファン多し? 好きな捕手は古田。
【ユキ姐】不良たちが怯える何者からしい。
【陸上部】レベルが低い。
【龍ケ崎高校】水崎アンナの書いた小説に出てくる高校。鯉ケ窪学園の永遠のライバル。リアルでは鯨山高校がそれに位置していたかと。
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鯉ヶ窪学園高等部探偵(小説研究)部三人組(あるいは三馬鹿トリオあるいは三羽烏)が密室殺人の謎に挑戦するユーモア学園ミステリー。
次々に発見される死体の数と緊張感が全く合わないこの緩い雰囲気が好き。最後のカフェでの謎解きシーンはなんとなく記憶にあり、人の体ってそんなバウンドする?という違和感は覚えつつも「ま、いっか」と思わせられる作風も好き。
Posted by ブクログ
鯉ヶ窪学園シリーズ1作目。
コメディミステリー。
良いキャラクターの部員が動いて、
顧問の先生が謎を解くスタンス。
トリックは危なっかしい感じ。
一人死んで展開が早くなった。
Posted by ブクログ
鯉ヶ窪学園の保健室で密室殺人事件が発生。
その密室に挑む探偵部3人組。
偏った知識と理論でおもしろおかしく事件の真相を暴きにかかる。
連続して起こる殺人、密室のトリックが一つにつながっていく。
各箇所に謎を解く鍵が散りばめられ、推理ゲームを楽しめるような構成。
あまり登場人物に感情移入しにくかったかな。
まあそういう狙いではないかもしれませんが。。。
Posted by ブクログ
騙されて、探偵部に入部する事になった主人公。
そして、探偵部部長(うざいキャラ)とその相棒(関西弁)
なんだかんだと言いながら、事件に首を突っ込む三人。
とても濃い濃いキャラ達です。
部長は、美味しい所は全部相棒に持ってかれてしまう可愛そうなお人です。
推理ではなく、三人の漫才のような関係がとてもおもしろいです。
Posted by ブクログ
鯉ヶ窪学園探偵部お気楽三人組の前に起きた密室殺人と失踪事件。
彼ら見事?な迷推理が始まる。
彼らは事件の謎を解き、その名を轟かせることができるのだろうか。
Posted by ブクログ
『謎解きはディナーのあとで』で一躍有名になった東川さんの作品。うん、無難。学園モノらしく、全体的にコミカルなタッチ。改めてミステリーは真相が命だなあって、思いました。まる。
Posted by ブクログ
「館島」で初めて知った東川さん。これもとても面白かったです。
おれ赤坂通は高校2年生。鯉ケ窪学園に転入後、無難な部活動として「文芸部」に入ろうとしたのだが、うっかり「探偵部(探偵小説研究部)」に入ってしまった。他に部員は3年生の部長多摩川流司と相棒の八ツ橋京介だけ。
この二人に引きまわされて、放課後の学校を放浪していたら悲鳴が・・・。駆け付けた保健室の前には音楽教師小松崎律子。言われるままに小窓からのぞいてみたら、寝台の上に血だらけの男性が倒れている。そしてこの保健室は、密室だった。
とあっと言う間に密室殺人事件が発生。探偵部の3人、顧問の教師、他何人もの教師や学生、当然警察も入り乱れ、捜査と推理が展開する。
そしてやはり、再び事件が。これは自殺ではなく他殺だとしたらこれまた密室ではないか!
もう東川さんに慣れてきたので、楽しむのはストーリーや動機ではなく、雰囲気だということでそれに浸かりました。
いきなり回文が出てきたり、ただコーヒーを入れてもらい味わうのに、句点なし(読点はあり)の文章が31行にもなっていたりして、その度にワクワクして読みました。
密室の必然性や作り方については、相当強引ではありますがちゃんと納得できるものでした。
満足です。その割に評価は3しか付けてないんですが、まあ小粒だしあまり高く付けるのもどうかと思って・・・。
Posted by ブクログ
いつもの、東川先生のノリで繰り広げられる、真面目とは到底いえない学園?ミステリ。まともに推理を読もうと考えてる人だったらちょっと怒るかも。仮にも殺人事件だのなんだのが起こっているわけだから、もうちょっと真剣に…、と思う人にはまったく向きません・・・。
このある意味緊張感のなさで、やってることは実に論理的なミステリっていうギャップがなんだか面白いというか。けっこう綱渡り的なトリックでしたが、今こういうのは案外少ない気もするので、それはそれなりに楽しめました。
Posted by ブクログ
だんしがしんだいでしんだ―
鯉ケ窪学園の非公認クラブ「探偵(小説研究)部」に部長・多摩川と八ツ橋にひっかかって入部したトオル。
密室についての議論をしていた夜に密室となった保健室で男性の遺体を発見する。
続いておこった高校生アイドルの失踪とこれまた密室内での音楽教師の殺人。
身近で起こった殺人に首をつっこまないわけがない!
ということで探偵部の3人はこれらの事件の解明にのりだすのだが。。。
東川さんのシリーズ外モノ。こちらも笑えました!
3人の高校生の掛け合いも面白いし、顧問の石崎先生や他の先生もいいキャラしてます。
トリックというか、真相も同じように軽いのはまあ愛嬌ですかね~。
クラブ活動の探偵小説についての議論は興味深かったです。
特に密室殺人での犯人像。古今東西の名作古典作品の犯人の行動パターンについての分類にはニヤリとさせられました。
Posted by ブクログ
物語の語り部『赤坂 通』、高校2年生。編入した高校で『文芸部』に入部しようと部室を訪ねるが、そこにいたのは『探偵部』の2人だった。学校から公認されていない『探偵部』は、部室を持っていないため、いつも無断で空き教室を使っているのだった。そんな2人の巧みな(?)話術により、通は、あれよあれよという間に、なぜか『探偵部』の一員となるのだった。
そんなある日、相変らずだらだらと居残っていた三人は、悲鳴を聞き駆けつけた先で、一人の男が死んでいるのを見た。これは・・密室殺人。はたして『探偵部』は、犯人を見つけることができるのか?
本格推理と書いてあるのに、全然本格じゃなかった(笑)まぁ、冒頭で通が、これで騙されてるんで・・そっか。にしても、先輩がおバカ {/atten/} とくに部長。や、最初はちゃらんぽらんでも、やるときゃやるぜ金田一少年!みたいな人かと思いきや、最後までおバカ!!これでいいのか探偵部・・トリックもありえね~て感じのものなんだけど、その前に、さらにありえね~×2の推理を披露してくれてるもんだから、これでいっかみたいな気分になっちゃうし。まぁやりとりが面白かったので、最後まで笑って読めたけどね。
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読みやすいミステリ
なにかとくべつな力を持っているわけじゃない、良くも悪くもその辺にいるような学生が事件解決に奮闘します。
…いや、おもしろがってるだけかもしれない(笑)
個人的プッシュはやっぱり石崎先生
続編もでてるみたいなので、読んでみるかも
Posted by ブクログ
転校生の赤坂通が、探偵部というなんとも怪しい部に間違って入部してしまうところから始まる。
部の活動で密室談議をしていて、帰路に着こうとすると、学園内で密室殺人事件が起こる。
部長の多摩川、部員の先輩八ツ橋のふざけたやり取りが入りつつ、展開的には(殺人があるけど)明るく進んで行った。
最初の登場の仕方から想像しなかった人が探偵役をこなしていて、ちょっと笑ってしまった。
確かに、登場人物は多いけど、軽く読むにはお薦めな探偵小説だと思う。
2008.3.15。
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私立鯉ヶ窪学園の非公認サークル・探偵部の三馬鹿トリオが、学園内で起きた密室殺人事件に挑むシリーズ第1弾。先日シリーズ続編の『殺意は必ず三度ある』が出たので、未読だったシリーズ1作目を押えてみた。
ゆるい小ネタに緻密な伏線を隠し持っている東川作品ですが、本作はキャラも小ネタもトリックもバカ方面にまっしぐら。もう少しで鯨統一朗になってしまうほどであった。ツッコミ役が不足しているからか誰も正気に戻されることもなく、緊張感もなくゆるーく進む展開です。
密室が2つ出てきますが、どちらもかなりのバカトリック。そのために掘った外堀が意外とたくさんあって、逆にその必死さが面白かった。そこも埋めるのかよ!みたいな。久々に”ゆるい”密室ものを読みたくなったらどうぞ。