あらすじ
「いま日本では何が流行ってるの?」「こんな時、日本人ならどうする?」 そんな言葉をハリウッドの映画人から投げかけられるのは、僕にとってもはや日常茶飯事だ。あらゆる分野のメイン・ストリームで、日本人と日本文化はオリジナリティを高く評価されている。いまやアメリカの各業界では「日本を真似ろ」「日本に追いつけ、追い越せ」がキーワードになっているといっても大げさではないくらいの状況なのだ。
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Posted by ブクログ
日本、特に北海道にいると経済が悪いせいもあり、なんとなく自信を無くし心が下を向いてしまうように思います。
著者はハリウッドで映画作りに携わって35年の方です。35年もかの地にいればすっかりアメリカナイズされてしまって、「日本人はどうしてこうなんだ!」という批判的な本を書いてもよさそうなものですが、
「日本の強みとは一つの目標に向かって団結すること」
「その過程で周囲に配慮をしながら一人ひとりが動いていく」
というなんだそうです。
あらためて書くこともないようなことですがアメリカ、特に筆者が身を置く映画産業では
「自分はその道のプロなのでそれ以外はできないし興味もない」という姿勢の人がほとんどなんだそうです。
日本人のこうしたマインドが実は隠れた強みになっている、と書きます。
Posted by ブクログ
著者は、ハリウッドでプロデューサーをする日本人。ハリウッドの映画人を中心としたアメリカ人が今、日本に大きな関心をもち、日本からいかに必死に吸収しようとしているかを、豊富なハリウッド人脈とビジネス経験から、具体的に語っている。
たとえば10歳の天才野球少女を主人公にした映画の企画会議中に、重役がいった、「『スラムダンク』を知ってかい。あのマンガがまさにリアルタッチなんだ」。だからこの映画もリアルタッチで行こうというわけだ。この重役は、『スラムダンク』だけでなく、『大きく振りかぶって』や『バッテリー』など、近年のリアル系スポーツ作品を読んでいたという。
映画関係者が集まるブレインストーミング(自由に意見を出し合う)の場でも、「いま日本で何が流行っている?」が合言葉なのだそうだ。日本のマンガをアイディアの源泉にする脚本家もいるという。流行にもっとも敏感で、つねに最先端の面白いものを探している彼らの最新トレンドが日本のサブカルチャなのである。
日本発がかっこいい=クールというのが、いまやアメリカ都市部の共通認識になりつつあるという。
さらに著者は、自身の経験から、現在のアメリカは日本文化を抜きにしては考えられなくなっており、とくにアメリカ文化の「進化」、「成長」と思える部分で、日本に学んだ部分が多いと指摘する。
著者のこういう主張が容易に信じられないという人には、このブログでも取り上げた『ジャパナメリカ』を合わせて読んでもらえば、ある程度納得してもらえるかも知れない。今、アメリカに大きな影響を与えている「日本発ポップカルチャー革命」を丹念に報告している。